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老健リハビリ中の母は夏も長袖

老健でリハビリ中の母から「薄手の長袖ブラウス」が欲しい、という連絡があり、妻が近所のし〇むらやヨーベ〇等、衣類を売っている店をあちこち探しましたが、既に夏物の半袖か、UVカットの長袖ばかりで、ちょっとおしゃれな長袖は全然なかった(本当に地味~ぃな老人向けの長袖ブラウスはあったらしい)と、がっかりして帰宅しました。
私も試しに「高齢者」「長袖」「薄地」「ブラウス」で画像検索したら、やっぱりステレオタイプな結果が出てきました。ゆったりしたシルエットは良いんだけれど、地味か色が濃い派手な柄。これって母のイメージじゃないよね。 でも、「高齢者」を外すとそれはそれで一気yaにモデルの年齢が下がり、ウエスト細目、ボタンもかなり小さめ。(ボタンが小さすぎると指に力がはいらないので着脱の難易度があがってしまいます。)

ブラウス選定のポイントをまとめてみると下記の通りでした。
・使用条件:居室(4人部屋なので、自分で温度管理ができない)、リハビリや食事の部屋がエアコンで肌寒いので、長袖のブラウスが必要。
・デザイン:派手すぎず、でも気持ちは明るく保ってほしいので明るく飽きの来ない優しい柄
・機能性:指や腕に力が入らないので着脱容易、例えばボタンが小さすぎない。
・素材:そのまま昼寝もできるように、肌に優しくできれば綿100%
果たして デザイナーやバイヤーはそういった生の声をどうやって拾っているのでしょうか? 使用者はSNSを含め発信力はほとんどなく、ともすると自力での購入も難しい。本人の購買力だけではなく、その次の世代が実質の購入層である。(従って、高級品ではなくても普段使いでそこそこの品質と価格ならば確実に必要 と思います。)

結論からすると、老人ホームを運営している法人に衣類のネットショップがあり、そこは(ステレオタイプな衣類はもちろんありましたが)、直接声を聴きながらの品ぞろえのようであり、満足できる物を購入することができました。(下記以外にもあると思います。)
ネットショップ・アパレル事業 (support22.jp)
このお店の場合、更に「名前付(刺繍)」がひらがなかカタカナで無料(老人ホーム入居必須事項です。これが結構面倒)。衣類の価格に含まれているにせよ、とても有難いサービスでした。

今回はマーケティングという別の視点からも大きな学びでした。
お客様がいらっしゃる(この場合老人ホーム入居者)ならば、その人の朝から晩までをすべて補うことをリストアップする。
自社でできることは自前でするが、自社以外で活用できるならば、それを拡張すると、そこに新しいチャンスが生まれる(老人向けアパレル)。
これをSWOT分析してみると、風になりました(自己流)。
S(強み):
高齢者(ユーザー)の声を直に聞くことができるので、ニーズ、ウォンツをすぐに市場に反映させることができる。
W(弱み):
実店舗やスタッフがいないなら、リアル販売は移動店舗、あとはネット販売にする。
O(機会):
高齢化社会。高齢者も普段から自分の好みでおしゃれをしたい。
T(脅威):
既存服飾店、ネット販売での品ぞろえ。(現状ではステレオタイプであったり、分類がしっかりされていなくて選択が困難)
老人ホームによっては食事を家庭にデリバリーサービスしているところもあるようですが、これも同じような視点ですね。

会社や仕事でも、既に見えるお客様に対して何か新しいサービスができないか考えてみようかと、改めて思いました。

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