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映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」感想

 一言で、アルコール依存症の姉と自閉症の妹による姉妹再生の物語です。妹が織り成す夢の世界は強烈で印象に残ります。「予想通り」だけど、ある意味「予想を裏切る」作品でもありました。

評価「B-」

※以降はネタバレを含みますので、未視聴の方は閲覧注意です。

 アメリカのとある町に住む自閉症の少女「ミュージック」、彼女は毎日同じ時間に起床し、白い服を着て、朝食に目玉焼きを食べ、長い髪を三編みにしてもらい、ヘッドホンをつけて「散歩」に出かけます。売店では「犬の写真」を貰い、図書館では「犬の挿絵が載っている同じ本」を眺めて、自分の時間を過ごします。 
 一緒に暮らす祖母や町の皆は彼女に優しく、毎日のルーティンを遠くから見守っていました。
 また、彼女は現実世界では「話せない」代わりに、夢の中で、独特の「世界」に浸り、色んな人と「ダンスしながら」交流します。
 しかし、ある日突然祖母が倒れ、帰らぬ人になってしまいます。そんな彼女の「保護者」として現れたのは、何と長い間家族と連絡を断っていた「実の姉(ズー)」でした。ズーは不良で「元薬物乱用者」・「現アルコール依存症患者」で、リハビリの最中でした。
 ズーは、最初は妹を「疎ましく」思い、施設に入れようと画策しますが、周囲に説得され、暫くの間面倒を見ることになります。また、祖母の「遺産」を狙いますが、姉妹に遺されたのは「妹の『取扱説明書』」と、「一つの楽譜」のみで、ズーはガッカリします。
 隣人のエボや、アパートの管理人のジョージら、周囲の人を巻き込みながらも、姉妹が「向かった先」とは…

 本作は、世界的歌姫「Sia」が手掛ける初監督・製作・原案・脚本映画です。彼女が織り成す世界観は非常に「独特」で、奇抜な衣装に奇妙な音楽やダンスのセンスを掛け合わせた、一度見たら忘れられない作品が多いです。
 最近では、女優の土屋太鳳さんが彼女のMVに出演し、独特のヘアスタイルと衣装を纏ってコンテンポラリーダンスを踊っていました。
 彼女は普段は「顔出し」をしない歌手ですが、本作のパンフレットのインタビューでは、素顔が写っています。
 尚、本作の日本版主題歌は、ELAIZA(池田エライザさん)が担当しています。

 主な登場人物は、以下の通りです。

・カズー(ズー) : ミュージックの姉。不良でアルコール依存症患者。(恐らくAC(アダルトチルドレン)もある。) 長身美人で、坊主頭と引き締まった体が特徴的です。とてもガサツでルーズな性格故に、周囲の人を振り回します。妹に対しても疎ましく思っていましたが、一緒に過ごすうちに、「何か」が変わっていきます。

・ミュージック : ズーの妹で自閉症。小柄で可愛い少女で、白い服にヘッドホン、髪型はロングヘアーを三つ編みにしたツインテールという、姉とは対照的な見た目をしています。犬と目玉焼きと散歩が好きで、毎日の「ルーティン」に組み込んでいます。蜂・ペニシリン・ナッツのアレルギー持ちです。
 現実世界では「話せない」代わりに、夢の世界で「ダンス」して、皆とコミュニケーションを取っています。

 尚、姉妹の母は薬物依存症患者で、既に他界しています。父親については、一切の言及がなく、不明です。

・ミリー : 姉妹の祖母。ミュージックと2人暮らしでしたが、ある日、突然死します。姉妹には、遺産の代わりに「ミュージックの『取扱説明書』」と、「『ミュージック』の楽譜」を遺します。

・エボ : ミュージックが住むアパートの隣人男性で、ガーナ出身のアフリカ系アメリカ人。ボクシングコーチでピアノも得意ですが、AIDS患者です。実はバツイチで、元妻は実兄と不倫して略奪婚、実弟は自閉症でしたが既に故人でした。
 いつもミュージックを気にかけ、癇癪時の「対応」にも慣れています。彼女を通じて、やがてズーと惹かれ合うも…

