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RPAという罠

うちの職場には、ロボットがいる。
まぁロボットといっても、RPAという単調な作業を自動化する
アプリ的なものだ。

RPAとは、Robotic Process Automation
(ロボティック プロセス オートメーション)の略だ。
スペルはもちろん、ネットで調べた。

人が行うしかなかった作業、例えば何かExcelとかの台帳を見ながら、
業務システムに入力するような仕事を、自動的にやってくれるという、
夢のようなシステムである。

うちの職場では、Excel台帳に入力した情報から、
財務伝票を作成するロボットが稼働している。

普段は係員が何やら操作しているので、
自分でやってみることにした。

複数の部署に呼びかけ、決まった形のExcelに金額や適用を入力させる。
それが終わったら、ロボットを起動。
あとは放っておけば伝票が作成されるわけだ。

で、実際に実行。

自動は自動なのだが、ダラダラと画面を開き、ダラダラと入力を始める。
ロボットが動くサーバのスペックやアプリの起動時間を考慮するため、
微妙な待機時間の後、入力を行う。

放っておけばいいので楽ちんのようだが、
結構止まる。

止まったロボットはエラーメッセージを吐くわけでもなく、
静かに止まって何もしなくなる。

『何か言えよ、気付かねぇだろ』

と思うが、起動した事実がなかったかのように、止まったままである。

誰かがExcelの入力をミスっていると止まる。
画面を最小化すると止まる。
原因不明に止まる

…便利かこれ?

もちろん、単純な反復作業ならこのダラダラマシンは
パワーを発揮することだろう。
俺のように不平も言わなければ、うたた寝もするまい。

しかし、今の使い方は複数の人間に入力を任せているので、
結局人的ミスでロボットは止まり、
原因を探るために時間が掛かってしまう。

それぞれが手動で伝票作った方が結果的に早い気がする。

効率化とは言い難い人間味あふれるロボットになっているが、
情報担当、DX的な部署は「うちはRPAを使っています!」と
喧伝している。

まぁ、使っているには違いないけどさ。

DX的な部署に
『RPA、無駄なんでやめていいですか?』
って聞いてみた。

「やめないでほしい…」

という、弱気な回答が返ってきた。

Excel入力する手間と、入力した職員に問い合わせに要する時間、
エラー発生時の調査など、もろもろを考えると無駄だと思う。
って説明してみたが、回答は変わらない。

まぁロボットの稼働率が下がってしまうと、
ランニングコストもかかっているから、問題になるんだろうな…。

ロボットが悪いわけではない。
「ロボットを使う」という目的で、効率化を考えずに作るからこんなことになるんだよ…。

などと、愚痴っている暇があったら、このポンコツを使えるマシンにする
案を考えた方が良さそうだ。

よし!ここはひとつ、運用から練り直して、
いい感じのロボットを作り直してやろうじゃあないか!

…気が向いたら。

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