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創作を日常に溶けこませる

窓をあけても空気の温度が変わらないことにちょっと驚く。また季節が変わろうとしている。桜が散ったら、もうすぐ夏がくるのか。天気がよくて、心がしんとしている。こんな土曜日は、創作日和。


先日「創作活動」についての悩みを話す機会があった。

ここ最近、こうやって文章を書いたり、詩や短歌をつくったり、ラジオをやってみたり、久しぶりに絵を描いたり、「創作」と言うとちょっと大げさだけど、私にとってはれっきとした「創作活動」であるところのアウトプットを好んでやっている。

まず、とにかく楽しい。「そうそう、ずっと、こうやって生きたかったんだ」と思う。ブレブレだった自分が、適切な場所に収まっていくような感覚がある。それで、ときどき自分でも「いいぞ」と思うような言葉を使えて、ちょっぴり自分の可能性を感じている。今すぐに職業にしようってわけじゃないけど、何かと合わさったときに目を惹く武器になりそうというか、まあ簡単に言うと「これはそのうちお金になるぞ」と思っている。

それで、どこに照準を合わせていったらいいのか、有限な時間を使って、どれを伸ばしていったらいいのか、と悩んでいた。ザクっと「自分には何が向いていて(何を楽にやれて)、何を求めてもらえるのか」という感じ。

話をする中で、ある方が「『質』の前提には『量』がある、一定の量を重ねてはじめて質に転化する、という考え方がありますよね。」という発言をした。自分でもびっくりしたのだけれど、そのとき、こめかみあたりがピッと反応した。反射的に「量が質に転化する」という言葉を拒絶した。自分が「質」を追い求めたいフェーズにあることは分かっていたけれど、ここまで「量」を拒絶するのか。もともと「量より質」派だし、効率厨な一面があるし、要領の良さこそ正義だと思っているようなところはあるけど、ここまでだっけな。

原因を考えてみて思い当たるのは、やはり前職。長時間労働を賛美しがちな職場で、その場の定規に合わせて、ちょっと無理な働き方をした。辞めてからそんなに時間が経ってないのもあるけど、自分に残った影響は大きいもんだな。その反動で「長く働いてどうするんだよ」と、最近は短時間労働主義をやっている。そんな状況なので、何事についても「量」って言われるのが嫌なんだろうな。

最近、私が好んでする話に「行動は、その行動自体に意味があるものと、本来的に結果にしか意味がないものの2つに大別できる」というものがある。たとえば、人と話したり、学びを深めたり、社会貢献したり、散歩したりなんてものは、行為をすること自体が目的で、時間を気にせずに行う。効率は求めない。一方で、家事、試験勉強、労働、物理的な移動あたりは、本来的に結果にしか意味がないと思っている。求める結果/効果を期待できる、最低限の労力をかけるべきものだと考えている。(逆に言うと、がむしゃらにやる、みたいなのが馴染まないと思っている。)

上記例にも、似た概念が出てきているけど、自分の中では結構きれいに分けられると思っていた。でも、よく考えたら(よく考えずとも)、スパッと分けられるようなものではないし、両者の性質を持っているものもあるし、グラデーションもあるし、価値の捉え方なんて人によるし、そんなに力説するほどの意見ではないのかもしれない。

それで、創作活動は前者に分類される!効率なんて関係ない!って思いたいんだけど、冒頭の問題提起からも分かるとおり、かなり「成果」を求めてしまっていたんだよな。

「質」とか「効率」に囚われすぎていたというか、「これはそのうちお金になるぞ」に気持ちが持っていかれすぎていたのかもしれない。仕事の一環で創作っぽいことをやっている関係で、仕事と創作活動の境目が曖昧になっていたのも大きいかも。「今日は、仕事やらない!」と端に追いやったついでに、創作活動の大半も一緒に追いやられてしまっていたというか。でもこれ、ちょっと難しいよな。仕事とプライベートでスマホは分けているけど、パソコンは共通しているし、使っているアプリなんかも一緒だ。うーん、せめてアカウントを分けてみようかな。まとめて拒絶するのはやめたい。

戻りますが、大事なのは「質」の内容なのかもしれない。質を上げたいんだけれど、それは、意図して上げていくものではなく、無意識下で、意識しないでも上がっていってほしい種類のものというか。私が意識するのは「自分の感覚を自由にすること」で、言葉とか創作物というのは、それを追って出てくる。そんな状態が理想なのかもしれない。

うん、創作を日常に溶けこませて、日常から出てきたものを自然に表現したい。天気が変わって、場所が変わったら、そのときの自分から湧き出てきた「自然な言葉」を記録したい。

今ちょっと思ったんだけど、温泉につかるみたいに、文章を書きたいかも。基本的に心地よくて、まあ始めるまではちょっと億劫なんだけど、でも入ってみたら超絶心地よくて、入った後に一切後悔しない感じ。

めざせ、脱・効率厨!脱・成果主義!ちょうど外の世界とも溶け込みやすい季節だし、「創作を日常に溶けこませる」を合言葉に、創作活動をやってみます。

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