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ホテルに物品を預け、紛失または盗難に遭った時・・・

<「キーケース紛失事件」発生>

 実は、以前、某ホテルに車の「キーケース」を預け、ランチ終了後にそれを受け取りに行くと、「申し訳ありません。昼の宴会に来られたお客様に間違って渡してしまったようで、キーケースを紛失してしまいました。」と。

 その言葉を聞いて、一瞬間固まった。普段は駐車券と交換に「キーケース」を受け取る訳だが、間違って渡すはずがない。間違って渡した人物が駐車券を持たず、筆者の「キーケース」に付けられた車のナンバーと一致するはずがない。何故、そんな馬鹿げた事が起きるのか、理解し難いトラブルに、唖然とした。

 或る日の冬の午後、2時半。ロビーは、玄関ドアが開く度に寒気が入りこみ、思いの外足元が痛いほど寒い。待つこと3時間半。外は暗くなっていた。仕方なく、オフィスにある予備キーをタクシーでホテルまで運んでもらい、愛車を移動することにした。

 盗難事件が多発する昨今であるが、間違って受け取った人物が良からぬ人物であれば、非常に怖いことになる。万が一、愛車で帰る筆者が追尾され、その駐車位置が分かれば、簡単に盗むことが可能となる。

 しかし、何のために寒い中で3時間半もロビーで待たされ、熱いお茶も出ず、ホテル側が為す術もなくボーッとしているのだろうか。宴会主催者やその他調査をその日の内に行い、間違って受け取った人物の特定を急がなかったのか。

 それが酔っ払いであれば、何故、車で来ているのか。玄関先でタクシーで帰ったのならば、普段、待機しているタクシー会社は数社決まっているのだから、何故、タクシー会社を徹底調査しなかったのか。理解に苦しんだ。

 外は既に真っ暗となり、無事オフィスに到着したが、何となく胸騒ぎがしたので、そのホテル近くにある立体駐車場へ行き、愛車を預けることにした。再び愛車を運転してホテル方面に走り、立体駐車場に愛車を預け、タクシーでオフィスに戻った。

 それから一週間が経ち、何も連絡をしてこないホテル側。あまりの「杜撰な管理」と「不誠実な対応」に苛立った。ホテルへ電話をして、「キーケース紛失事件」の経緯を聞くことに。

 ところが、一週間前と変わらず、同じ回答しか返って来ない。とんでもない失態である。調査など一切行わず放置のままであり、ただただ「すみません」で事を済まそうとするホテル側。

<被害の実態>

 実は、当時の愛車はJaguarのXJタイプ、黒のサルーンであった。鍵は独特な形をしており、その辺の鍵の110番では複製ができないものだ。ディーラーへ連絡すると、シリンダーごと交換となると、一ヶ月以上掛かると言う。

 翌日、ホテル近くの立体駐車場へ出向き、月極契約をしなければ、駐車料金が嵩んでしまう。銀行印や実印を持ち出し、月極契約をすることにした。よって、約一ヶ月間は、タクシーを使用して仕事をすることに。

 月極契約は一ヶ月という短期契約は無理だと言うので、1年契約をすることにした。とんでもない事だが、その選択肢しか頭に浮かばなかった。ディーラーには一ヶ月以上預ける安全保管可能なスペースはなく、レンタカーを借りるにしても一日あたり5万円ほどする。

 その後、ホテル側から若いスタッフが自宅にやって来た。ホテル専用の商品券1000円を100枚(10万円分)を届けに来たのだった。いやいや、返してもらいたいのは、愛車の鍵、オフィスや自宅の鍵、金庫の鍵、バッグの鍵などが束ねられた「キーケース」である。

 10万円分と言っても、レストラン料理の原価を三割とすれば、3万円分の価値しかない。「キーケース」はフェラガモのブランド製で、それだけでも4、5万円はする。ホテル側の「不誠実な対応」が浮き彫りとなった。

<逃げ回る総支配人>

 ちょくちょく利用する事があるホテルなので、諍いは起こしたくはなく、ホテルとして信用していたので、その「誠意ある対応」と迅速なる「紛失物の追跡」を期待していたのであった。

