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ハーフの私が自己紹介を嫌う理由

自分でも自らこの話題を上げることが正直めんどくさくなっている。

しかし、日々感じていた心のモヤモヤを吐き出したいという思いが勝ったためここで吐き出してスッキリしたいと思う。



私は3歳の頃から現在まで母と2人で生活している。母親は日本人で父親はナイジェリア人らしい。保育園に通っていたとき、お友達から「〇〇ちゃんはなんで顔が黒いの?」と言われたことを今でも鮮明に覚えている。私はこの質問に対して「わからない」と答えた。今考えたら父親の肌が黒いからだと即答できるが、当時の私はそれがわからなかったのだ。なんで私はママと全然似てないのだろう、、、私はママの子供ではないのかもしれない。。

小学校低学年まで本気でそう思っていた。

それから、なんとなくうちは母子家庭で父親は外国の人だったということが理解できるようになって、本当に私はママのお腹から産まれた子だった少し安心したことを覚えている。

しかし、私のモヤモヤはこれだけでは終わらない。


次にやってきたのは、自分のルーツや家族に関しての質問攻め問題である。

日本に住むハーフと呼ばれる方の中ではあるあるだと思うが、初対面の相手に、「どこの国のハーフなのか」「母か父どちかが外国人なのか」「英語は話せるのか」「家ではどんな料理を食べるのか」など、長時間の質問攻めに合う。強者だと私の名前の由来や父親の名前などを聞いてくることがある。「普通の会話で名前の由来聞かないだろ」と心の中で呟きながら質問にはちゃんと答える。

私はこのような質問には正直飽き飽きしているが、初対面で相手のことが気になるのは当然だと考えているためこの手の質問にも普通に答える。

しかし、何度もいうが私には父親がいない。日本で生まれ日本人の母に育てられた。もちろん母国語は日本語であり、英語が流暢に話せるわけではない(現在必死で勉強中)。父親について踏み込んだ質問をされると「うち母子家庭だからパパのことよくわからない」と答えていたのだが、「えっ、なんかごめん、、」という返答となんともきまづい空気が流れる。これが私が一番嫌いな瞬間である。

私は聞かれたことを答えただけで何も悪いことをしていないのに、なぜか悪いことをしてしまったような気になってしまう。

このようなことが何度も続いて、幼い私には精神的に辛かったため、「パパはアメリカにいて私はママと二人暮らしなの!(あとはあなた方が察して、お願い)」といったような父と私たちが地理的に離れた暮らしているということだけを伝えて、あとは察して欲しいな〜というほわ〜んとした回答をすることにした。

察してくれる人はこれ以上質問してこない。しかし、私の回答はあまりにもほわ〜んとしていて察することができない人もいる。その後も次々と永遠に私の家族についての質問をしてくる。当たり前だ、私がはっきりと母子家庭だと伝えれば良い話なのだ。


ここで皆さんに想像してもらいたい。あなたがあなた自身の名前、生年月日、出身、星座、血液型、趣味、マイブームなどを初対面の相手に伝えるとする。それについて、「父親の名前はなに?」「両親はどこで出会ったの?」「英語は話せるの?」「なんで日本で生活しているの?」「ご飯は手で食べるの?」と質問されることは果たしてどのくらいのあるだろうか。

私はほぼ毎回このような質問をされる。正直もううんざりである。その質問をしてあなたに何が残るわけ?って感じである。


これはハーフだからという問題ではなく、世界中の人々に当てはまるような問題ではないのか。全ての人間が生い立ちや家庭の環境、価値観が同じわけではない。相手を知ろう、理解しようという気持ちはもちろん重要だと思う。しかし、自分の価値観を相手に押し付けるのはよくないし、むやみやたらに相手の事情、家庭環境やルーツなどに踏み込むのも相手に嫌な思いをさせることもある。急に大きな話になるが、このような相互のすれ違い、不信感が溜まっていくことによって世界中で絶えず紛争が起こっているのではないだろうか。


お互いの文化や価値観、環境などを理解し合いながら世界中の人々がHAPPYになれる日が来ることを願っています。







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