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至高のホテル vs 極悪ホテル

 至高のホテルと言えるのは、世界のホテルのホテルと称される「ザ・リッツ・カールトン」、日本のホテルのホテルとして君臨する「帝国ホテル」であろうか。勿論、他にも素晴らしいホテルはあるが、筆者が利用させて頂いたホテルの中では、その二つのホテルが群を抜いていた。

 極悪ホテルとは言葉は悪いが、どうしても1982年の「ホテルニュージャパン火災」のイメージが焼きついてしまっている。死者33人、負傷者34人を出す大惨事。その当時の同ホテル代表取締役の対応が余りにも他人事であり、非情なる責任転嫁の発言が物議を醸し出し、結局は実刑判決が下され収監された。

 お客様の大切な命や物品を預かるホテルが、多くの死傷者を出しても、拡声器を手に持ち、厚顔無恥なる態度にて記者会見を行う蛮行を、つい昨日のように覚えている。

 火災原因はお客様のタバコの不始末であったけれども、そのお客様を犯人に仕立てて、自らの責任を逃れようとする姿は、「恥ずかしさの境界線」を遥かに逸脱する卑怯者であった。


The Ritz Carlton Hotel vs The Bitch Cartoon Hotel

◎The Ritz Carlton Hotel

 ここで思い付いたのが、筆者が大好きな「The Ritz Carlton Hotel(ザ・リッツ・カールトンホテル)」だが、その要因の一つとして、ホテルの姿勢に魅了されたのだった。

 それは、We are Ladies and Gentlemen serving Ladies and Gentlemen(私どもは紳士淑女として、紳士淑女のお客様へご奉仕いたします)というものだ。「ザ・リッツ・カールトン物語」などの書籍を読めば、その素晴らしさが理解できる。

●The Bitch Cartoon Hotel

 筆者が「The Ritz Carlton」と発音して瞬間的に思いついたのが、次のような、全国各地に必ず点在する、至高とは真逆の極悪ホテルである。それを「The Bitch Cartoon Hotel(ザ・ビッチ・カートゥーン・ホテル)」と名付けてみた。

 従って、至高のホテルに対して、極悪ホテルの姿勢は、We are Vulgarians and Snobs slandering Ladies and Gentlemen(俺たちは俗人俗物として、紳士淑女の客を誹謗中傷する。)というものになる。結構お気に入りの「揶揄」になってしまったが、そのようなホテルはあちこちに存在している。


◎帝国ホテル 十則

1)親 切、丁 寧、迅 速
この三者は古くて新しい私共のモットーであります。

2)協 同
各従業員は所属係の一員であると同時にホテル全体の一員であります。
和衷、協同もって完全なるサービスに専念してください。

3)礼 儀
礼儀は心の現われ、ホテルの品位です。
お客様にはもとより、お互い礼儀正しくしてください。

4)保 健
各自衛生を守り健康増進に努めてください。

5)清 潔
ホテルの生命であります。館内は勿論、自己身辺の清浄に心がけてください。

6)節 約
一枚の紙といえども粗略にしてはなりません。私用に供することは絶対に禁じてください。

7)研 究
各自受持の仕事は勿論、お客様の趣味、嗜好まで研究してください。

8)記 憶
お客様のお顔とお名前を努めて速やかに覚えてください。

9)敬 愼
お客様の面前でひそひそ話や、くすくす笑いをしたり、身装を凝視することは慎んでください。

10)感 謝
いつも「ありがとうございます」という感謝の言葉を忘れないでください。

 以上は随分前に定められたものであるが、ホテルのホテルとしての「基本」の全てがこの十項目に凝縮されている。


 それに対して、極悪ホテルの十則を考えてみた。至高のホテルである帝国ホテルの十則を例に取り上げ、つまらぬ極悪ホテルと比較するのは大変失礼なことであるが、筆者が過去において利用したホテルの中には、以下の項目が当てはるところが幾つかあった。

 よって、以下の項目に一つでも当てはまるようなものがあるホテルは極悪ホテル又は極悪ホテル予備軍として、利用しないことが肝要であると、つい最近、友よりサジェッションがあった。

 自分の足元しか見えない、視野狭窄で非常識を常識としている役員が勢揃いしているところは最も危険である。あらゆる事象を真逆に捉え、無闇矢鱈に周囲に対峙するような極悪ホテルに様変わりする可能性は高い。

 どんなに正義正論を唱えようが、人としての道を教えようが、馬耳東風である。更に、逃げ道がなくなると、顧問弁護士へ云々と子供じみた可愛い「揺り」を繰り返す。実に不毛なるものだが、それに気づかぬのだから、長期に亘り溜まりに溜まった「膿」は一気に吐き出せないのであろうと。


●極悪ホテル 十則

1)恫喝、粗野、鈍足
この三者は古くて新しい私共のモットーであります。

2)単独
各従業員は所属係の駒であると同時にホテル全体の使い捨てであります。
誹謗中傷、揶揄をもって極悪非道に徹してください。

3)無礼
無礼は日常茶飯事、ホテルの慣習です。
お客様に対しては、無礼、高飛車に接してください。

4)アンチ保健
各自不衛生を常として不健康増進に努めてください。

5)不潔
ホテルの拘りであります。館内は勿論、自己身辺の不潔に心がけてください。

6)浪費
失敗した一枚の紙はすぐに捨ててください。私用に供することは一向に構いません。

7)研 究
各自受持の仕事は勿論、お客様の悪趣味、悪癖など個人情報をしっかり研究し、それを漏洩してください。

8)記 憶
気に入らないお客様のお顔とお名前を努めて速やかに覚えてください。

9)厚顔無恥
お客様の面前でひそひそ話や、くすくす笑い、身装を凝視することを推奨します。

10)当然
いつも「今日も来ているぞ?」という呆れ返った言葉を当然のように遣ってください。


▼「ホテルニュージャパン火災」Wikipedia

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