見出し画像

第20回 日本茶の世界

2021年11月9日(火) 12時15分〜13時15分
地域連携センタースタッフ
学術研究員 梅村 崇 (御茶村)

こんにちは。センター新スタッフの梅村と申します。
今回、第20回のA-Launchは「日本茶」をテーマに、
私、梅村が新スタッフとしての自己紹介も兼ねてお話ししました。

新型コロナの流行がある程度落ち着いて、やっと少し人が集まれる状況になってきましたが、今回も前回に引き続き、リアルにオンラインを併用しての開催でした。

内容は「日本茶」。

今回は、身近なようで、あまり知られていない「日本茶」について詳しくなっていただける機会になったはず…!と思っています。以下、執筆者本人ですので、少し詳しめにレポートさせていただきますね。

まず初めに、スタッフ梅村の自己紹介から。

スクリーンショット 2021-11-16 20.35.14

私は、学生時代に茶道を通じてお茶の美味しさや奥深さに触れて、
お茶にハマり、宇治茶のサークル、茶樹研究の卒論など、お茶漬け生活を送りました。


その後、農林水産省に就職。本来業務と並行して「BUZZMAFF」という広報企画に携わっていました。自らを「御茶村」と名乗り、日本茶をテーマにYouTubeで発信。自身で動画の出演・撮影・編集をする「農水省公式YouTuber」というわけです。
本務では、経営政策や消費者行政、内閣府のクールジャパン政策などに携わっていました。

現在は、茶道やお茶の振興に関わっていくことを中心に考えて退職し、
センターのスタッフをしながら茶席の仕事や大徳寺での茶会手伝いなど、色々なことをし始めています。

日本茶基礎知識

さて、今回の本題の日本茶についてです。

スクリーンショット 2021-11-16 21.12.34

お茶はチャ、学名「Camellia sinensis(カメリアシネンシス)」という植物から作る工芸作物です。

ちなみに、一般的に日本語では乾燥させた植物から煮出した飲み物のことを広く「○○茶」と表現しています。そのため、麦茶やそば茶、ドクダミ茶などもお茶と呼ばれているのですが、正確には「チャ」から作られていませんので「お茶」ではないのです。

チャは加工の方法(主に発酵の程度)によって緑茶、烏龍茶、紅茶に分けられます。
緑茶は、発酵(いわゆる発酵ではなく、茶自身が持っている酸化酵素によって反応が進むこと)が起きないように、刈り取った後に蒸気などで加熱して、酵素を失活させます。この処理を殺青(さっせい)と呼んでいます。(なんだかちょっと物騒な名前ですよね)

殺青によって酸化が進まなくなるので、葉が持っている緑の色が保たれて「緑茶」になるのです。また、蒸した後に揉むことで細胞壁が壊れ、湯を注ぐだけで成分が抽出されやすい状態になります。

刈り取られた生葉は、産地で加工されて「荒茶」になります。
荒茶とは、チャの茎・葉や加工工程で発生した粉などが混ざっている状態で、それを選別・乾燥調整・ブレンドして「仕上茶」になります。

そういう加工工程を経て、生葉から乾燥したお茶になる、というわけです。

おおよそ生葉から荒茶になると重量比2割、さらに仕上茶になるのはそのうち2割なので、10a(31.5m×31.5m)の茶畑で刈り取った新芽の生葉250kgから約10kgの仕上茶と副産物ができると考えていただければ良いと思います。
多いと感じますか?少ないと感じますか??

(その他に産地や産出額から見た産業規模、種類(煎茶、玉露、抹茶)の違いなどをご紹介しました。)

画像3

兵庫県では、規模としてはそこまで大きくはないのですが、主に以下の6つの産地でお茶が生産されています。
丹波茶(丹波篠⼭市)、⺟⼦茶(三⽥市)、朝来みどり(朝来市)、播磨やしろ茶(加東市)、仙霊茶(神河町)、あさぎり茶(佐⽤町)
(具体例として丹波篠山市の味間(あじま)地区、後川(しつかわ)地区における歴史や取組をご紹介しました。)

日本茶の香りの魅力

日本茶、特に煎茶には品種による香りの違いがあります。
日本で栽培されているチャの多く(約74%)は「やぶきた」という品種なのですが、「やぶきた」とは異なる特徴的な香りを有する品種も栽培されています。

例えば、茹でたトウモロコシのような甘い香りがする品種やシナモンやハーブのような香りがする品種、さらにはジャスミンや桜花の香りがする品種もあります。
これらの特徴的な香りを楽しむために単一品種単一畑(シングルオリジン)の商品として販売しているお店があるのです。
(梅村に直接聞いていただければ、シングルオリジンのお茶を取り扱う日本茶の専門店をご紹介します!)

また、お茶の香りを楽しめるのは、品種による違いだけではありません。
お茶は刈り取り後に烏龍茶のように発酵を進めることで萎凋香が発現します。萎凋香を楽しむ「萎凋煎茶」というお茶を作っている人もいます。
(今回はリアル参加者の方に奈良県にある月ヶ瀬健康茶園の萎凋煎茶を飲んでいただきました。華のような香りがしました。)

画像4

お茶マニアがオススメする「日本茶情報源」

最近の日本茶情報として、日本茶専門の情報メディア「CHAGOCORO」や「Re:leaf Record」、日本茶をテーマにしたドキュメンタリー映画「ごちそう茶事」日本茶のコンテスト「日本茶AWARD」のご紹介をしました。
興味がある方はアクセスしてみてくださいね! ツイッターやインスタアカウントもあります。

CHAGOCORO
Re:leaf Record
ごちそう茶事
日本茶AWARD

最後に 

最後にフロアからご質問もいただき、(私の体感では)あっという間に1時間が経って第20回A-Launchが終了しました。今回、参加いただいた方々には日本茶について少し詳しくなっていただいたと同時に、連携センター新スタッフが日本茶キャラであるということをよく分かっていただけたかと思います。


梅村(御茶村)がセンターにいる時はお茶を入れますし、みなさまぜひお茶を飲みに来てくださいね。また、農水省を志望している就活生には元農水職員としてお話しできますので、訪問歓迎です。

長文失礼しました。

地域連携センタースタッフ 梅村 崇 (御茶村)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?