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田舎暮らしから、ていねいな暮らしを考察する

浴槽から洗濯機に水を送るバスポンプの調子が悪い。2、3秒だけ反応して、電源が切れる。調べてみると、汲み上げ用のモーターの寿命は2~3年くらいらしいから、もう寿命なのかもしれない。しばらく使えない状況が続いているので、モーターだけ買い換えようかとも考えたけど、たまたま家にあった10Lのバケツを使って、浴槽の水を人力で洗濯機に移してみたら、10回未満で移し終えることができた。

いやいやいや、朝からそれは手間だよね、時間の余裕がないとできないよ、という声が聞こえてきそうだけど、いい運動になっている。私は、ダイエットとか体力づくりのために運動することが苦手だ。ストレッチくらいならできるけど、運動以外の目的を加えて体を動かしたい。

それが浴槽から洗濯機に水を移す行為だったり、畑を耕したり、薪を集める行為だったりする。体を動かすことで、環境が良くなったり、おいしいものを食べられたり、倹約できるし楽しい。夫は木の枝を落としたり(枝打ち)、草刈りをすることで、リフレッシュしている。

「ていねいな暮らし」という言葉がある。

日々の何気ないことに手間と時間をかける暮らしのことらしいが、田舎での私の暮らしはこの定義の範疇に入ると思う。大根や人参をたくさんいただくと、食べきれないので、千切りにして外で干す。梅をたくさんもらえば、梅シロップや梅干しづくりに精を出し、きゅうりをたくさんもらえば、ひたすら漬物をつくる。夏は畑の草の成長も早いので、草刈りや草引きに追われる。たまに時間ができたら、釣りに行く予定を詰め込む。要するに、忙しい!「ていねい」かもしれないけど、忙しい。特に、季節に追われている...

2年前から自宅に薪ストーブを導入したので、薪集めも大切な作業に加わった。少し前に友人が声をかけてくれて、友人の実家周辺の管理で伐採された木をもらいに、往復1時間半の距離を数回程度往復した。薪集めに時間はかかるけど、薪ストーブを活用することで、今年はずいぶんと光熱費を抑えることができた。それ以上に、脱化石燃料できて、あるものをうまく使えていることに対する満足度がめちゃめちゃ高い。

ここで改めて、「働く」とは何かと考える。電気代やガス代の高騰に悩まされないほどお金を稼ぐために働くのがいいのか、使われていない資源を活用することに時間を使うのか。資本主義社会では前者の方が圧倒的に多い。

でも、資本主義にどっぷり浸かってしまうと、自由な時間は奪われ続ける。そしてますます、ていねいな暮らしに対する願望が高まっていく。そして、このていねいな暮らし願望を満たるための消費をあおる広告の多いことよ・・・!

この文脈で言えば、ていねいな暮らしとは、忙しい日々の中、自分で選びとった対象だけに手間や時間をかけることだ。季節に追われず、草刈りもせず、梅シロップだけ漬けていればいい。でも実際の田舎のていねいな暮らしは忙しい。日々、”生きている”という実感を得られるから私は大好きだけど!

つい先日は、干し芋と干ししいたけを自作した。納豆も藁で作ってみたいと思って、友だちから無農薬の藁を分けてもらった(納豆菌は藁が大好き!)。

年度末の仕事が落ち着いたら、納豆づくりに挑戦してみたいと思う。そして、あっという間に梅の季節が巡ってくるんだろうなあ。

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