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第19回 ため池の現状と展望

2021年3月9日(火) 12時15分〜13時15分
東播磨フィールドステーション
特命助教 柴崎浩平先生

2020年度,最後の「AーLaunch(エーランチ)」。今年度は新型コロナウィルス感染症拡大の影響もあり,ランチ形式からオンラインとリアルを融合した飲食なしのハイブリッド形式での会となりましたが,引き続き積極的なディスカッションが行われ,知の最前線を知る貴重な機会となりました。

2020年度2回目,通算第19回目のゲストは,農学研究科地域連携センターで特命助教をされておられる柴崎浩平先生。柴崎先生は,神戸大学食料共生システム学専攻の博士課程を修了された後,神戸大学食資源教育研究センター(通称:農場)を経て,現在は加古川市にある東播磨フィールドステーションを拠点としておられます。農業農村経営学を専門とされ,特に東播磨フィールドステーションでは,ため池の持続可能な管理と活用の方法について実践と研究を重ねられています。
http://www.lab.kobe-u.ac.jp/ans-eharima/

東播磨フィールドステーションは,神戸大学大学院農学研究科,京都大学大学院農学研究科,兵庫県立大学地域創造機構の3大学が兵庫県東播磨県民局と連携しながら,設立した交流・研究拠点。その目的は,地域のレジリエンスを高めるため,「環境・経済エコシステムの構築」「地域人材のネットワーク形成」「地域ナレッジの継承と創造」を実践していくことにあります。

東播磨2020アニュアルレポート

これまで,ため池サービスを向上させるために,農地・水・環境の管理組織の効率的な運営方法を提示すべく基礎データを取りまとめて可視化したり,地域課題を解決するための実践コミュニティづくりのため,地域のサポートを行ってきました。後者においては,草刈サービスを提供する「畔師グループ」が各地区で活動を開始しています。

また,情報発信も積極的に行っており,バイオエコノミーについて理解を深めるための研究会を開催したり,「ため池ちゃんねる」と題したYoutubeチャンネルで,なかなか一般人からは見えにくいため池の現状についてわかりやすく伝えています。
https://www.youtube.com/channel/UCn9_fni3oYjZyRNk44l4I4g

東播磨2020アニュアルレポート 2

温暖化等の気候変動によって,近年国内でも大規模自然災害が頻発する中,農村地域の生活と農業を支える存在として,改めて「ため池」が注目されることも予想されます。兵庫県は全国一位のため池数を誇り,中でも東播磨地域はため池の密集地域です。つまり,実践面からも研究の側面からも東播磨地域にはナレッジが蓄積されつつあります。そんな東播磨で「ため池の未来をつくる研究者」として活躍される柴崎先生の今後に,ますます期待が高まります。

農学研究科地域連携センター
眞鍋邦大


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