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心理的安全性が高い場所を、医療を通して提供したい 宇高彩氏

プロフィール

生まれも育ちも北海道。旭川医科大学医学部医学科5年生。大学3年時に日本プライマリ・ケア連合学会主催「家庭医療学夏期セミナー」の実行委員長を務める。現在は「穏やか空間クリエイター」を目指し、音声配信アプリStand.fm「あやの穏やか空間備忘録」を中心に活動している。

また現在PCLGという、プライマリケア連合学会の学生下部組織PCsの北海道支部的存在で、北海道内の地域医療と家庭医療に興味がある医学生に対して、勉強会の運営を行なっている。

目次

  • 医学の道へのきっかけ

  • 現在の活動

  • 安心して自己表現できる場所を作る

  • 今後の目標

医学の道へのきっかけ

ー医師を目指した経緯を教えてください。

 初めは歯に関わる仕事につきたいと思っていました。通っていた歯医者さんが予防教育に熱心で、中学生の時から強く共感していましたし、歯は医療の窓口的な存在だと感じていました。また、高校の先生に背中を押していただいたこともあり、歯学部を志望していました。ある時、北海道教育委員会の地域医療解決イベントに参加した際、札幌の医療が当たり前ではないことに気付きました。そしていつの間にか、患者さんがかかった病気自体を身体の病的状態として「疾患」として診るだけでなく、患者さんが病気にどのような意味づけをし、体験しているのかという、「病」を見ることができる医療者になりたいと思うようになり、病全体を見ることができる医学部への進学を決めました。

現在の活動

ー宇高さんが現在の活動に取り組もうと思ったきっかけを教えてください。

 大学一年時に学年ラインに流れてきた家庭医療学夏期セミナーに興味をもち参加したところ、年齢が近い人たちが一つのものに頑張っている姿を見たことや、自分の医療に対する考えに似たベクトルの人たちが多かったことで、彼らに影響を受けました。ただ憧れたというよりは、自分もこの一員になりたいと思った方が正しいと思います。結果として家庭医療学夏期セミナーの実行委員長を経験しましたが、やはりこれらの活動は今後の医師人生に役立つのではと思っています。

ー「家庭医療学夏期セミナー」の実行委員長としての経験が、宇高さんのキャリアパスに与えた影響を教えてください。

 チーム作りの能力ではないかと思います。会議の進め方や議事録の取り方といった細かい作業的なところだけではなく、マネジメントやリーダーシップに関しても、ビジネス書を中心にとにかく読んで勉強しました。結果として、自分にできることとできないことの自覚や、相手ができそうなことの見極めができるようになり、役割分担をうまく整理し、チーム作りをできるようになりました。

ーPCLGではどのような思いで活動されているのでしょうか。

 家庭医療に少しでも興味を持ってもらえる学生が増えたら良いと思っています。最低年に一回、道内の3つの大学で総合診療医や家庭医を招いて講義を行ったり、北海道の赤平市立病院、プライマリケア学会、北海道庁、北海道の地域枠の生徒に協力してもらい、キャンプを開催しています。このキャンプは特に1年生の参加者が多く、臨床推論や家庭医療の講義、赤平市の観光、市立病院の見学など盛りだくさんで、反響も大きかったです。その中で地域医療に対しても、医療の仕組み化をしながら、ここで働きたい!と思えるようなまちづくりが必要なのではないかと考えることができました。

安心して自己表現できる場所を作る

ー「あやの穏やか空間備忘録」は家庭医療、地域医療とはどういう関係なのでしょうか。

これは家庭医療や地域医療への貢献というよりも、自分が安心して自己表現ができる場所を作ろうと思ったという方が正しいです。まずは自分自身に対して穏やかな空間を作りながら、リスナーの方々にもそのお裾分けができたらいいなと思っています。

そんな中で配信者側としての心理的安全性が保たれていると思い、音声配信を選びました。他のSNSを利用することも考えましたが、探さないと見つけられないものを提供することで、発信者側に心理的安全性を作りながら自己表現の場を作りたいなと思っています。

今後の目標

ー最後に今後の目標を教えてください。

 正直具体的なビジョンはありません。今を生きるというところがあるので…ただ強いて言うのであれば、家庭医として働けるようトレーニングを積んでいきたいと考えています。これはあくまでも手段に過ぎませんが、穏やかに幸せに働ける人生が良いですね。働くという言葉が人生の自己表現になるような生き方をしたいと思っています。

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