オペレッタの記録:カールマン《サーカス・プリンセス》(7月23日、ミュンヘン・ゲルトナープラッツ劇場)


7月23日、ミュンヘンのゲルトナープラッツ劇場でカールマン作曲のオペレッタ《サーカス・プリンセス》を観ました。
カールマンの作品は《チャールダッシュの女王》、《伯爵令嬢マリツァ》が有名ですが、《サーカス・プリンセス》はこの2作品の後に作曲されているのにも関わらず、あまり上演の機会がないかもしれません。
世界初演は1926年、テアター・アン・デア・ウィーンでした。

この日の劇場。


プログラム。


プログラムに記載された《サーカス・プリンセス》のあらすじ。右ページが英語です。

要するに大金持ちの未亡人フェドーラを巡る恋とたくらみの話です。
場所は第1、2幕がサンクト・ペータースベルクのサーカス小屋、第3幕はウィーンのホテルです。
パリ生まれのフェドーラは夫の莫大な財産を相続します。ロシア皇帝は財産の外国流出を防ぐため、フェドーラにロシアでの再婚を命じます。フェドーラはサーカス団のミスター・X(仮面の馬乗り)と恋に落ちますが、実は彼は陰謀のために遣わされたのでした・・・なんだかんだあり、結局はハッピー・エンド。
《乞食学生》を思わせるプロットでもあります。

音楽は《チャールダッシュの女王》ほどではないのですが、美しいメロディーが繰り返され、また舞台がサーカスなので、楽しい見せ所は多々あります。

その中で、サーカスの団長夫婦が「私たち、年を取ってしまった。誰か後を継いでくれる人はいないかしら。まずサーカスを愛する人でなくては・・・」というところではホロッとしてしまいました。

そういえば、その昔、日本にも「ボリショイ・サーカス」がよく来ていたような記憶があります。この制作にも着ぐるみの白くまが登場しましたが、突然「ボリショイ・サーカス」を思い出しました。


平土間の最後部にはコントロール・デスクがあります。

オーケストラ・ピット。

美しい天井とロージェ。


上演前からサーカス団員に扮したバレエのメンバーが客席などに出没しています。
突然、後ろから長靴下のピッピのような、そしてコメディア・デラルテでいうところのコロンビーナが現れました。

休憩で外に出たところ。


カーテンコール。
当然ですが、オペレッタはウィットに富んだセリフが多く、歌手も高い演劇的能力を要求されます。

劇場を後にしました。土曜の夜、近くは若者たちでいっぱいでした。

FOTO:©️Kishi

以下はプログラムに掲載されたステージ写真です。

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