Mくん②

その頃、海外に住んでた女友達が
日本に帰国した。

久しぶりに会った友達は
すごい輝いていて
話を聞く度、私も行きたい、
違う景色を見てみたいと思うように
なっていた。

仕事は安定はしていたが、
ストレスで痩せて
気力も失いかけていた。

正直、限界に達していた。

退職届を出して
5年半働いた会社を退職。

その後

オーストラリアに行くことを決意。

ずっと一緒にいた彼や仲間と
離れることに寂しさはあったが

成長して帰って来た時に
彼に女として認めて貰えたらという
淡い期待もあった。

変わりたい。

その気持ちが膨らんでいた。

旅立つ一週間前。

彼を含む仲間たちが
送別会とやらを開いてくれた。

彼の同僚からは手紙と本、
音楽までプレゼントしてくれた。

幸せな日。

ただ彼からは何もなかった。

「いってらっしゃい!」
ただそれだけ。

彼からは寂しいなんて1ミリも感じない。

これが彼との最後の別れ。

胸が痛む。

旅立つ前日。

彼からはもちろん連絡無し。

荷物を整理しながらも
会いたいけど素直になれない自分と
葛藤していた。

「なんで連絡ないんやろ。。
やっぱり私の事どーでもいいんかな。」

母に呟いてた。

母は
「連絡しなさい。そんな気持ちのまま旅立ってもスッキリしないでしょ。会ってきなさい。荷物はお母さんが整理しとく。」

モヤモヤする気持ちと
素直になれない自分。

恋愛って勝ち負けじゃないのに
いつしか勝負するかのように
意地張って後悔して
自己嫌悪に陥ってた。

母に言われ
連絡すると会ってくれることに。

笑顔で振舞って平然を装ってたけど
ほんとは寂しくて、
ほんとはハグして欲しくて、
優しい言葉が欲しかった。

「連絡したいならskypeしてきたら?
俺は連絡せんけど。」

後味悪かった。
でもあのまま会わずに旅立ってたら
もっと辛かったから。

性格なんて簡単に変わらない。
素直になれない自分は
オーストラリアに住んでいても
変わることはなかった。

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