【2】MRIの中で〇〇を叫んだ告知翌日
告知日の夜、ベッドの上で寝つけなかった。
頭の中で気持ちと状況に整理が付かず、時間が欲しいと思った。不安が膨らむ。翌日のMRIをキャンセルしようと考えて眠りにつけた。
朝になり下の妹から電話があった。
「今日、一緒に行くでね」
あったかい優しい声。
私を想う愛情を感じて断れずに病院に電話する気持ちが萎んでゆく。
病院の長椅子で待っている間、下の妹は私の話を静かにずっと聞いてくれていた。
抗がん剤・手術をしたくないこと。病院に居るのも嫌なこと。本当はMRI検査を受けたくないこと。
がんの素になったであろう長年抱えてきた感情のこと。悲しみ、失望、恨みつらみ、怒り、憎しみ・・・笑って蓋をして向き合ってこなかった深く強力な暗く重たい感情。
検査前に金属を外すよう伝えられ、左手薬指の指輪を外す。今日は夫の誕生日。
夫と私は2拠点生活を行き来している。コロナ禍で病院に足を踏み入れる為には県堺超えの接触は避ける必要があった。
会えていない上に、がん告知がプレゼントになってしまった、、、と気持ちが重くなりかけ、いつか笑い話にするんだと自分を奮い立たせる。
「にじゅっぷん?!」
MRI技師から説明を受け、検査時間がオウム返しに口から出てしまった。
検査中は耳に頭に響く音の洪水。気持ち悪い・・・・。
心の中で叫ぶ
もう、2度とこの検査は受けない!ぶっちぎりの健康体になってやる!
この部屋にはもう入らない!絶対入るもんかっ!!
フラフラして検査を終え、妹の隣に座ってから指輪を忘れたのに気付いた。
検査技師を訪ねて再び部屋に入った。2度と入らないと誓った数分後に!き~~っ!!
3日後の抗がん剤用ポートを胸の上部に入れる日も妹が同行するという。
このままの流れで抗がん剤がはじまってしまう。
それでいいの?納得できないのに?でも家族はみんな望んでいる。
自分で納得できないのに家族の為にってしちゃうの?
それで私、本当に後悔しない?
モヤモヤとした違和感があった。
そして・・・・私は行動に出た。
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追記: 写真は、この先の記事
【4】トイレ掃除しながら猫に嫉妬
文中の「機織り作家さん」作品たち。
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