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小山絵里奈さん談話&インタビュー

❝メロディラインを中心に気をつけて、ポルノグラファーの世界観を構築しました。❞

こんにちは。
ドラマ『ポルノグラファー』『インディゴの気分』の音楽を作られている、小山絵里奈さんに、お話を伺いました!
2020年1月26日に千葉県茂原の「Buffalo」で行われたライブ『LIVE for SOUNDTRACK』の終了後、かねてよりお聞きしてみたかった制作時のお話を『ポルノグラファー』と『インディゴの気分』を中心に、お聞きすることができました。

――ライブでお疲れのところすみません。質問させていただいても良いでしょうか。ドラマ『ポルノグラファー』の楽曲について、「音楽の方向性はカントクと3分話して決定」とありましたが、打ち合わせ3分というのはどういうことでしょう。

電話で方向性はすぐに決まりました。でも監督はあまり言ってくれなくて、二つか三つアドバイスでしたね。私もこういう系統は初めてで。どう作ろうかと。エロくなくていい、とは言われました。

――アドバイスというのは具体的にはどのようなことですか。

文学的な感じ、メロディアスな感じとだけ仰っていました。

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――『ポルノグラファー』のメインテーマはどのようにしてできたのですか。

メインテーマ以外の楽曲を作曲した後、一番最後に作りました。通常はメインテーマから先に作曲する事が多いと思いますが。
メロディラインを中心に気をつけて、ポルノグラファーの世界観を構築しました。確か、デモを提出後、アレンジに関して監督からアドバイスを少し頂いたような気がします。

――メインテーマは本当に素敵でした。続編『ポルノグラファー〜インディゴの気分』での同曲のアレンジは、よりメランコリックな印象を持ちました。そしてさらに5話の病室の場面で使われたピアノバージョンには、とても感動しました。素晴らしかったです。シーンに合わせて作られたのですか? 木島が蒲生田先生の言葉が失われ元には戻らないと言うところで、原作の、言葉が崩れていくコマの感じともすごくマッチしていました。

ありがとうございます。あれは納品が全部終わった後に、ピアノだけのものが欲しい、と言われて作りました。その時は映像も上がっていて、それを見ながらゆったり弾いています。映像の方では、少し編集されているかも。

――配信された『「ポルノグラファー」オリジナルサウンドトラック』には、「Melancolic Jaz」という曲がありますが、JAZZテイストのものはあまり使われなかったのでしょうか。

今回に限らず、オーダーに沿ったものを作曲したとしても、使用されないことというのはよくあります。

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――『インディゴの気分』は音楽がたくさん使われていて、『ポルノグラファー』よりメロディアスな印象があります。

インディゴの気分は、美しいところがあったり、明るくもなく暗くもないようなメロディだったり、ポルノグラファーから少し違う形で発展させていきました。

――曲の中に展開があって、はじめと終わりで表情が違うところがすごいです。「青藍」もそう感じました。

シーンからシーンへ移る際や、心情の変化を時間経過で表現していくので、音楽だけで聴くとそういう印象になるかもしれませんね。

――聖地巡礼のロケ地でサントラを聴きます!

へええ すごい!そんな楽しみ方が!

――『インディゴの気分』の制作は、『ポルノグラファー』のあとわりと早い段階で決まったようですが、楽曲の制作に余裕はありましたか。

あまり余裕は、ありませんでしたが、続編としてインディゴの気分をやらせていただけることは、とても嬉しかったです。
映像が出来上がっていなかったので、台本を読んで、その場で浮かんだものをどんどん録音して、編曲していきました。

――文字を読んで浮かぶものを作るのですか。すごいです。『ポルノグラファー』ではどうでしたか?

ポルノグラファーは一ヶ月弱で作りました。台本を読んで。映像を待っていたら間に合わないので。。

――『ポルノグラファー』のお仕事は、清水一幸プロデューサーからお話があったのですか?

いいえ、三木監督と女性のプロデューサーさん(齋藤理恵子さん)から直接お話をいただきました。

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――私はメロディのある曲がとくに好きですが、初期のアルバムを聴くと、不穏な雰囲気の曲も得意にされているのかなと思いました。『ゾンビが来たから人生を見つめ直した件』もとても良かったです。

ありがとうございます。『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』は音色素材をまず先に沢山録音して、それらを料理していくという少し特殊な作り方をしました。

――『のぞきめ』は、どちらかというと楽曲というよりサウンドのような感じでしたね。『のぞきめ』は、三木康一郎監督との初めてのお仕事ですか?

