見出し画像

問いで動き出す物語

次女は最近、「すてきな三人ぐみ」という絵本がお気に入りだ。「ねえねえすてきな三人ぐみ読んで~」と毎晩頼まれる。

けっこう有名な絵本みたいなのだけれど、私は全く読んだことのない絵本だった。

まち行く人を驚かせては、宝ものをうばっていた三人ぐみ。ある日、馬車をとめると、中にいたのはみなしごのティファニーちゃんだけ。

ティファニーちゃんはいじわるなおばさんのところへやられて一緒に暮らすはずだったので、三人ぐみのおじさんたちと一緒にいる方がおもしろうそう、と喜んだ。

かくれ家へ連れ帰ったティファニーちゃんは、三人ぐみがこれまでため込んできた、たくさんの宝の山に気づき、「これ、どうするの?」とたずねる。そしてその後、物語は大きく動き出す。

さんにんぐみは かおを みあわせ、ひたいを あつめて そうだんした。
これまでは どうするつもりも なかったものだから。

その後、三にんぐみは、ティファニーちゃんと似たような境遇にある子どもたちを集めた。宝ものに代わって。これまで集めた宝ものでお城を買い、さみしく悲しい気持ちで暮らしていた子どもたちと一緒に、新しい暮らしを始めた。

全ての始まりは、ティファニーちゃんの問いだ。集めた宝物をどうするのか?と聞かれて、物語は大きく動き出すのだけれど、日常のあらゆるところで、似たようなことが起こっているように思う。

最初は目的をもって始めたのに、いつの間にか続けることが目的になったプロジェクト。流行にのってはじめてしまったプロジェクトや、つくってしまったハコモノ。

シンプルに、「これ、どうするの?」と問いたい出来事がたくさんある。問うことで、好転しそうな状況もたくさんある。

でも、日々の暮らしの中で、自分が必要とする問いに、そう簡単には出会えない。だからこそ、子どものシンプルな質問や絵本や本、普段の何気ない会話からの気づきを大切にしたいと思うし、小さな違和感にも気づけるよう日々過ごしたいと思う。


この記事が参加している募集

\読んでくれてありがとうございます!/ 頂いたサポートは地域の中で使い、ご縁をぐるぐる回していきたいと思います。