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個人事業主SE(システムエンジニア)との単独契約は慎重に!・・・見えない所に落とし穴

 SE(システムエンジニア)のレベルはピンキリである。有能な個人事業主で信用のおけるSEもいれば、水面下で何をしているのか分からぬ、低いスキルの、怪しいSEも存在する。

 今回は、企業経営者への警鐘として、決して、「お友達感覚で会社のシステムを任すのは危険である!」と物申したい。

 実例を挙げると、或る個人事業主のSEが、自動車販売会社、医療関連販売会社、そして宿泊関連会社の三社と契約を結んでいた。

 自動車販売会社は数千万円するシステムの更新時期を数年後に控え、それより格段に安くシステムを組むという契約。更に、医療関連販売会社については在庫管理などを含むサーバー構築と販売管理システムなどを統合したシステム構築の契約。最後に、宿泊関連会社には予約システムとフロント会計などのシステム&Webサイト構築の契約。

 それぞれの契約は、1ヶ月あたり数万円の廉価な開発料を支払うことで、少しずつ、システム完成に向けて、その個人事業主のSEに一切のお任せモード、丸投げとなっていた。

 最初の自動車販売会社は、2年ほどで完成の目処が立たぬと判断。途中で解約。別のシステム開発企業と新規契約を結んだ。その読みが的確だったので、現在、新たなシステムが動き出し、数千万円するシステムよりも廉価で十分稼動していると言う。よって、個人SEとの契約解除決断が奏功したことになる。

 次の、医療関連販売会社については、独自サーバーを設置し、遠隔にてシステム開発を依頼。ところが、3年経っても微動だにしないサーバーとして放置の状態。よって、解約に至る。上記の自動車販売会社と同様に、他のシステム開発会社に依頼し、新たなシステムとして現在稼動している。

 最後の宿泊関連会社に至っては、独自サーバーを設置。Webサイト構築、予約システム、フロント会計などの開発を依頼していたが、結局、サーバーやその他マシンの納品も果たさぬまま、数年が経った。その間数百万円を支払うことになるが、急に連絡が途切れ、開発不能となった。よって、契約解除を決定した。

 このように、「安かろう!」で個人事業主SEに依頼すると、とんでもない落とし穴に遭遇することがある。

 勿論、全ての個人事業主SEを指すものではない。実に稀有なるケースであるが、大洞吹いて、何でもかんでも「OK」と言いつつも、全てが中途半端であり、完成に程遠い段階にて頓挫するケースが後を経たない。

 結局、数年間、極めて鈍足な開発スピードにて、日頃の生計を立てている(数十社と契約していればかなりの売り上げとなる)ようで、それぞれのクライアントを騙しているに過ぎないのである。

 企業経営者としては、個人事業主SEに依頼する場合は、設計図、フローチャートをしっかりと確認し、遠隔操作での開発は特に見えないので、常に「見える化」を要求し、進捗状況を定期的に正確に報告させることが必要となる。

 よって、「安かろう!」というだけでは信頼できず、先ずは、初手から疑って掛かっても間違いなさそうだ。つまり、「安物買いの銭失い」になってしまうだけだ。

 因みに、上記のいい加減なシステム開発を行っていたところは、他のクライアントも同様に、全ての開発が頓挫したのか、廃業に追い込まれた。

「何でもできます!」という大洞には要注意!

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