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ホテル文化に学ぶ

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取材先はザ・リッツ・カールトン東京、帝国ホテル東京、ホテルオークラ福岡、グランドハイアット福岡、熊本ホテルキャッスルなど。食文化発信基地としては、最高の食事処を選んでいるので、何… もっと読む
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固定された記事

『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』に舌鼓。

 数十年ぶりの旧友(山本順司医師/東京大学医学部卒)との再会。その宴を飾ったのは、『豊穣の秋たけなわ 再会の宴』(脇宮盛久料理長作/熊本ホテルキャッスル 個室 細川)。  学生時代と変わらぬ、互いのトークスタイル。旧友は開口一番、「よく二人で話していたよね。僕は受け身で10聴いて、1話す感じだった。」と。  筆者としては、そんなにお喋りの自覚はないが、彼にとってはそうだったようだ。数十年ぶりの会話は、数十年前と同じペースで、色んな思い出が湧き出してくる。  彼は、防衛医

あの人に会いたい・・・善家 繁

 現在、ICTやホテル文化と食文化、私塾「Well Done」主催、取材など、コンサルティング業務を主軸として日々活動している筆者である。  実は、ホテル文化と食文化の基礎を築いてくれたのが、当時、熊本ホテルキャッスル四川料理 桃花源の料理長(最終職位:同ホテル常務取締役兼総料理長)であった善家繁(ゼンケシゲル)氏との出逢いであった。  元々、食文化については、ICTを本業としながらも、自分なりに研究を重ね、和洋中いずれも、五つ星ホテルレストランから町場の人気レストランま

Well Done 2024(昼の部)がスタート

 筆者主催のプライベートスクール「Well Done」の「Basic」が、4月3日(水)からスタート。期間は1年間、毎週水曜日午後2時から午後3時半、毎月4回、年間48回のZOOMセミナー。ICT総論各論、Mac戦略的活用法、生成AI、DSLRの基礎と撮影法をカリキュラムに組み込んでいる。  本日は、Macの基本ショートカットのコマンド、基本アプリケーションソフト、複数アプリケーションソフトの連動とデータの互換性、生成AIとの会話を実演し、これまでの「我流Mac」を大々的に

料理を創造する天才料理人との出逢い

 十数年前に、日本鉄板焼協会(高級鉄板焼)の特別顧問を仰せつかり、東京、京都、大阪、博多など、同協会全国昇級試験や冷凍フォアグラなどの食材処理研修などに立ち会い、取材をしたことがあった。  そこで感じたことは、現在独立して成功している料理人は、料理を創るのである。世界中の食材に目を向け、オリジナル料理を次から次へと創り出している。一方、料理を作る料理人は、先輩が残したレシピ通りに料理を作っている。  よって、両者の大きな違いとしては、一つ一つの料理に込められた魂が違う。あ

フランス料理おせち「佛蘭西」・・・完食

 フランス料理おせち「佛蘭西」(熊本ホテルキャッスル)の個々の料理解説を予定していましたが、能登半島地震発生により中止致します。  写真のように、キャビア、カマンベールチーズ、生ハムで完食とします。

フランス料理おせち「佛蘭西」・・・試食

 フランス料理おせち「佛蘭西」(熊本ホテルキャッスル)の具材は豊富で、しっかりと数えてはいないが、写真上下のように目についたものを数種選んで皿に盛って食することにした。  肉類の仕上げも光る中で、魚介類であるサーモンの上質さやムール貝やシュリンプ、イクラの調理具合が良かった。エスカルゴも久しぶりであった。  フレッシュで分厚く質感の良いサーモンは、日頃からそう簡単に入手できはしない。また、シュリンプは酢漬けのようで、頭から尾っぽまで柔らかいがプリプリとしており、全て食べる

2024年フランス料理おせち「佛蘭西」が届く

 毎年、この豪華なフランス料理おせち「佛蘭西」が大晦日に届けられる。昨年と同じく午前中に、熊本ホテルキャッスルの担当者が運んできてくれた。担当者はよく存じ上げており、音楽大好きで、とても趣味多き人物である。  早速、自然間接光を取り込んで、三段重ねのフランス料理おせち「佛蘭西」の蓋を開け、一段目から三段目まで写真を撮った。内容は、昨年のものとほぼ同じものである。  盛り付けは、今回のものが隙間なく、偏りなく、美しい。たぶん、盛り付けた人のスキルが昨年よりも高いはずだ。車で

