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第2回 英国と日本の農村をつなぐ

2012.11.27
Luke Dilley
地域連携研究員

概要
今回のゲストは「環境配慮行動(ecological behavior)」を専門にするLuke Dilleyさん(地域連携研究員)。
「農村とはなにか?」という質問を通して、日英の社会の仕組みや、個人の仕事や生活に対する価値観の違いを参加者で共有しました。

第2回目は
英国出身のLuke Dilley(地域連携研究員)をお迎えし
「英国と日本の農村をつなぐ」と題して
二つの国の農村に対する考え方の違いについてお話を伺いました。

今回は
英国のお菓子スコーンを食べながら
農村に思いをはせるA-Launchです。

お話は、英国と日本の比較クイズから始まりました。

英国と日本は、国土面積や人口の規模が似ていますが
農村地域の占める割合は
日本は国土の1割程度なのに対し
英国では国土の7割と圧倒的に英国の方が多いそうです。

次に、英国と日本の農村地域の風景の写真が紹介されました。

英国は農村地域の面積が大きいだけあり
日本に比べ非常に広大である印象を受けました。

農村地域における人口は
日本では減少していますが
英国では、まったく逆に、増加しています

仕事を求め都市へ出て行った人が
安定してくると再び農村に戻り農村に住みながら
都会へ通勤する傾向にあるそうです。

そのため、農村地域の地価が上がり
都会から戻ってきた若者が住めないことが社会問題になっています。

両国の違いは何か。

ここで、Lukeが北海道に赴任中に
地域の子供たちにおこなった意識調査の結果が紹介されました。

その結果からわかったことは、両国ともに共通していることとして

・農村地域に対して、「自然が多い」「健康によい」「安全である」などの
 良いイメージを持っている
・一方で、「不便さ」「サービスの少なさ」「職業機会の少なさ」から、若
 者が農村から出ていく

ということです。

しかしながら

日本では一度出て行った若者は戻ってこないのに対し
英国では農村から出て行った若者が
再び戻ってくる違いは何なのでしょうか


「日本人はなぜ農村に住まないのか」

お話の最後にLukeから問いかけがありました。

Lukeから見た日本の農村は
よりサービスが充実していて「便利な街」だそうです。

この問いかけに対し、参加者からは
「農村地域には、都市部に比べ教育機関が少ないから住みづらい」
「夜遅く朝早い出勤のためには、少しでも仕事場に近いところに住みたい」
「一度都会で家を買うと、離れられない」
などの意見が出ました。

英国と日本において
社会の仕組みや個人の仕事や生活に対する価値観が異なるということが
再認識されたように思います。


岡田文子

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