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貴方に続く道は遠過ぎて
やっぱり私は迷いそうだ
褪せることのない出会いの場面が
今も眩しいまま
離れて生きることも時には必要で
それならば物語には必ず続きがある筈と

小さな炎が掌の中、音もなく揺れて
消えないようにと守ってきた
愛がそれほどまでに強いものならば
こんなに胸は痛まないでしょう

今、貴方が見ているもの
知らない場所だけど、世界の何処かにあるもの
私にも見えている、それなのに
可愛い服も
生きるために学んだことも
みんなノイズに飲み込まれ
白い道だけが残された

か細い腕と揃わない睫毛の
その美しさを知っているのは私だけ
試されてもいい
答えはひとつだけだから
あの時は見えなかったものが
今ははっきりと見える

やっぱり私は迷いそうだと
荷物を下ろして座り込む
鞄の中身は形の無いものばかり
なのに泣きたくなるくらいに重くて
空ばかり見てる
空ばかりが見える

白い道に取り残されて
こんな私を貴方、せめて笑ってもらえたら
遠い場所からでも


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お読み頂きありがとうございます。ホワイトノイズとは日常にある耳に残らない雑多な音の総称です。風の音や水の流れる音、車の走る音や誰かの話してる声、などなど、意識してないと気付くことのない、途切れることのない雑音のことです。時に心地良く、時に耳障りな、だけどこの世界にはなくてはならない音、たとえ取るに足らなくとも。そんな存在です。

読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。