・ジョージ : ミュージックが住むアパートの管理人で、姉妹を気にかけています。いつもズーには振り回されていますが、何だかんだで世話を焼いています。

・フェリックス : 内山信二似の大柄男子。クリーニング屋を営むアジア系夫妻に引き取られ、働いていますが、両親からは虐待を受けています。
 両親の勧めでボクシングを習っていますが、本人はボクシングよりもダンスがやりたいことを言い出せません。ミュージックを遠くから何かと「気にかけ」ますが…

1. 派手な世界観は「予想通り」だけど、ある意味「予想を裏切るエグい」内容である。

 本作は、人々が生きる「現実世界」と、ミュージックが創り出す「夢の世界」という2つの舞台から成り立ちます。
 2つの世界には、同じ俳優が出演しますが、その表情や行動はまるで「正反対」です。現実世界では鬱屈している人々が、夢の世界ではハイテンションに踊ります。両世界のギャップをしっかり作って演じきった俳優達は、本当に凄かったです。
 また、ミュージックの「世界」の表現はかなり「派手で斬新」で、インパクトは絶大でした。ここは予告編やポスターでも、しっかり伝わったので、「予想通り」でした。
 原色を押し出したカラフルな色彩の世界は、今敏監督作品「パプリカ」や蜷川実花監督作品全般みたいでした。
 ゴチャゴチャカオスな「頭の中の世界観」は「インサイド・ヘッド」・「脳内ポイズンベリー」を思い出しました。
 モダンバレエやコンテンポラリーダンス、ヒップホップのような「規定の枠に囚われない」ダンススタイルは、「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「Perfume」のような中田ヤスタカ感、また「東京パラリンピックのダンサー」を彷彿とさせました。
 そして、ミュージックが観ていた子供番組は「いないいないばぁ」・「おかあさんといっしょ」・「ストレッチマン」みたいな内容でした。最も「ストレッチマン」は、元々特別支援学校向けの体操番組なので、本作と似た点はあると思いました。
 しかし、ストーリーとキャラは、ある意味「予想を裏切るエグい」ものでした。本作は、ハンディキャップ・特定疾患・依存症・機能不全家族・ヤングケアラー・毒親など、家族間を取り巻く問題を沢山取り入れているので、かなり重かったです。ここは良くも悪くも、「前者との大きなギャップ」になっていました。

2. ミュージックの「特性」の描き方には、「怖さ」を感じる。

 ミュージックの印象はドラマ「ATARU」や、映画「どんぐりの家」そのものでした。女優さんの演技はちょっと「大袈裟」な感じもありましたが、決して下手ではなかったです。
 しかし、彼女の特性を「怖い」と感じるシーンもありました。(差別的な意味はありません。) 彼女は、毎日決まった「ルーティン」を繰り返しますが、それ故に周囲の「変化」には気づきません。そのため、祖母の「異常」に気づかず、いつもの「ルーティン」を続けてしまったのです。結果、発見が「遅れた」ことで、祖母は亡くなってしまいました。

3. 親(保護者)亡き後、自活能力に厳しい子供の生活が如何に難しいか突きつけられる。

 親(保護者)亡き後に、自活能力に厳しい子供がどうやって生きていくか、ここは現代の社会問題の一つになっています。これは、昔に比べて医療が発達し、多くの人が「長生き」できる時代になった故に生じた問題と言えます。
 本作では、ミュージックの保護者だった祖母が突然死したことで、実の姉のズーに連絡が行きます。しかし、ズーも自分の問題でイッパイイッパイで、妹の面倒を見る余裕はありませんでした。
 ここは、アニメ映画版の「ジョゼと虎と魚たち」とも似ていますが、本作の方が断然重いです。ジョゼは足の障害でしたが、本作は知的障害なので。恐らく、ミュージックは学生ではなさそうですが、就労も難しそうな感じでした。

