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「ナミビアの砂漠」に感情移入しすぎてやばくなってしまった(2023.9.23)

わっ、寝落ちしてた。時計を見ると、4時半。昨日は「ナミビアの砂漠」を見に行って、ちょっとやばい状態になってしまい、疲れて寝落ちしたんだな。自分が寝落ちしようとしていることにも気が付かなかった。意識が覚醒した瞬間に何を思うかってちょっと興味深いけど、ここまで純粋な「驚き」も珍しい。

昨日あったことを書いていく。

映画を見るまで

昨日はお昼ちょっと前に起きて「どこかで文章書くかお絵描きをしよ〜」とノートとiPadを持ちながらぶらぶら散歩していたら急に映画が見たくなって「そういえば、ずっとナミビアの砂漠が見たいと思っていた」と、上映している映画館を探した。ラッキーなことに、少し歩いたところにある映画館で上映予定なのを発見し、ぶらぶら向かった。

地図も見ずに、なんとなくの方角に歩いていく。風が涼しくて、季節が秋に傾いているのが嬉しいのに、なんかちょっぴり切ない気持ちになる。次の季節がかぶさってくる時期は、肌に触れる温度が色んなことを思い出させる。ちょっと遠くの山を見ると緑がくすんで抹茶みたいな色に変わっている。あれー、この間までは思春期みたいな色をしてたのに。今日は気分も穏やかだし、感受性が強い日だ。真っ直ぐに伸びていく道を見るだけでも、なんか心が動く、ちょっと感動する。

途中で150円のたい焼きを買って食べた。「大きいたい焼きですね」と言ったら「いつもこの大きさですよ」と言われた。たい焼き片手に昔ながらの商店街を歩いていく。大きくて美味しい。ちょっぴり座りたくなって、見つけた公園に入る。ベンチが2個ずつ3箇所にある。一箇所目:タバコ吸ってる若いお兄ちゃんって感じの人がいる。二箇所目:猫が寝そべっている、近くにはプラスで猫が3匹とビニール袋を持ったおじいちゃんがいる。三箇所目:タバコを吸ってるおじいちゃんがいる、ちょっとトイレが近い。迷った末、三箇所目の空いてる方のベンチに座ったけど、ちょっと居心地が悪くてすぐに立ち去った。帰り際、猫を観察すると、あいつらなんだか妙に大きい。生命力を感じた。がたいのいい野生の猫。

映画館に着いて、チケットを買った。そんなに混んでいなくて嬉しい。目が悪いので前から2列目のチケットを買った。首がちょっと疲れるけど、見えないストレスよりはマシ。(メガネかコンタクトをしろ。)

時間があったので、近くの座れるところでiPadを出しLINEスタンプのイラストを書き始めた。1時間くらいかけて、全部で8個描いた。いいペース。半年くらい前に熱心に描いてたんだっけな。久しぶりだけど、色とか動物たちの表情とか、前よりイケている気がする。

その後、少しお腹が空いていることに気付いて「上映まであと35分。すぐにちょっとだけ食べられるところ…」と、一番最初に目に入った回転寿司屋さんに入った。茶碗蒸しと、イカ、貝、ツナ軍艦を食べて950円。20分で会計まで終わった。いや、回転寿司めっちゃいいやん。

映画見たよ

予告は音がうるさいので、半分過ぎたくらいを狙って席に着く。ナミビアの砂漠、いざ上映!

結論から簡単に言いますと、すごく面白いんだけど、面白い分、めっっちゃ辛くてきつかった。

最初は主人公・カナに共感しまくりで、最初の日焼け止め(?)を塗りながら歩くシーン、友達の話に興味が持てなくて周りの音ばっかり聞こえるシーン、完全にお世話してくれる男がいて、自分が好きだなと思う男は思い通りにならなくて、なんかあのずっと曇ったような頽廃的な雰囲気に「うわーっ」と見入っていた。

しかし途中からのカナの暴力性と自暴自棄な感じが、じっとしていられないほどキツくて、しっかり感情移入していたせいで、自分の中に長らく隠していた危ういところが久しぶりに地表に出てきてしまったみたいな状態になった。身体をもぞもぞ動かしたり、途中目をつぶったりしながら、何度か「出たいかも…でも、もうちょっとだから最後まで見よう…」と最後は我慢して座り続けた。

上映後は、すっかりぐったりしちゃって、映画館を出てすぐのベンチでに倒れこんだ。しばらくしてちょっと回復たので「そろそろ帰るか」と歩き出したはいいけど、なんかもうやる気が出なくて、道を歩く人たちは全員ノイズみたいに感じられて、世界の色が何トーンか落ちてしまった感覚。

外に出るとすっかり夜になっていた。ふらふらと「重心が定まっていない」というような歩きかたで、自分の中のまともな部分が「お腹が空いているだけかもしれない。何か食べよう」と話しかけてくるんだけど、何を見てもピンとこなくて、でもマックを見た瞬間「あ、これだ」と思って、ハンバーガーとsポテトを購入した。(書いてて気付いたけど、これうつっぽくなったときの食生活そのままやん)

マックを食べながら、ふらふら家の方角へ向かう。今日のお昼はあんなに調子がよかったのに。なんで今こんなになっちゃったんだ。ふらふらふら。途中でなんとなくビールを買って飲み始めるも「なんでビールとか飲んでるんだ?」と、片手に持ったビールが自分の意思決定の弱さを主張してくるように感じられる。簡単にぜんぶが嫌になってしまう。それで、なんとか家にたどり着いて、すっかり眠ってしまっていたみたい。

ひと眠りしたら回復しましたけど、あの映画でたとえばカナが衝動的に死ぬ決断をしていたら、わたしはちょっとやばかったかもしれないと思うくらい、やばい映画でした。調子の悪いときには絶対に見れないけど、わたしはすごく好きだった!

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