オペラの記録:バイエルン州立オペラ(ミュンヘン)、『ミュンヘン・オペラ祭・プレミエ』、R.シュトラウス《カプリッチョ》プレミエ(7月17日)


7月17日、バイエルン州立オペラの『ミュンヘン・オペラ祭』のプレミエ(新制作)、R.シュトラウス作曲《カプリッチョ》の初日公演を観ました。
場所はプリンツレゲンテンテアター。

劇場入口
客席廊下からカフェ・レストランにつながる部分


客席へ
カフェ、レストラン。天井画が綺麗です
中庭
劇場建物を背に中庭を見る
オーケストラ・ピット
客席上部へ
客席
客席
楽屋口、オーケストラ団員が外に出ています

プログラム。

《カプリッチョ》はR.シュトラウス最後のオペラです。
「会話作品」とされています。

世界初演は1942年10月28日、ミュンヘンでした。
指揮はテキストも手がけたクレメンス・クラウス。ただ、テキストは複数の台本作家によって始められたのですが ー 中でもシュテファン・ツヴァイクは大きな役割を果たしていますが、ユダヤ人だったため南米に逃れ、そこで自殺しました ー、最終的にはクラウスが完成させました。

オペラにおける「音楽が先か、言葉が先か」という根本的問題が、「音楽家と詩人」に愛を打ち明けられる伯爵夫人を中心に展開します。

ただ、一見、政治的には無関係なテーマのように見えますが、実際には複雑で難しい問題を擁しています。
世界初演にはナチスの幹部が多く集まりました。

下のカーテンコールの写真でわかりますが、ステージ美術はオペラ劇場内部を横から見たところが設られました。

バレリーナ3人が現れますが、これはクラウスの出自を思わせます。
クラウスの母はまだティーンエージャーだった時にクラウスを出生しました。
父親はわかりません。

演出では、この3人のバレリーナが強制収容所に向かわされるユダヤ人の少女となります。

また、ステージ上には指揮者がもう一人います。
これはナチスの脅迫を受けたユダヤ人指揮者ブルーノ・ワルター、そしてナチスに反対してバイロイトでの指揮を降りたトスカニーニに代わって、指揮をしたシュトラウス、

そして・・・

クラウスはナチスと衝突したエーリヒ・クライバーの後任としてベルリン国立歌劇場の音楽監督に、そしてナチスに追いやられたクナッパーツブッシュに代わってバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任したことも想像したのですが・・・。

以下の写真でもわかるように、ゲシュタポを思わせるコートの男たちも出てきます。

以下はカーテンコール。

冒頭、弦楽6重奏のメンバーと二人目の指揮者、チェンバリスト
中央でお辞儀をしているのは伯爵夫人を歌ったディアーナ・ダムラウ
指揮者登場
演出チームも登場

FOTO:©️Kishi

以下はプログラムに挟まれたポスター。ステージ写真です。

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