4. 「ヤングケアラーの『ケアラー』問題」がエグい。

 本作では、ズーはミュージックの「ヤングケアラー」となりますが、長年妹に会ってなかった故に、彼女の「扱い」が全くわからず、戸惑います。
 彼女は、ちょっとしたことで癇癪を起こします。ある日、ミュージックは、三編みをしてくれない姉に腹を立て、突然癇癪を起こします。しかし、ズーはその様子に動揺し、どうすれば良いかわからずにオロオロするばかりでした。
 そのとき、ミュージックの叫び声を聞いたエボが駆け付け、彼女に覆いかぶさって、落ち着かせました。彼は、何となく彼女に実弟を重ねていたのかもしれません。だから、ミュージックの「対応」には慣れていたのです。
 また、公園の散歩中にヘッドホンが外れて、癇癪が始まったとき、エボは、外では「自分が対応したらマズい」と、ズーに介抱を依頼します。ズーは最初は躊躇したものの、見様見真似で妹に覆いかぶさって、癇癪を落ち着かせました。
 しかし、本作では、周囲の人はほぼ「傍観者」で、見知らぬ人には手を差し伸べません。上記のシーンでは、「冷たい視線」が突き刺さりました。
 さらに、ミュージックが蜂に刺されてアナフィラキシーショックを起こしたときも、彼女を救護する者はズー以外にはいませんでした。
 結局、彼らを「見捨てたい」訳ではないけれど、何もできずに固まってしまう人、無関心を決め込む人が如何に多いか、突きつけられました。

 エボは、いつも姉妹を気にかけます。ミュージックの「世界」を認め、変化に「対応」できるよう、見守ります。そして、破天荒だけど、ミュージックと距離を縮めていくズーに惹かれていきます。しかし、ズーの「悪癖」は中々抜けず、結局妹の世話は彼に「頼り切り」になります。結局、エボは「ヤングケアラー」の「ケアラー」ポジションになっていくのでした。
 ここからは、善意を「当たり前」にしてはいけないことを感じます。「無料のお世話係」という言葉は、つくづく嫌な言葉ですね。

 そういえば、同じ「ヤングケアラー」を描く作品たと「コーダ」があります。見やすくて万人に受けたのは「コーダ」ですが、より尖っててエグいのは「ライフ・ウィズ・ミュージック」だと思います。

5. 「無病息災」ではなく、「一病息災」がテーマとなっている。

  本作は、色んな意味で「訳アリ」の人々が身を寄せ合って、「家族」・「仲間」となっていきます。そこには、「依存症」・「ハンディキャップ」・「病気」色んな要素があります。
 結局、皆どんな「特性」を持って生まれてくるか、またいつどうなるかは、誰にもわからないです。だから、ある意味、人生は「無病息災」ではなく、「一病息災」なのかもしれないと思います。「何か」を抱えつつも、一日一日を大切に生きていく、そんな希望が伝わってきました。

 例えば、ズーはアルコール依存症のリハビリを受けますが、度重なるストレスから飲酒を再開してしまいました。彼女の泥酔は酷く、エボに抱きついて「行為」を迫ったり、注意したジョージに暴言を吐いたりするので、不快でした。(ミュージックの「夢の世界」でも、ズーが堕落していく様子が、不快な音楽やダンスで表現されたのは怖かったです。) しかし、アパートの階段で顔を強打して怪我を負ったことで、漸く心を入れ替えてマトモに働くことを決意します。
 本作では、彼女のルーズな面が強調されているせいか、結構イライラします。しかし、人間はヤバい状況を「自覚」しないと変われない、それくらい弱いものです。残念ながら、医療や福祉だけでは人を変わりません。人が変わるのは、「意識や心の強さ」なんだと突きつけられました。

