50mm標準と90mmマクロとの比較・・・最近、迷うレンズたち。
季節が猛暑の夏が過ぎ、秋へと移り変わると、花々を撮影できる機会が増えてくる。猛暑は、できれば海辺でビビッドな写真が撮れればと思いつつ、近頃は世界的な伝染病にて足が遠のくばかり。
現在、筆者なりに迷いが生じているのが、標題のように、50mmの標準レンズと90mmのマクロレンズのことである。
「レンズを被写体によって、現地で替えれば良いじゃないか!」と言われればそれまでだが、日々、取材にでっかく重たい一眼レフを2台も持ち歩くのも面倒だし、ここ数ヶ月は50mmを中心に撮影することが多かった。
以前、24mm-105mmのズームレンズで高機能のものがあったけれども、デスクから落とし壊れてしまい、日頃の撮影に最適なズームがない状態。
よって、単焦点レンズを持ち歩くとなると、花を撮るには最短焦点距離が短いものでなければ対応できないので、50mmと90mmで迷ってしまう。
もちろん、業務用のマテリアルを収集する時は、カメラを2台から3台、超広角やマクロなど数本のレンズを持ち込むが、普段は『お散歩カメラ』的に気軽に撮りたくて、可能な限り、フットワークを良くしたいのである。
ものの本に、『写真は、標準レンズに始まり、標準レンズに終わる。』と書かれているように、標準レンズが基本中の基本であり、肉眼に一番近い状態で撮影できるところが心地良い。
しかし、標準レンズには、50mm派と35mm派に分かれているが、どちらも優劣つけ難い。ちょいとワイド感を出したければ35mm、見たままを撮りたければ50mmといった具合に考えている。
以下写真4枚は、上2枚が50mmで撮影したもの。下2枚が90mmで撮影したものだ。実は、上2枚はフルサイズのカメラ設定をDXフォーマットに変更し撮影しているので、35mm換算では75mmで撮影したことになる。
50mmはf1.4のかなり明るめのレンズ。90mmはf2.8のまあまあ明るめのレンズ。微に入り細に入り、ビシッとしたフォーカスで撮るには、ご覧いただければ分かるように、下2枚の90mmマクロレンズの方がインパクトが強い。
結論としては、『面倒臭がらずに、2本のレンズを持ち歩け!』と、自分に言い聞かせることにした。
ここ数年、ミラーレス一眼レフカメラが世の中を席巻しつつある中で、考えが古いのか、どうもペンタプリズムのファインダーをこよなく愛している人間であるが故に、重量感のある古い一眼レフを使用している。
以前、熊本市内の老舗カメラ店で、店主が「今はコンパクトなミラーレスが主流だし、そんなに大きくて重いバズーカのような望遠なんぞ、皆使いませんよ!」と冷やかされたこともあった。
確かに、現在の古い一眼レフカメラのバッテリパックを取り付けて、600mmの超望遠レンズを装着するとなれば、総重量が3kg以上になってしまうのである。
それは、赤ちゃんを胸元に抱えながら取材をすることになるので、肉体改造のために、フィットネスクラブで赤ちゃん片手に歩き回っているようなものだ。
いやはや、本題は50mmと90mmに迷いだったはずが、ペンタプリズム搭載の一眼レフとミラーレスの比較に話がずれ込んでしまった。レンズとしては、50mm f.14の方が抜けは良さそうに思えてならないが・・・。
※写真トップは、想い出のカメラたち。左がフィルムカメラのNikon F4(1990年購入/当時26万円ほど)、右がNikonが最初に世に送り出した一眼レフデジタルカメラNikon D1(1999年購入/当時63万円ほど)である。今でも、立派に現役であるところが素晴らしい。