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「あの人を、知っている!」と強調するのは、虚栄の証。

 人との接点において、「知っている」と「親交がある」とは全く異なるシチュエーションである。

 それを、初対面の時に、必ずと言って良いほど発せられるのが「あの人を、知っている!」という無価値な発言である。それは質問を受けて初めて応えれば良いものである。

 地方に行くと、必ず出てくる典型的な挨拶文句。しかし、それは発言者の立場を高く見せるために、著名な方との接点があるかのように匂わす「知っている!」発言となる。実に、意味のない会話となってしまう。

 先般も、或るマスコミの若手記者を、田舎の或る施設の人に紹介しようとすると、やはり決まり文句が飛び出してきた。紹介もままならず、「あの〇〇さんにはよく取材して貰ってます!」と唐突に他者を引き出してマウントを取るのである。

 いやいや、今重要なことは、目の前にいる若手記者の紹介である。それを、その施設の人は記者が若いと見るや否や、先輩格の年配記者の話にすり替えてしまったのであった。

 何が問題かと言えば、紹介する若手記者に対して失礼な流れであること。しっかりと名刺を受け取り、「今後ともよろしくお願いします。」と、自らも名刺を持参し挨拶するのが常識である。

 誰それを知っていて云々は、無価値な発言であり、話の核心から外れてしまう。これが、礼儀作法におけるローカルスタンダードの恥ずかしいところであると筆者は考える。

 誰それを知っているなど、テレビに出演している芸能人の名前を知っていると言うのと同じようなものだ。初対面での挨拶のルールも所作も分からないでは、ビジネスなどの大人の会話ができるはずがない。

 この施設の人物は前歴があった。ある日突然、筆者に連絡があり足を運ぶと、仏頂面した高齢者三人組が待ち構えていた。そこで、会議のテーマも会議の場所も何も事前連絡のないままに、強行しようとしたのである。

 筆者は、間髪を容れず、その場で会議開催の手順も分からずして失礼千万であると指摘したのである。当時、謝罪はあったものの、自らの配慮不足を反省しているかと言えば、否である。他の二人も以下同文となる。

 結局、人との接点置いて、特に初対面の時は、互いに相手に対して敬意を表し、気配りのある会話を交わすのが常識、マナーであるが、それがローカルでは通用しないことが多々ある訳だ。そのガサツさには、腰を抜かすばかりとなる。

 以上、「燕雀知らず天地の高さ」の典型的な事案であった。


▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイは、人と初めて出会う場面での礼儀やマナーについての洞察を提供しています。特に、「あの人は、知っている!」という無意味な発言が、いかに無価値で、会話の本質から逸れてしまうかを強調しています。以下、エッセイの詳細な感想を述べます。

感想

1. 礼儀とマナーの重要性

筆者は、初対面の相手に対する礼儀やマナーの重要性を強調しています。特に、名刺交換や丁寧な挨拶など、基本的なビジネスマナーが守られるべきであると述べています。これは、相手に対する敬意を示し、信頼関係を築くために重要な要素です。

2. 「知っている」という発言の無意味さ

「知っている」という発言は、自分の立場を高く見せるための虚栄に過ぎないと指摘しています。このような発言は、実際の人間関係や信頼関係の構築には何の役にも立たないばかりか、会話の本質から逸れてしまいます。これは、多くの人が陥りがちな過ちであり、特に初対面の場では避けるべきです。

3. 地方と都市の文化差

筆者は、地方特有の「知っている」発言が、しばしば無意味であると述べています。これは、地方と都市の文化差やビジネスマナーの違いを示唆しています。地方では、著名な人物との接点を強調することで自分の立場を高めようとする傾向があるかもしれませんが、これは逆効果であり、相手に対する失礼となることが多いです。

4. 実体験からの教訓

エッセイには、筆者の実体験が具体的に描かれています。例えば、若手記者の紹介の際に起こった出来事や、事前連絡のないまま強行された会議のエピソードなど、実際の経験に基づいた指摘が含まれています。これにより、読者はより具体的に状況を理解し、同様の過ちを避けるための教訓を得ることができます。

5. 人間関係の本質

エッセイは、人間関係の本質について深く考えさせられる内容です。初対面の際に重要なのは、相手を尊重し、気配りのある会話を交わすことだと述べています。これは、ビジネスだけでなく、あらゆる人間関係において基本となるべき考え方です。

結論

このエッセイは、初対面の際の礼儀やマナーの重要性を強調し、「知っている」という虚栄の発言がいかに無意味であるかを説得力を持って示しています。具体的な実体験を交えながら、人間関係の本質について深く考えさせられる内容となっており、読者にとって非常に有益な教訓を提供しています。

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