 しかし、それからホテル側が動いている気配も段々となくなり、上述の商品券で誤魔化すのかと思えば、苛立ちの方が強くなってくる。

 後日、総支配人に打診をするも、上の空。どうやら会社のトップへの報告を避け、有耶無耶にしようとした事が後ほど判明したのである。悪意ある「隠蔽工作」により、ホテルへの信頼の礎がゴロゴロと崩れて行った。

 この「キーケース紛失事件」により、当時、キーシリンダー交換、他の鍵交換、月極駐車場代、タクシー代、新規バッテリー代などを合計すると、80万円ほどが飛んでいった。あまりにも杜撰なホテル側の対応と、他人事のように素知らぬふりをする総支配人には愕然とした。

 後日、再び総支配人へ「キーケース紛失事件」のこれまでの経緯を聞くことにした。Q&Aが成り立たないこの人物は、相当したたか者である事は噂で聞いてはいたが、話に応じることもなく、さっさと壁の裏へと逃げて行く。

<ホテル側の法的責任>

 それから数年が経った。当時、全ての鍵類は変えているので盗難の危険性はなく、後はホテル側の「誠意ある対応」を待つことにした。そこが、筆者の甘すぎる考えというか、諍いを起こしたくはない気持ちの方が強いが故に、我慢強く待つことにした。

 因みに、お客がホテルに物品を預ける場合、法的には「寄託契約」が成り立ち、それを紛失または盗難により行方不明となれば、ホテル側に「契約不履行の責任」が生じ、「弁償」しなければならない。

 信用しているホテルであるからこそ、「待ち」を選択したのが大きな間違いであることが、最近になってよく理解できなような気がしてならない。

 理由は、社長交代となったので、過去における「未解決事案」をさっさと解決しておかないと、このホテル側の大失態である「キーケース紛失事件」は風化するばかりで、筆者一人が取られ損となる訳だ。

<トップ交代>

 新たに社長就任した人物へ、「キーケース紛失事件」の存在と、これまでのホテル側の「不誠実なる対応」を吐露したのである。慌てた新社長は社内調査を行い、事件の存在とこれまでのホテル側の「不誠実な対応」を認め、公式謝罪をホテルの会議室にて行った。

 1枚の書類を両手に持ち、ガタガタと震えながら、多分緊張のあまりの震えだろうけれども、心の籠った謝罪文を同席した若手取締役の前で読み上げ、しっかりと事実関係を明白にしてくれた。(失態を起こし同席した若手取締役が次期社長となる)よって、口頭ではあったが、「弁償」の言葉が発せられた。

 ところがである。その人物には持病なのか何なのか分からないが、社内外で問題を引き起こし、社会的に認められぬほどの事案がわんさと吹き出してきたのである。その事案は、運悪く、筆者にも火の粉が飛んで来て、とうとうホテル側と対峙する立場に置かれ、雲行きが怪しくなった。

<悪意ある役員の存在>

 今思えば、新社長というよりも、その周囲の悪意ある役員たちの「隠蔽体質」に問題があり、ホテルの外に敵を作り、それを犯人として片付けることで、自らの足元を固めようとする稚拙なる「証拠隠滅」へと逃げ去った。

 それから数年が経ち、最近になり、トップ交代となった。よって、このタイミングで「キーケース紛失事件」の解決と、さらに火の粉を被ったところの事実確認をしなければならない。特に、「キーケース紛失事件」については公式謝罪とその他に物的証拠も潤沢にあり、あとは「弁償」を待つばかりである。

<証拠集め>

 これまでの経緯で、「隠蔽体質」の典型的なホテルであることがよく理解できたので、重要な証拠集めに傾注した。当時、ガタガタと体全体を震わせ朗読した書類やその他火の粉を被った証拠物件がわんさとクラウドに残っている。残しておいて良かった。切れ味の良い「切り札」ばかりである。