6. 福祉ビジネス・慈善ビジネスの「闇」を描いている。

 本作では、「福祉ビジネス・慈善ビジネス」の闇を描き、これらに対する「理想」を打ち砕いていました。ここは、結構衝撃を受けました。
 ズーは、「薬物の売人」をしており、大企業や大富豪宅に出向いて、モルヒネなどの鎮静剤を売っていました。認知症患者向けとして介護者に、また発展途上国や被災地を支援する慈善団体に薬物を売ることで儲けを得ていました。そして、顧客は「薬を打って楽になれば、それが彼らの幸せでしょ」のスタンスを通します。
 この話は、福祉や慈善事業を「美化」しない描写なのはわかりますが、かなり「恐怖・狂気」じみていましたし、正直「怒り」を覚える内容でした。その人の生死を、他人に「決められて」たまるかと。一方で、「看護や介護を続ける」ことへの疲労や負担、辛さも感じるので、一概に「おかしいからやめるべき」とも言えないです。

 尚、ここで出てくる薬物は、「違法薬物かどうかはグレー」ではありますが、仕事としては「違法ギリギリ」だと思います。※この話は、日本だとピンとこないところかもしれません。最も、日本とアメリカでは、薬物に関する法律や職業が異なるので、日本の「常識」で当て嵌めてはいけないかもしれません。日本では「安楽死」は「法律では」認められていないですし。

7. ストーリーが所々「飛び飛び」に見えてしまうのは惜しい。

 本作は、「Sia」が手掛けるダンス・ミュージカルPV仕立ての映画なので、どうしても好みはハッキリと分かれてしまいそうでした。
 ミュージックの「夢の世界」は個性的で奇抜なので、とても印象に残りました。しかし、「夢の世界」と「現実世界」が10分おきくらいに交互にやってくるので、やや混乱しました。そのせいか、現実世界のストーリーが「飛び飛び」に見えてしまい、キャラ達の行動に対する過程が「不透明」になりがちだったのが惜しかったです。(ただ、それらは「推測」すればわかるレベルなので、「脚本の破綻」という程でもないです。)
 一方で、やはり曲数は多すぎました。そのせいか、全体的に「表現過多」なのです。俳優達のパフォーマンスは十分面白いのですが、曲が多すぎるせいで、「賑やかだったな~」くらいの印象に終わってしまうのです。ここは、「シング・ネクストステージ」でもそうだったなと思い出しました。

8. 「フェリックスの結末」はもうちょっとどうにかならなかったのか?

 本作で一番納得がいかなかったのは、フェリックスの「結末」です。彼は、アジア系夫妻に養子として引き取られますが、毒親からの精神的虐待を受けていました。ある日、夫婦喧嘩を止めようとしますが、養父に突き飛ばされて、頭を打って死亡します。

 彼は、本当はダンスがしたかったのに、両親の勧めでボクシングを習っていたようでした。彼がやりたくなさそうなのは、エボも「わかっていた」けれど、誰も彼の「心の闇」を理解していなかったのは残念でした。ここは、毒親に「潰される」子供を表現したかったのでしょうか?
 しかし、現代において「そういう形で死ぬようなキャラ」を出すことは「不謹慎」だと思いました。本作において、「可哀想」で終わるキャラは必要ないように思いました。

 正直、死因も「不自然」です。フェリックスは太めでかなり大柄な体格なのに、果たして小柄で細身のアジア人の成人男性が突き飛ばせますかね?
 しかも、彼と姉妹の絡みが現実世界ではほぼ「無い」ので、彼の死が姉妹の中で何も影響を与えておらず、結局彼の存在が「宙ぶらりん」にも見えてしまうのです。さらに、エボは曲がりなりにもボクシングの教え子なのに、特に彼に対する「反応」が見られないのは不自然でした。
 ※勿論、ミュージックの「夢の世界」では、彼は何度も登場します。しかし、ラストは祖母と自転車に乗って、扉を開けて去ってしまうので、もしかするとミュージックは彼女なりに彼の死を「認識」しているのかもしれませんが。