そうです。のぞきめは、初のホラーだったこともあり、右往左往することもありましたが、沢山学ばせていただきました。

――音響効果みたいな感じもしました。

音響効果みたいな感じもありつつ、私のコーラスをいれたり、私なりのホラーサウンドに仕上げました。

――小山さんの楽曲にはサウンドを取り入れた曲も色々ありますが、ピアノはお好きなのですか?『ポルノグラファー』でも印象的でした。

ポルノグラファーでは、変わった音色は、求められていないように感じました。一般的な音色で、どのように表現するか、映像を邪魔しないようにとは気をつけています。

――『隠れビッチやってました。』はシーンごとに曲があり曲数も多いように感じましたが、オーダーも細かかかったのでしょうか。

映画 『隠れビッチやってました。』は、心情の揺れが大きいので、それらに沿った音楽が必要なので、そういう印象でしょうか。
フランスっぽい、、という様なオーダーを頂き、アコーディオンなどを入れたりしました。

――監督は、撮影の際も明るく話される時もあれば、けっこう細かく指示を出されると伺いました。

監督から電話がかかってくるとドキドキします...(笑)

――お住まいは山の方ですか

千葉の真ん中の方、山の中腹です。制作には向いていると思います。静かな集中できる環境ですので。

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――丸木戸マキ先生の『續・ポルノグラファー プレイバック』は読まれましたか?

読みました!

――もし小山さんが「プレイバック」の音楽を作られるとしたら、どのように作りたいですか?

ポルノグラファーがあり、インディゴの気分ができて。監督がどう作られたいかですよね。

――「プレイバック」は、「インディゴの気分」や「ポルノグラファー」と少し雰囲気が違うかもしれません。コメディっぽさもあるというか。

確かに。ライトな感じもシーンによっては、いいかもしれません。

――ぜひ小山さんの音楽で「プレイバック」が観たいです。実写化、あるでしょうか?

監督にも打ち上げなどで、訊いてみたりしているのですが…
なきにしもあらず、って感じですかね。これ以上は言えません。

――貴重なお話をありがとうございました。私たちだけでこのお話を聞くのはもったいないです。是非今度は、ポルノグラファーシリーズにフィーチャーしたライブをお願いします!それにトークショーなども。いっぱい質問したいと思いますので!

はい、みなさんのご期待にお応えできる様に、作戦練ります!最後までありがとうございました。

(ファン有志)

 ライブ後にご好意で歓談の機会をいただき、前のめりに多くの質問をしてしまいましたが、小山さんは快く気さくにお答えくださり、大変貴重なお話を伺うことができました。公開にもお許しをいただき、本当に感謝しております。
 ライブでは、「サウンドトラック特集」として、小山さんのオリジナルサウンドトラックから厳選された曲が演奏されました。woodbassの菊田茂伸さん、accordionの佐々木憲さんとのトリオによる、特別アレンジです。
 アルバムで聴くのとはまた違ったおもむきで、お洒落で生の音の響きが素晴らしく素敵で感動しました。
 アニメや映画作品に登場したお料理や、インディゴの気分の曲をイメージしたカクテル(文中の写真は「み空色」)と共に、本当に楽しいひと時でした。

【ドラマの続編『劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜』近日公開!】
 小山さんの音楽とともに、またポルノグラファーの世界を堪能できることが、本当に楽しみです!
 また公開に先立ち、鬼束ちひろさんの主題歌を収録した『ポルノグラファー・トリロジーコレクターズエディション』が発売!
 初回限定版には小山さんのポルグラシリーズのサウンドトラックが入るとのこと。なんてことだ!形になって手元におけるのです!素敵すぎる〜!!

◆1月11日(初回25:05)『ポルノグラファー』地上波再放送(一部地域)
◆1月16日『劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜』オンライン生配信イベント
◆2月24日『ポルノグラファー・トリロジーコレクターズエディション』発売
◆2月26日『劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜』公開

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