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わたしにとって短歌|さけび

ここ数日、長い文章を書くと自分がどんどん自分から離れていっちゃうみたいで、久しぶりに短歌を書いていました。いくつか並べてみると「すごく自分だ」と、気に入っています。瞬間冷凍みたいに的確です。今のところ。

まずは、ただの叫びをお届けします。

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偶然に 17歳を 生き残り
死んだ川を じっと見つめる



ふりかえり いびつに曲がった その道は
精一杯に 貫いた道



土砂崩れ ちょっとの雨で 地盤がゆるむ
引っ越せるんなら 引っ越したいよ



分かってるよ 分かってるよ 分かってるよ
わたしだって ほんとはもっと



春のうた 夏に憧れ 冬懐かしむ
呪いみたいで希望みたいで



長いこと 母から借りてる 聖書出し
最初に見つける 「愛」の一文字



かなしいね。怒ってばかりの あの人は
ずっと一人で 泣いてるみたいだ


赤が赤であることを疑うこと。
死ななくてよかった人が 死ななくてすむ



水をまく いびつな線の  内側に
外の花を踏むのに気付かず



ひるのそら いくつ絵の具を つかえるか
よるのそら いかに名前を つけないか




見もせずに「星は黄色」と決めるから
お前の体に光は届かず



「ありがとう」 強制されれば 「(ただの文字)」
意味を抜いてく 形式警察




読みもせず 他人の辞書を 借りたまま
生きるお前は 自動運転



人生のため カフカの言葉を読みたいけれど
生活のため パワポをつくる



「しない」より「できない」のほう 確実と
思うんだけど また怒られた



ああなんで オートセーブ しないかな
赤信号の 先にいたきみ

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