コンサートの記録:デュッセルドルフ響(11月29日、デュッセルドルフ・トーンハレ)
11月29日、デュッセルドルフのトーンハレで首席指揮者アダム・フィッシャー指揮デュッセルドルフ響のコンサートを聴きました。
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ホール入口の外ではコロナ2G(完治かワクチン接種済み)証明の提示が義務付けられています。
その後のコントロールはホールや劇場でいろいろな方法がとられますが、このホールでは、提示が済むとこのようなカードをもらい、内部に入ることができます。
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デュッセルドルフ響はフィッシャーの指揮で『シューベルト・ベートーヴェン・チクルス』を続けています。
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この日はイゴール・レヴィットがベートーヴェン《ピアノ協奏曲第3番》を演奏しました。
レヴィットは今シーズン、同ホールの『レジデンス・アーティスト』です。
レヴィットは現在34歳。
このジェネレーションでは群を抜いて素晴らしいピアニストだと思います。
私は10年以上前、彼がまだハノーファー音大の学生だった頃、音楽関係者(演奏家、批評家、教育関係者)から「すごい才能のピアニストが出てきた」との評判を聞き、ずっとフォローしてきました。
こういう『インサイダー情報』はなによりも重要です。
そして現在、レヴィットはピアノ界、音楽界の重要な一角を占める音楽家になっています。
また、音楽活動だけではありません。人種差別問題などにも積極的に発言し、社会的な注目も集めています。
この日、スタンディング・オーヴェーションに応えて弾いたアンコールは《ダニー・ボーイ》(日本では《ロンドンデリーの歌》)のアレンジでした。
個人的な話ですが、音楽好きだった父の影響で、私は3歳の時にピアノを習い始めました。
この《ダニー・ボーイ》は父が大好きで、よくヴァイオリンで演奏していました。
そして父はこの歌を『反戦の歌』として、まだ幼かった私に説明してくれました。
子供だった私は父のヴァイオリンのピアノ伴奏をさせられていました。
中でもこの曲は、最も一緒に演奏した馴染みのある曲なのですが、もう長い長い間、聴くことも弾くこともありませんでした。
レヴィットの演奏は心に染み入る素晴らしいものでした。
そして、2013年に他界した父のことを思い、涙がこぼれました。
さて、後半の《交響曲第8番》では、レヴィットがベッカーさんの隣に座って聴いていました。
前半に演奏したソリスト、特に若手ソリストが後半を客席で聴くということはドイツでは、よくあります。
ただ、日本のコンサートでは珍しいように思います。
他の演奏を聴くことは何より自分の勉強になるし、マエストロとオーケストラへの敬意でもあると思うのですが・・・。
レヴィットは私の2列前、右側だったのでよく見えたのですが・・・指揮するように曲に合わせて手と指を動かしていました。しなやかで繊細な動きで、ステージよりも、彼の指の動きを見てしまいました。
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ここまでの写真は、©️Kishi
以下は、コンサート中の写真で、©️は、foto@susanne-diesner.de
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