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魚が食べたい。

息子がどうしても釣りに行きたいというので、とある休日、知多半島の堤防へ。

朝早めの釣具屋さんは、もうお客さんでいっぱいです。釣り人口の多さに驚いてしまいます。餌や仕掛けを千円ほど購入。千円あれば、尾頭付きの結構良いお魚、市場で買えるんじゃない?と心の中で思ってしまう私。

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堤防に着き、釣り開始。風が吹きさらしの上、雨も降っていて寒いです。サビキ釣りの餌である小さなエビたちがそこらへんに落ちていて臭いです。

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糸がよく絡まります。もじゃもじゃになった糸を解くのはかなりのストレスです。針が手に刺さって痛いです。

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泳いでいる魚が見えます。いっそ網ですくったら捕れるかもと息子は海を覗き込んでいますが「見えてる魚は釣れない。」と言う教訓は私でも知っています。息子が堤防から落ちたら助けられる自信はありません。

「魚→美味しそう→釣りたい」

もうそれしか考えていない息子。とてもシンプルです。いつの間にか泳いでいる魚を食べ物として見られなくなった私。確かに、仕事で携わっているチルドグロサリーで扱う商品は、子どものいる家庭に人気の骨抜き魚、お一人様用の下味冷凍や調理済み魚が人気です。食卓をどう彩るかと言う撮影ディレクションで示していることは、お皿に盛り付けた際の魚の向きや、付け合わせ、旬感や魚の種類に適したコーディネイト、シーン作り。調理された魚から海や川を意識させることは購買意欲からすると逆効果です。でも確実に、魚も肉も野菜も食べ物は全て、生きていた場から切り取られて私たちの食卓にやってきます。食べ物がどこから来るかを比較的簡単に味わうことができるのが釣りなんじゃないかと思いました。


結局この日は一匹も釣れず、近くでサビキ釣りをしていたおじさまたちが、臭くて食べられないから海に捨てていた”ボラ”を頂き持ち帰りました。魚を捌くのは息子の責任と役割なのですが案の定、生臭そうでした。生姜も梅干しもごっそり一緒に煮たのですが、抑えることのできない臭さ。これもまた経験ということで。

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写真:小島邦康(Artical Inc.)

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