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結婚式は「性別のフレーム」が頑丈すぎて苦しい

姉の結婚式に出席してきた。ふつうにたのしかった。関係性の誕生を儀式化することのメリットやら社交の場としての役割やらも再確認したし、親しい人間の発表会でも見たときのような満足感もある。(ので、出席してよかったと思っている。)

ただ今回の式に関わる中で、長らく持ち続けている「結婚式文化に対する嫌悪感」の根っこの部分が見えてきた気がするので、言語化してみようと思います。

まず、もっとも嫌な点として「結婚式は性別のフレームが頑丈すぎる」ということが挙げられる。そしてそれが「社会的なものである」という点に問題がある。

本人らの「しっくりくる」じゃなくて、周りの年長者が(既存の社会が)「しっくりくる」ような言動に誘導されている感じ。二人が社会的な「男のフレーム」と「女のフレーム」に入れこまれていくというか、二人の関係性の中でも「男がこれをやり、女がこれをやる」というのが作り上げられていく過程のように思えた。

もちろん恋愛関係を前提として長く一緒にいるためには「お互いが魅力を感じ続けられるような努力をすること」は必要で、(異性間恋愛を前提とすれば)「異性で居続けること」は重要なテーマになると思う。

しかしそれは「社会的な性別」とは性質が異なる。第一次的に「自分たち二人の関係性のため」の色付けであり、個人的で閉鎖的な内側を向いた「性別」なのだ。(混ざる部分はもちろんあるけれど、根本のエネルギーの色が全然違う)

「社会的な性別」は「役割」や「あり方」と直結しているから苦しい。どんなふうに社会と繋がりたいか、大切な人との関係性を築いていきたいか、そういうのを狭くする。自分のセルフイメージに、澱んで分離した古い絵の具をたらされる。

「形式美」はあるにしても、商業的に堕ちた「こういうものだ」をわけもわからずなぞるだけの現代の結婚式に意味はあるか?

テンプレートをなぞるだけの「幸せ」に価値はあるのか?

自分で何かを決めたか?なぜ「与えられた選択肢」の中でしか物を考えないのか??????


《その他こまかい嫌い》

・高スギィ。原価率の低さはもちろんのこと、金を取るポイントを作りスギィ、オプション付けさせスギィ。ぼくの周り、みんな500万程度かかってるって言ってんだけど。

・婚約指輪といい結婚式といい、このあたりの出費には「見栄」が前面にですぎ、見栄のためにお金を使うのは頂けない。(とか言いながらぼくも後輩には飯をおごったり見栄に金を使っているが。)

・ご祝儀ってほんとになんなのあれ。半強制的に徴収されていく。税金???そして、結婚式の3分の1くらいはご祝儀によりまかなわれているわけで、他人から集めたお金を垂れ流すように使うな。

・今回も聞けました。新郎による「〇〇さんを幸せにします」&ゲストによる「〇〇さん(←新婦)を幸せにしてください」←背景に「女性は一人だと幸せになれない時代(価値観)」を感じてすごく嫌な気持ちになるし、それを思考停止で使う人間の浅薄さに危うく耳を斬り落としそうになる。
自分の人生も満足に過ごせてねえような人間が他人の人生を背負えるわけがねえだろ。&「一方が一方を幸せにする」という発想は、そもそも色々とおかしい。そんなこと言って気持ちよくなっている時間があるなら、てめえにとっての「幸せとは何か」を考え、二人で「幸せとは何か」をすり合わせ、その方法論を語れよな。

・料理が値段に見合っていない。味も単調だし、冷めちゃってる。あれで一人あたり2万円はありえない。高スギィ。


《いいところも実感した》

悪口言いすぎました。もちろん結婚式のいいところも再実感しています。

・関係性の誕生を儀式化することのメリット

関係性の「重石」みたいな役割を果たす(後から嫌なことがあった時に思い出せる、単純に思い出になる)、関係性の「すわり」がよくなる(覚悟ができるというか、一年のはじめに初詣的な)、人生の節目になる(周りの人に感謝したり、これまでの人生を振り返るポイントになる)

・社交の場としての役割

→親族や友人にまとめて相手を紹介できる、社会的な承認を得られる(そっちの方が困ったときに助けてもらいやすい)、好きな人らにたくさん会える

・まーあと、正装するのは楽しそうだった。ドレスかわちかった。


まとめると、問題は①性別のフレームの窮屈さと、②死んだ形式ばかりなぞるつまらなさと、③値段が高すぎる点と、④商業色が強すぎる(資本主義に飲まれている)いやらしさと、⑤出席者に負担すぎる点なので、

やるとしても、レストラン貸切で、会費制(8000円とかね)で、自分らでやったりするのが良いんじゃないかなと思いました。全部じぶんらで手配するのは大変だと思うので、個人でブライダルコーディネーターとかやってる人に頼めばずいぶん安く済むんじゃないかと思いました。(自分がもしやるならそういうふうにしたい。)


↓結婚式前日にモヤモヤして怒りのままに書いた文章がこちら。内容はだいたい一緒。

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