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私のオススメ本【未来】

今回、私がオススメしたい本は湊かなえさんの【未来】です。

困難な状況にある子どもたちが、いくつもの危機にさらされながらも未来を信じて力強く生きていく、そんな物語です。

子どもの貧困が社会問題として注目され始めてからずいぶん経ちます。子ども食堂など個人で立ち上がる動きは各地で見られますが、お国は直接子どもに支援の手を差し伸べてはいません。個人の善意が途絶えた時、お腹を空かせた子どもたちはどうなってしまうのでしょうか。

この本は、困難な状況で暮らす子どもたちの実態、そして、私たち大人は未来への希望を託す子どもたちから目をそらしてはいけないこと、を強く私たちに訴えかけます。

お国の政治を作るのは私たち大人。この国の政治が子どもたちの未来を支援するためには、私たち大人がこの状況を知り、どうすればよいのか考える必要があるのです。

この本で描かれる子どもたちの困難について書いていきたいと思います。

育児ができない親

主人公、章子の母親は時々、人形になります。家を整えて、食事の用意をすることができません。

周りの子どもたちが親からの世話を当然のようにうけ、無邪気に遊んでいるのに自分は家事をする、仕方ない、と簡単に割り切れるものではありません。

性的虐待

子どもにとって、性的虐待を受けている、と被害を訴えるのはとても勇気のいることだと思います。

恥ずかしい、身近に信頼できる大人がいないなどの理由で被害を打ち明けられず、心も身体もボロボロになるまで我慢してしまう、そして壊れてしまう子どもたちがいること、私たち大人は知っておかなければいけません。

教育費を無駄と考える親

この本に登場する篠宮先生は、大学で勉強するためのお金を実の親に騙し取られます。

さらに、そのピンチを切り抜けるためにした行動が、数年後自分からなにもかも奪うことになってしまうのです。

我が子が大学で教育をうけるためのお金をもったいないと感じる、そんな人は親と言えるでしょうか?

私なら、自分が我慢してでも、我が子の夢を叶えるためのお金を捻出します。しかし、その逆が平気でできる親もいる。これは現実です。

親ガチャ失敗

最近、ネットでよく目にするようになった「親ガチャ」という言葉。どんな親の元に生まれるのか運次第という現実を、何が当たるかわからないガチャガチャになぞらえて表現されています。

どんな親の元に生まれるのか、私たちは決めることができません。努力で変えることもできません。子どもを愛してくれるのかくれないのか、金持ちなのか貧乏なのか、健康なのか病気なのか…すべては運です。その運が子どもの未来をも決めてしまう。

しかし、私は思います。

どんな親の元に生まれようとも、

多くの大人が子どもの困難に関心をよせ、必要があれば手を差し伸べる、それが当たり前となれば、子どもは大人を信じ、未来に希望を持って力強く生きていけるのだと。

すべての子どもたちが未来を楽しみにできる、そんな社会を私たち大人は作り子どもたちに引き継がなければいけません。




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