 ただ、実は彼は死ぬ前に、「一つの行動」を起こしていたのです。ラスト、姉妹とエボが住むアパートに、突然の訪問者が現れます。それは、何と「介助犬」とトレーナーでした。犬はミュージックに一目散に駆け寄り、彼女は犬を笑顔で抱いて、物語は終わります。
 その介助犬を「注文」したのは、実はフェリックスでした。彼女の「犬好き」の伏線がここで「回収」されたということでしょう。
 しかし、作中ではフェリックスは、散歩するミュージックに話しかけることが出来ず、彼女をじっと見つめたり、図書館まで後をつけたり、夜中に向かい側にあるミュージックの家にライトを照らして存在をアピールしたり、それらの行動は、傍から見ると結構ストーカーじみていて怖かったです。(そういう「意図」は無いと思いますが。)
 彼女が「犬好き」であることを知った彼が、最期に起こした行動については、彼の「優しさ」故なのはわかります。ただ、ネットで注文して、実際に「本物の犬」がそのまま自宅に届いてしまうのは何か複雑でした。アメリカでは、動物をペットショップで生体販売はしない州があるとはいえど。果たして、姉妹は誰が注文したのか知ってるのでしょうか?
 また、実際に姉妹が介助犬を「必要」としているのか、話し合うシーンが無かったので、彼女らが犬やトレーナーに会って「適正を見極める」のではなく、犬を飼うことを「一方的に決められてしまった強引さ」も感じました。犬って少なからず10年以上は生きるのに。
 最も、海外作品だとよく動物をプレゼントする下りがあるので、本作もその流れなのかもしれませんが…

 そうであっても、この流れでわざわざ彼を「死なせる」必要はないと思います。上記のように、「犬を渡すオチ」にするなら、もっとミュージックとフェリックスの関係を「深掘り」したほうが良かったです。例えば、2人が現実世界で「話す」シーンや、彼女を「助ける」シーンの一つは欲しかったですね。

9. 「家族愛」で締め括るのは、やはり「アメリカ映画」だ。

 自分自身もボロボロだったズーは、悩みに悩んで、ミュージックを「施設に預ける」ことに決めます。介護士がいなくなり、2人だけになった部屋で、ズーはエボが招待した「兄の結婚式」に出席するために、部屋を離れます。その時、ミュージックが「ある言葉」を発したのです。
 それを聞いたズーは、ハッと我に返り、ミュージックを連れて結婚式場へ向かいます。何と、彼らの結婚式にて、エボは「ミュージック」の楽譜でピアノを弾き、ズーに「公開プロポーズ」して、会場をドッと沸かせたのです。
 結局、ズーは妹を施設に預けず、エボと一緒に暮らすことを選びます。こういった「家族愛」で締め括るのは、やはり「アメリカ映画としてはありがち」だなぁと思いました。ここは、ディズニーやピクサー作品、「コーダ」でも思いましたが。※勿論、「施設に預ける」ことを「否定」している訳ではないですが、ここの是非を問うのは難しいですね。

 ちなみに、エボの「AIDS」の出処は不明ですが、元妻さんを自分の兄と結婚させて大丈夫なのか、引っかかりました。無論、元妻さんを疑うつもりはないですが。

10. 「駄作」ではないが、合う合わないがはっきり分かれる作品である。

 本作、決して「駄作」ではないです。しかし、「合う合わない」がはっきり分かれると思います。実際にレビューサイトでも、評価はかなり割れていました。
 実際に、2021年のラジー賞3冠(最低監督・最低主演女優・最低助演女優)達成してしまっている作品なので、もしかしたら、評論家にはウケが悪かったのかもしれません。 
 こういった、センシティブでシリアスなテーマには、どうしても「衝撃的」で「重い」シーンがつきものですね。そうしないと、「事の重大さ」が伝わらないので。ここをどう取るかは、視聴者によって分かれそうです。※尚、拘束シーンについてはエンドロール最後に「注意書き」がありました。

 最後に、本作は「合う部分」と「合わない部分」がハッキリと分かれましたが、とにかく右フック・左フックで殴られ続けるくらい、インパクトは大きかったです。

出典 : 
・映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」公式サイト
https://www.flag-pictures.co.jp/lifewithmusic/

・映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」公式パンフレット