弱さを見せる力

先日、県の教育委員会が主催するイベントで発表する機会を頂いた。市の家庭教育委員として活動しはじめて2年目になるけれど、その活動内容を「子育て・家庭教育支援」という分科会で紹介するというミッションだった。

テーマは、「保護者と子どもを支え育む子育て・家庭教育支援の体制づくりをどのように進めるか」というもの。

時間も15分だったので、家庭教育支援に関わる主な活動を4つ(相談業務・学びの機会の提供・情報誌の発行・親子交流イベントの開催)に分けて発表した。これまでの活動に対する自己評価や課題も含めて。

うまくいかないことや気持ちをシェアする

発表後の質疑応答の時間で、会場からある質問があった。正確には思い出せないけど、こんな感じの内容だった。

「実際に問題を抱えていらっしゃる家庭は、イベントに参加したり相談に来たりされにくいように思うのですが、そういったご家庭をどうやって把握されていますか?何か工夫されていることはありますか?」

この質問を見たとき(質問は紙ベースだった)、やっぱりみなさん同じことで悩まれているんだなと思った。別の講演会に参加者の立場で出席した時にも、成功事例だけでなく、大変だったことや失敗事例を聞きたいと、質問される方がいた。

成功してうまくいってることだけでなく、うまくいかなかったこと(失敗)、うまくいくように試行錯誤していることを聞きたいのだ。

私自身、家庭教育委員としても、ノヤマカンパニーとして運営している森のようちえんでも、「自分たちがやっていることは、誰に届いて、誰には届いていない、届かないんだろう?」ということをずーっと考えている。

必要としている人全てに必要な情報を届けたいなあという姿勢でやっているけれど、実際に実現するのは難しい。そんな心持ちでは居続けたいけれど。

なので、私はその方の質問に正直に答えた。

「保健師さんや、福祉の相談員さんと連携しながら、大変そうなご家庭の把握に努めているけれど、同じような課題を抱えていて、具体策はないので、もし良い案があったら会場の方からのご意見もお待ちしています。」と。

その後、会場から具体的な意見は出なかったけれど、別の話題で「こんな課題があって、こんなことにもやもやしていて、難しいなあ~と考えているんですよね。」と話したら、隣にいた発表者(児童館の館長さん)の方が、「うちではこんな風にやったよ!」と話してくださった。

自分をよく見せることよりも、大事なこと

発表者になると、できるだけモレなくそつなく伝えたい、という気持ちがムクムクと沸き起こる。でも、それは本来の目的にちゃんと合っているだろうか?

うまくいかなかったことや、うまくいってなくて試行錯誤していることをモレなくをシェアした方が、より有意義なやりとりができるんじゃないか?

発表の総括として大学の先生が、「私たちには、援助を受ける力が大切だ」と話されていた。援助を受けるということは、弱さを見せることと表裏一体だ。弱さを見せるには勇気がいる。うまくいっていないことや、試行錯誤していることを隠さずに話すことも。

だとしても、弱さを正直に伝えていった方が、コミュニケーションの行き違いも少なくなるし、うまくいかなかったことや試行錯誤の知見もたまるし、生きやすくなると思うので、意識して実践していきたいなあと思う今日この頃です。

書いてて弱さなのか、強さなのかよく分からなくなっちゃったけど・・・。

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