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コンサート:『レンツブルギアーデ』(スイス)の〈タンゴ・シンフォニー・ガラ〉、22.06.24、Lenzburgiade、Schloss Lenzburg③

この投稿が『レンツブルギアーデ2024』の最後です。

レンツブルク城のことを書いていませんでしたが、この城はドイツ文学とクラシック音楽を知る人なら、誰もが知っているフランク・ヴェーデキント(1864〜1918)が育った城です。

フランクの父親は婦人科医としてトルコ宮廷につとめ、ドイツに戻ったのですが、1848年3月革命が起こります。父親はこれを避けてサンフランシスコに渡りました。不動産投機とゴールドラッシュで財を成し、結婚し、ドイツに戻りました。
フランクは1864年、ハノーファーで生まれました。フランクの本名はベンジャミン・フランクフリン・ヴェーデキントと言い、もちろんベンジャミン・フランクフリンに因んでいます。
しかし父親は時のプロシア帝国を嫌い、スイスに亡命、1872年にこのレンツブルク城を買って、家族で移り住みました。

また、フランクの妹エリカ(1868〜1944)は当時ヨーロッパで最も有名なオペラ歌手になりましたが、もちろんこの城で育っています。

フランクは父の死後、莫大な遺産を相続し、そのおかげで芸術活動に集中できました。代表的な作品に《春のめざめ》があります。
しかし、オペラ・ファンにとってはアルバン・ベルクが彼の作品を《ルル》の基としたことで馴染みがあるでしょう。

『レンツブルギアーデ』ではヴェーデキント一家などレンツブルク城にゆかりのある人物を中心にした美術館の見学と説明もしています。

さて、『レンツブルギアーデ』3回目のコンサートは〈タンゴ・シンフォニー・ガラ〉です。もちろんピアソラ。


バロックガーデンとお城の中庭を隔てる鉄柵が綺麗でした
コンサート開始を告げるファンファーレ・トランペットもバロック・ガーデンで待機中

この日、コンサートの前には『ガラ・ディナー』がありました。
場所はお城の中の「騎士の広間」。

メニューはピアソラにちなんで南アメリカにインスパイヤされた料理で前菜、主菜、デザート。肉料理とヴェジタリアン用と2種類あります。
飲み物・ワイン込みで79スイス・フラン(約14,000円)。
もともとスイスは物価が高いこと、現在、円がとても安いので、円換算するとこの料金になりますが、生活感覚では10000円ほどでしょうか。

私はディナーには参加しなかったので、お料理のレベルはわかりません。

なお、スイスでは良いレストランに出会うことも多いです。もちろん、店の前に出ている「お品書き」を見て、見当をつけることが必須です。
「安かろう、悪かろう」ははずれることはありません。

雨は上がったのですが、とても寒く、私は途中で建物の中に避難し、後ろから写真を撮りました。


ヨーロッパ、全世界に数多くの音楽祭があります。
『レンツブルギアーデ』はアットホームでとても素敵なフェスティヴァルでした。

FOTO:(c)Kishi

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