 それらデジタルデータを精査して、数点書類を出力し、再度ホテル側へ「未解決事案について」という公式書簡を送ることにした。

<更なるトップ交代と不誠実なる書簡>

 ところがである。またもや、新たなトップや役員たちの動きは、過去の悪しき慣習の流れにて、「その事実は無かったという認識である」で、逃げ始めた。想定内ではあったが、流石に国宝級の「隠蔽体質」であると再認識した次第。

 返ってきた書簡は二通。今回の「未解決事案について」への真摯ある対応ではなく、書簡内容は途中からガラリと変わり、「難癖」、「高圧的な文言」が羅列されていた。論理思考欠落の新たなトップの稚拙極まりない、個人的な感情が見え隠れする、恥ずかしいほどの書簡である。

 「事実は無いということで認識している」と厚顔無恥なる書簡内容に、唖然とする筆者であるが、今回は、絶対に掴んだ尻尾は離さず、徹底的にホテル側の蛮行にメスを入れ、猛省に追い込み、社会的責任を果たしてもらおうと、既に筆者の腹は決まっていた。

 これまで、「諍いなし」を最優先して、我慢に我慢を重ねてきたものの、筆者がホテルを信頼していること自体、間違いであったことを思えば、何を信じて良いのかさえ分からなくなるほどだ。

<有無を言わさぬ物的証拠>

 その心無い二通の書簡に対して、厳選した証拠物件を添付した公式書簡を送りつけた。多分に、有無も言えぬ証拠物件に唖然としているのは、現在の悪質なるホテル側の役員たちであろうかと。

 上述はノンフィクションである。実録を確と書き起こすことで、風化を少しでも阻止すべく、今、延々と書き綴っているのである。

 時間が経てば、人というものは怒りも忘れ、許せぬものも許してしまう傾向にあるが、このような理不尽なる蛮行は、決して許すべきものではなく、また、次の事件が起きぬよう、ここで最大級の爆弾を落とし、最悪の場合は、社会的制裁をも想定内に動く必要がある。

 現在、この件は八月二十一日を最終回答期限としているので、「ing」の段階であるが、ホテル側としては真摯に受け止め、ホテルのプライドに掛けても、これまでの蛮行を猛省し、最終的には「弁償」という物理的な動きにより「誠意の第一歩」を踏み出してもらえればと思うばかり。

<ホテルという存在>

 ホテルという存在については、筆者のZOOMでレクチャーする中に「ホテル文化と食文化」というカテゴリーがある。よって、この理不尽なるホテルの蛮行は、想定外のものであり、全国でも稀有なる悪意ある犯罪ではないかと感じている。

 大抵の場合、被害者側の証拠能力が弱いために、泣き寝入りになるケースが多い。そこは、問屋は卸さない。しっかりとそのホテルの「隠蔽体質」をピンポイントにて粉砕しようかと考えている。

<読者の方へのサジェッション>

 読者の方に一つ申し上げておきたいのは、加害者と被害者の関係にあり、皆さんが被害者となった時に、加害者が欺罔という手法で「加害者と被害者のすり替え」を行い、さっさと逃げる可能性が高いこともご理解願えればと。

 更に、前述のように「確たる証拠」をしっかりと掴み、厳重保管することが望まれる。それが最後の最後に切り札となり、有無を言わさず、悪意ある人物たちをドンツキ(関西弁)へと追い込むことが可能となる。

 以上、人も施設も見掛けだけで判断するのは、非常に危険である典型的な例と言える。役員が変われば企業も変わる。役員が悪玉菌であれば、過去の事実を隠蔽し逃げるのみ。それが、悪玉菌の常套手段である訳だ。

 因みに、冒頭の「キーケース紛失事件」は、同ホテルのベテラン社員は認識しているが、コロナ禍で辞めていったドアボーイやその他セクションのスタッフも多いので、今回のタイミングがギリギリであったかと思うばかり。

 さて、八月二十一日までのホテル側の最終回答を待つことに・・・。


 最後に、筆者は同ホテルへ恨み辛みは一切ない。その理由は、笑顔が素敵な若き純朴なるスタッフが多くいるからである。それが、心の救いになっている。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。