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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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2022年10月の記事一覧

脇宮盛久の世界(4)・・・『造り』

<皮剥肝巻・中とろ・ごま鯖の造り>  これは、絶句するほど、旨かった。三種の刺身に、三種の割橙酢、土佐酢、ごまだれが添えられ、一つ一つの刺身の最高の味を引き出していた。  贅沢な造りだが、特に、皮剥肝巻は圧巻であった。

脇宮盛久の世界(3)・・・『小吸椀』

 先ず、器に描かれた鈴虫に目が行った。羽根のところは貝殻を施してある。和食らしさが漂う、小さな椀。蓋を開けると、中央に盛り付けられた吸い物の主役たち。  『菊花蓮根饅頭 蕪擂り流し仕立て』という、小吸椀。名残鱧射込み、松茸、菊菜、柚が食材として使われており、絶妙なる吸い物であった。  会席料理の中では、この吸い物が命であると考える。何故なら、職人の腕の高さが、この小さな椀に凝縮されているように思えてならないからだ。  最後の一滴まで飲み干し、器やその蓋をじっくりと拝見し

『すみや亀峰菴』のリノベーション情報・・・2021年過去記事より

 京都亀岡の老舗旅館「すみや亀峰菴」(株式会社すみや亀峰菴 代表取締役 山田智さん)情報を入手した。それは、コロナ禍における同館の大規模リノベーション「現代アートと伝統の技が織りなす稀有な空間」という、大胆且つ意表を突く老舗旅館の秘策である。  第1期工事では、200平米のロビー&ギャラリーが完成し、4月26日からリニューアルオープンしている。また、第2期工事では、現代アートが体感できる140平米の特別宿泊室が、来年春頃には完成予定。  今回の、大規模リノベーションでは、

脇宮盛久の世界(2)・・・『前菜』

 これは、まさしくアート。職人の腕の見せ所でもあり、そのレベルが分かる。それが、『前菜』である。  和食で『八寸』というものがある。約24センチ(8寸)角の皿に、旬の食材やレアな食材を盛り付け、季節感を楽しむものだが、今回の『前菜』は、過去最高のアーティスティックな世界になっていた。  一つ一つを食す時に、脇宮盛久料理長(熊本ホテルキャッスル 細川)が説明を加え、頷きながら、唸りながら、食したのだった。至福の極みとは、こういうものなのだろうと。

大阿蘇鶏モモ肉のハーブパン粉焼き サラダ仕立て+カキフライ(サービス)

 本来ならば、カキフライは含まれていない。  この大阿蘇鶏は、とても柔らかくジューシーで、全く癖がない、上質の鶏肉である。パン粉のサクサク感がたまらず、口の中で弾ける。  正直なところ、たった今オフィスに帰ってきて、お腹が空いている中で、この写真を見るのは酷な話。さっさと、アップして終了する。

こんなに丁寧に可愛く盛り付けられると、食べるのが勿体無い。

 写真は、昨日、熊本ホテルキャッスルのダインニングキッチン九曜杏のランチタイムにサーブされたサラダである。  お安いランチをオーダーしたにも関わらず、こんなに丁寧に可愛らしく盛り付けされると、食べるのが勿体無いほどである。  サラダは、ほとんどオリーブオイルと岩塩少々のみで食すが、この場合は、生ハムがあったので、オリーブオイルだけで完食。  厨房側の配慮に、感謝するばかり。

真鯛のポワレに、チョロンとカキフライが添えてある。

 本日は、先週金曜日の会食(熊本ホテルキャッスル 奥座敷 細川)のお礼に足を運び、ダイニングキッチン九曜杏にて、久しぶりの洋食ランチを頂いた。  何となく魚が食べたいので、ランチメニューから『真鯛のポワレ』をオーダー。「ん?」、真鯛の横にカキフライとタルタルソースが添えてある。  マネージャー曰く「先般、日清 ラ王のKamo Dashiが美味しかったので、料理長がそのお返しとのことです。」と。  こういった遣り取りがとても楽しいけれども、恐縮するばかり。多めのご飯がすっ

脇宮盛久の世界(1)・・・『先付』伊勢海老どんぶりジュレかけ

 会席料理『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』の最初にサーブされた『先付』。独特な器の上で伊勢海老が主人公として、金箔が添えられている。  今宵のディナーは、脇宮流の『宝石箱』が飛び出してきそうな予感。  お味の程は、伊勢海老の香ばしさと甘みが口の中に広がり、一口で食すのが勿体無いほどのものである。 ※脇宮盛久料理長:黄綬褒章及び現代の名工受章者

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。・・・PDFファイルにしてみた!