「10時間、待て。」と言われても・・・

 毎年年末に届けられる「帝国ホテル」のオリジナルクリスマスケーキ。  「10時間、待て。」と言われると、待てなくなるのが凡人たる筆者である。冷凍された帝国ホテルのクリスマスケーキの箱をこそっと開けてみる。  例年はモンブラン系のケーキだったが、今年は彩鮮やかなクリスマスカラーのベリー系ケーキである。  宅配便が届き5分も経ってないので、まだ各種ベリーに霜が降りている。この鮮やかな色のケーキを10時間も待つのは耐え難い。  先ほど、オフィスでランチを済ませたばかりなので

秘密を守るホテル、「The Carlyle」。

 個人情報漏洩をするホテルは、ホテルと言えないが、秘密を守るホテル、セレブや世界の要人が安心して利用している五つ星ホテルが、ニューヨークシティのマンハッタンに存在する。  その名は、「The Carlyle」という名門ホテルである。部屋料(1泊)が100万円とか300万円とか当たり前の超高級ホテル。安くても18万円ほどである。  熊本市内であれば、皇族や要人が利用するインペリアルルーム的な部屋があるにはあるが、「The Carlyle」の最安値の部屋料と同じくらいとなる。

ホテル文化と食文化・・・歴史と伝統の重み

 長年、足繁く通うお店は、とても落ち着き、心地良い。  特に、ランチタイムで利用するホテルレストランや街場食事処の名物料理は、週替わりであったり、月替わりや季節替わりであったりと、四季を通じて、いつも空っぽの胃袋を優しく満たしてくれる。  そういった中で、長年慣れ親しんだ伝統の料理や雰囲気、接遇などが急変すると、戸惑ってしまうことがある。時代の流れとして、「日々変化、日々進化。」は当然期待するものながら、歴史と伝統は大切に残して欲しい。  以前、少々高値であったものの、

お客の立場に寄り添うクレーム処理とは!?

 五つ星高級ホテルのクレーム処理は、唸るほど素晴らしかった。  某月某日、或る五つ星ホテルのテナントである高級中華料理レストランで、コース料理に加えて乾燥鮑のステーキをオーダーした時のことである。  フォークを刺して、ナイフを入れようとすると、ちょうど鮑の中心部で、ナイフの刃が硬いところに当たったような振動が右手指先に伝わってきた。  断面を見ると、中心部が若干白っぽい。これは、乾燥鮑の戻し方にも問題があるが、味付けも煮込み方も十分ではなかった。  最高の乾燥鮑であれ

「民度」を認識させるのは、至難の業。

 「民度」とは、「Wikipedia」では、『特定の地域・国に住む人々または、特定の施設・サービスの利用者(ユーザー)・参加者・ファン等のある集団の平均的な知的水準、教育水準、文化水準、マナー、行動様式などの成熟度の程度を指す。』とある。  平たく言えば、幼少期からの家庭環境、躾、教育、交友関係、同僚関係などに影響を受け、無意識に沁み込んだ人それぞれのスタンダードとなる。  果たして、セレブの家庭に育ったからと言っても行儀が悪かったり、要人の子供として育っても世間知らずで

パスタランチ・・・熊本ホテルキャッスル

 本日の取材ランチは、久しぶりの熊本ホテルキャッスル1階にあるダイニングキッチン九曜杏へ。  本日替わったばかりのパスタ(ペペロンチーノ)ランチをオーダーすることにした。パスタは少なめのハーフを注文。  ハモのフライと山芋、梅、茸の取り合わせが素晴らしく、ここ数ヶ月のパスタランチでは突出しており、すこぶる美味であった。  普段から野菜不足になりがちの筆者の食生活なので、色とりどりのサラダはありがたい。  食後は、料理長からプレゼント的な素敵なデザート。バニラアイスが切

和食の不思議な魅力・・・

 シティホテルのキュイジーヌは大きく分けて、日本料理(和食)、西洋料理(フレンチ、イタリアン、その他)、そして中国料理(北京、上海、広東、四川、その他)となる。勿論、街場の人気レストランを見回すと、海外の料理は筆舌に尽くし難いほど多種多様となる。  標題に「和食の不思議な魅力」を挙げたのは、和食には日本流唯一無二なる弁当(lunch box)にある。最近ではパリでも人気急上昇中と聞き及んでいるが、この弁当こそが「和食の不思議な魅力」を牽引している。  上述の料理群は、基本