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霊巌寺の精進料理・・・亡き奥様の手料理は、自称グルメ通の筆者に、絶大なる影響を与えた。


※5年前、別サイトに掲載した記事のリメイク版。心に残る精進料理を作って頂いた奥様への手向けの記事として、『note』にも残しておきたい気持ちが強く、リメイク版を再掲載することにした。


 八女茶発祥の地として知られる、霊巌寺(れいがんじ)。同寺は福岡県八女市黒木町笠原の山林に囲まれたところにあり、精進料理で有名な食事処であった。自称グルメ通の筆者にとっては、京都の天龍寺に勝るとも劣らなぬ精進料理のお寺さんとして、すこぶるお気に入りである。今まで、数回は足を運び、その奥様の手料理を堪能している。

 新聞社時代、若き頃に初めて訪れ、自然てんこ盛りの優しい精進料理に感銘を受けたのであった。豪雨が続く昨今、甚大な被害を受けた福岡県や大分県の情報を知り、同寺や奥様ことが気になり、5年前に電話をしたのだった。(10年前の大水害の時にも奥様へ安否確認の電話をしている)

 電話先の息子(現在の種田明道住職)さんに奥様のことを尋ねると、残念ながら6年前に他界されたとのこと。一瞬、言葉を失った。無念の一語に尽きる。最後にお会いしたのは2009年(料理写真を撮影した時)で、当時、筆者が引率した異業種交流会のメンバーを、丁重にお世話をしていただいた奥様の笑顔が、つい昨日のように思い出される。

 実は、全国各地に多くのファンを持つ同寺の精進料理だが、奥様が逝去されてからは休止しているとのことである。手間暇のかかる精進料理であるが、何とか近い内に再開していただければと、切に願うばかり。息子さんの住職によれば、再開を目指して試行錯誤している最中とのことだった。

 ふと思い出したが、以前、NHK連続テレビ小説「ほんまもん(放送期間:2001年~2002年)」の主人公のモデルとなった、かの有名な故 村瀬明道尼(月心寺/滋賀県大津市大谷町)の法名が、偶然にも、霊巌寺の息子さんと同じ「明道」であることに、何か不思議な気持ちとなった。

 ちなみに、月心寺へも、以前足を運び、酒の一升瓶を片手に語っていた村瀬明道尼を前に、見事な普茶料理を食したことがある。特筆するとなれば、同寺の『胡麻豆腐』は絶品であった。


【霊巌寺】福岡県八女市黒木町笠原

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