 数十年ぶりの旧友との再会記念に、記事をPDFファイルにしてみた。ざっと遣ってみたが、まあ、紙媒体にすれば読み易いかも知れない。  旧友本人やその他関係者には、是非、ダウンロードをお勧めしたい! ▼PDFファイルダウンロードは以下のURLから、どうぞ! ※約10MB https://www.dandl.co.jp/club/saikai20221021.pdf

温かい『粥』が腑に染み渡る・・・『鱶鰭東寺粥』

 昨夜、旧友と数十年ぶりの『再会の宴』を楽しませて頂いたが、最後の〆として『粥』が振る舞われた。  『鱶鰭東寺粥』(桜海老、おこげ、軸三つ葉)に香の物が付いている。熱々の『粥』に、トッピングされた桜海老の上に、優しくとろみにのあるフカヒレを注ぎ込む。実にシンプルだが、とても複雑な味の融合を楽しめる逸品であった。  幼い頃は、風邪気味で体調悪ければ、すぐに『粥』を作ってもらい、体の芯まで温まり、バスタオルを首にぐるぐる巻きにして、ぐっと我慢の子であった。しかし、このようなお

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。

 数十年ぶりの旧友(山本順司医師/東京大学医学部卒)との再会。その宴を飾ったのは、『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』(脇宮盛久料理長作/熊本ホテルキャッスル 個室 細川)。  学生時代と変わらぬ、互いのトークスタイル。旧友は開口一番、「よく二人で話していたよね。僕は受け身で10聴いて、1話す感じだった。」と。  筆者としては、そんなにお喋りの自覚はないが、彼にとってはそうだったようだ。数十年ぶりの会話は、数十年前と同じペースで、色んな思い出が湧き出してくる。  彼は、防衛医

電話の第一声にて、企業イメージを瞬時に読み取れる。・・・サービス業の盲点なり。

 サービス業で大事なことは、顔も見えない人からの電話応対である。その一瞬に隙があれば、企業イメージを瞬時に読み取ることができる。  「はい、○○旅館でございます。」、「はい、○○サービス株式会社でございます。」と応えるにしても、言葉のイントネーションや滑舌、更には、言葉の選び方で、その企業の社員教育のレベルなり、企業としての全体イメージが伝わってくる。  一度、二度、或る宿泊施設の幹部に助言したことがあった。それは、筆者のセミナーの『プロトコールと接遇』のカテゴリーに属す

遣ってみたいな、和洋中の『三麺三昧』。

 最近、麺が食べたくて食べたくて、堪らない。それも、日替わりで、和洋中の『三麺三昧』。和食であれば、素麺やうどんも考えられ、洋食であれば多種多様なパスタ麺もある。中華であれば、パリパリ焼きそばも五目そばも何でもありあり。  写真は、熊本ホテルキャッスルのダイニングキッチン九曜杏(くようあん)や四川料理 桃花源(とうかげん)で過去に食した麺々。どれだけ食したかは、全ての写真を掲載すれば分かるが、キリがないのでランダムに抜粋。  麺は、上述のように和洋中色々あるけれども、甲乙

メニュー外メニュー。数年ぶりの特製『チャーシュー麺』

 新聞社時代から、熊本ホテルキャッスルの会員制クラブ『エルドラード』にて、夜食としてオーダーしていた、同ホテル特製『チャーシュー麺』。  実は、このメニューはグランドメニューには無く、確か、ルームサービスでオーダー可能になっていたと記憶する。  しかし、この旨さに取り憑かれて、同ホテルの11階フレンチレストラン『トゥール・ド・シャトー』であろうが、1階ダイニングキッチン九曜杏であろうが、会員制クラブであろうが、注文していた。  最近、この特製『チャーシュー麺』を食してい