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まだまだ暴れ足りない
私だけは最後まで笑ってないと
あの娘浮かばれないでしょう?

ひとつしかない筈の空
半分分けてもらった
食べないで育てたら
空がもうひとつ出来るかな?
私だけのものが欲しいと言えば
貴方はそっと笑うでしょう?
そっと優しく
そっと頭を撫でて
その手を振りほどく勇気もなくて
私は刃をそっとしまう

つねった頬が痛い程
世界は正常なんだって
教えてくれた人
私を見つけてくれた人
お礼も言えないまま
また嵐が来てしまう
私を助けに現れる
何度拐われても
私はあそこに戻ってしまうよ

嫌われたことがない人にはわからない
私だけが守れるものを見つけたら
相手が誰だって
貴方だって
私だって
戦うよ
闘うよ
たたかうよ

的を外した矢を拾う
まだ温もりが残ってる
あの娘になりたかった
それだけ
神様はなんて残酷
人間はそれ以上


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お読みいただきありがとうございます。悪役、という意味です。「ヴィラン」という音の響きが面白くて、それで何か書いてみたいなあと思って書いたものです。最近始めた「MY DEAR」という詩のサイトで、先月の特選のうちのひとつに選んでいただきました。ありがとうございます。「MY DEAR」は傾向が限定されてるのですが、テクニカルな指摘がいただけるので貴重な場所だと思います。ちょうどそういう場所を探してたりしてたので。自分の作品がどう読まれるか、というのはやっぱり気になるものです。感想から一歩踏み込んだ意見がいただけるのは嬉しいですね。

ヴィラン


読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。