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第4回 学生活動グループと地域づくり

2013.02.12
中塚雅也
食料共生システム学専攻 食料環境経済学講座 准教授

概要
そももそも地域づくりとは何か,そのなかで学生活動に求められる役割や技術は何か,それらのテーマについて、すでに地域活動をおこなっている学生さん達とともに考える機会をつくりました。

第4回目は、中塚雅也准教授(食料環境経済学講座)。

地域も人も同じようなもので
調子がよいことがあれば、悪いときもあります。
だからいつもがんばらなくってもいいんです。
楽しむ人の周りに人は集まってきます。
だから、地域に関わる学生も
やっている本人が楽しいことが大事です(ポジティブ実践活動)。

元気な地域とは、
①地域に関わる人が多様に存在する
②活発な交流がなされている
③多くの人にとって関わる必要性が高い地域・魅力ある地域
のこと。

人口が減少することをただ嘆くのではなく
人口が減少することを想定して、地域が元気であるように
これから何をすべきかを考えることが大切です。

よく、学生たちは地域イベントに積極的にかかわっていますが
イベントにおける目的と手段の違いを意識しているでしょうか。


イベントの目的が活動そのもの(自己充足的)である場合と
イベントを手段(きっかけ)と位置づけることは、異なります。

物事には必ず2面性があり、この2つは矛盾しています。
それを解消することができませんから
この矛盾をマネジメントすることが大切です。

そのためには、現象をしっかり理解し
自身の位置を確認する必要なのではないでしょうか。
目的か手段か、のどちらかに偏るのではなく
手段と目的の相互変換が必要です。

地域づくりは「課題(問い)づくり」です
なので
ずっと元気な地域は問いを立て続けられる地域ともいえます。

その問いづくりを一人でつくっていると
その人がいなくなってしまうと、地域は問いをたてられなくなってしまう。

そこで
みんなで問いを立てるような場を作っていくことが大事です。

そのためには
定期的に集まる「場」を持ち続けることが重要です。

また、組織とは
コアグループとアクティブグル-プと周辺グループ、アウトサイダー
に分かれています。

団体を運営していく場合には
多くはコアメンバーだけで動かしたほうがいいかもしれない。

一度組織を離れることもあるでしょうし
そういった人がまた組織に帰ってきたときに、温かく迎え入れることで
ともに活動をする仲間が増えるのではないでしょうか。

ある学生団体の人数が減って
地域に入ることができなくなることを心配する学生団体があります。

その場合は
他団体の活動を支援をすることも
一つの地域活動であるといえるのではないでしょうか。

地域もすぐに変わるものではありません。

少しずつ動きをやめないことが大事です。

学生たちが地域でおこなっている活動を
ボランティアとして位置付けるのではなく
学生の視点で
ビジネスモデルづくり(ライフモデル)として取り組んでみませんか。

「改めて、本当に地域のためになっているか。
 お荷物になっていないかと不安になった。」

という意見の一方で、

「地域の人にもっと期待していいのではないか」
という意見がでました。

「コアメンバー以外に参加を希望する学生がいるが
 どのように巻き込んだらいいのか。」という質問もありました。

最後に、庄司先生から
「地域と学生の関係が恋愛に似ている(彼氏と彼女、夫婦)ので
 相手の立場をよくみて、活動していってはどうかなと思います。」
というコメントがありました。

これからもこういう議論の場を大切にしたいですね。

布施未恵子

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