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採用担当が思う「責任と自由」の話

# これはなに  

## 採用担当の発言に自由はあるべきか

忘れられない面接、が私はあります。 面接というよりは、面接でされた忘れられない質問かもしれません。
そのことについて、最近考える機会があったので、テキストにしました。 

採用担当としての過去の反省談と、候補者としての過去の経験談をもとに、『発言の責任と自由』について書いています。

 ## 伝えたいこと 

・面接は、一生の忘れられない経験になり得ます。 

・でも、変に畏るのではなく、フラットでオープンであること、そして敬意だけ大事にした方が良いのではないかと思います。 

## こんな人は読むと良いかもしれない 

・新任採用担当の人

・経験があり、面接のフィードバックを受ける機会がない人 

# 忘れられない面接 

## そもそもの私の採用経験の始まり 

新卒入社した前職で、2015年の1月から半年間、新卒採用を面接やら説明会イベント運営やら、オペレーションもやりました。 

営業から採用人事に異動が決まったその時は、いつかはそういう所に携わりたいと思っていたので少し浮かれていたのを覚えています。 前職では、採用に携わるメンバーは全員漏れなく優秀というイメージがありましたので。

## 『僕たちのこと舐めてますよね?』

新卒採用担当になり1ヶ月が過ぎた頃、京都に出張し1日中面接を行っていた時のことでした。
確か、京都のカフェ鴨川という所で缶詰の二日目、夜の最後から二番目くらいの回で、男の子から、ずばっと僕たちのこと舐めてますよね?と言われました。

多分、舐めていたんですね。態度というか言葉というか、何かは分からなかったですが、そう彼に映ったのは事実で、頭をガーンと殴られた感覚に陥りました。
かなり焦りました。
冷や汗が出て、何とか取り繕いたかったけど、多分動揺が透けて見えていたと思います。

この人は合格、この人は不合格、そんな風に人と話し続けて、面接の合否品質も上司にお墨付きをもらい、自走し始めて少しの時。 私は一生このことを忘れられないと思います。

私はその日の夜、同行してくれていた先輩にその話をし、「人事として、本当にそれは気をつけないと駄目だよ」とフィードバックを貰いました。
更に、東京に戻って上司にも話し、「お前ほんと、そういうとこあるから尚更気をつけて」とも言われました。
当時のそのタイミングでフィードバックを貰えたことも本当に有り難かった。一生忘れないと思います。

# 忘れられない面談 

## OKANの採用面談

候補者としての私は幸い、過去の私のような面接官に会ったことがなく(この人話聞く気ないなと思ったことはあった)、忘れられない選考体験はポジティブなことが多い気がします。

現職OKANで印象深いのは、一番は現PRマネージャーとの面談。 その時、質問された事は曖昧なんだけれども、確か
「手塚さんにとってのライフスタイルが豊かな状態って何なんですかね?」
 とか
「どうなることが公私共に理想ですか?」
とかそんな感じのことを聞かれたように思います。 

私は、「ご機嫌でありたいです」という回答をちょっと迷った後に、割と強気で言ったんですよね。 そしたらその人は、私とは目を一つも合わさずすっごいニヤニヤしながら「いいっすね。…いいっすね」って言ってました。ちょっと怖かった。 

でも、それ以上に、安心したことを覚えてます。安心したし、きっとこの会社はいい会社だなと思えました。 
多分なんですが、私を肯定したのがOKANとしてというより、その人の価値観として、ということを感じたからだと思います。スキルとか経歴とかではなく、自分の価値観や人間性が、受容されたから。
似たようなことを前職の選考フロー(面談ではなくジョブというものだったが)でも経験し、そこが決め手の一つになったことは、こう、もしかすると近しい事象なのかもしれません。

# 採用担当として心に留めておきたい

## 責任がある

SNSや口コミサイトも当たり前な今、レピュテーションリスク故に採用担当の方は候補者と相対することを真剣に考えないといけないと思います。
これは時代が変わったとか、窮屈になったとか、そういう類の話ではなくて、当たり前のことを当たり前にしないとね、という話です。

ポケットに手を突っ込んだまま話したり、圧迫や人格を否定する発言をしたり、 逆に忖度して伝えた方がお互い良いことも隠してしまったり。それらは本当にお互いの為にならない。
採用担当の責任は、間違いなく人の人生を左右していることについて負わないといけません。  

このことは採用担当の方の殆どが釈迦に説法でしょうから、もし気付いていない人の気付きになれば僥倖くらいに思います。

## 自由であった方がいい

ただ、採用担当は多少の俗人化も認められて然るものだとも思います。

候補者の方の本心や価値観について肯定するには、担当自らもその人間性についてオープンであることが必要になります。
そのような話をする可能性があるからこそ、その会社のバリューやミッションを自然体あるいは完璧に武装して体現している方を採用担当として置くということを、経営陣は怠っては駄目だと考えます。 

採用担当はその責任を忘れず、ゆえに生ずる候補者への敬意を持ってフラットに、そして会社やその人の人間性をオープンに話す。そういう、スキルも経験も何もいらないけれども、誰かに言われないと気付けない事象がある気がして、今回は筆をとりました。

『変に縮こまる必要はないんだな』という感想を持って頂ければ、とっても嬉しいです。あなたの何気ない一言や頷きが、ポジティブな意味で他人の人生を変えている可能性も、無きにしも非ずだと思うのです。

# 最後に

## 書いたのはこんな人です

株式会社OKAN という会社にいます。HRと労務領域を担当しています。

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## Twitterやってます

Twitter芸人は目指してないのですが、気取らない等身大のことを呟いてるつもりなので、興味が湧けば是非フォローください。


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