「思考停止が『悪意』を生む」DesignshipDoの学びシリーズ #4
# これはなに
こんにちは。手塚といいます。
私はいまDesignship Doという実践型のデザインスクールに参加していて、そこでの学びや忘れたくない感覚を毎週(毎週!)書きとどめておこうと思います。
講義の内容や資料を載せるというよりは、思考の発散をして、それを書いているメモ帳のようなものです。
※なので、このnoteに書いてあるのは全て一個人の意見であり公式の見解ではありません。正解も不正解もなく、「こう考えました」というものです。
# 7/22の内容
# 今回の気づき
#デザインにおける「ダークパターン」を知る
7/22の内容としては、消費者やユーザーの行動や意思決定までをコントロールしてしまう「ダークパターン」を学びました。そして、ダークパターンを社会や企業が産まないためには、何ができるか、何が必要かをディスカッションしました。
アメリカの大学による定義ですが、ダークパターンは大きく7つの分類に分けられています。メモ程度ですが関連するURLを載せておきます。
#思考停止が「悪意」を生む
ダークパターンを防ぐためには、何が必要なのでしょうか。
ディスカッションでは様々な意見が出ました。やはり企業全体で責任を負うことが大事というか、「誰が犯人!」、「誰だけが悪い!」ということではないのだと思います。
(個人的には、人事という立場を経験したこともあるのもあって、意味のないKPIや経営目標の罪は大きいという実感があります。みんな目標を達成したいと思ってくれるものですから。目標設定は本当に大事。)
その議論の中で思考停止であることも、ダークパターンを産んでしまう理由になるのではないかと考えました。
例えばA/Bテストの結果クリック率が高いバナーがあったとします。そのクリック率が高い理由はなんなのか。そこの思考が停止していると、やもするとダークパターンを生み出してしまう可能性があります。
例えば「よく分かんないけどこのタイマーがついてるバナーの方がパフォーマンスがいいぞ!」的な感じです。(極論です。)
そうなった場合、対策の一つとしては既出の「チェック機能を作る」ということになるでしょう。
しかしチェック機能を働かせるには「何をチェックすべきか」が明らかになっていなければなりません。つまりダークパターンが何かを知る必要があります。
さらに、ここが私は重要だと思いますが、ダークパターンは先に上がった7つの分類に限らない状況になりつつあります。メディアやデバイスも多様化し、もちろんデザインもそれに伴って拡がります。
そのため、先の7つの分類にとどまらず、新しい形のダークパターンも生まれるはずという見立てです。
そのような、シン・ダークパターンをチェックするために必要なのは「ダークパターンとは何か」という本質を理解することが大事です。
紋切りのチェック項目だけではきっと足りなくて、自社にとっての、社会にとっての、ユーザーにとっての悪意とは何かを、考え続ける必要があるのではないでしょうか。
これは余談ですが、自分は大学時代にずっと記憶や脳の研究をしていたこともあって、意思決定は簡単にコントロールされてしまうことを知っています。
(有名なところでいうと、ザイオンス効果やハロー効果などでしょうか。)
また、我々の意思決定はとても曖昧で、自由意志が存在するか否かも、まだまだ議論の余地があると思っています。
私が一番大好きな実験はベンジャミン・リベットによる「意思決定の直前、すでに脳は動いている」というものなのですが、彼の実験の総合的な解釈をすると、我々の行動や意思決定は脳の指令によるただの「結果」とも取れることを示しています。
ここで残しておきたいのは、思考停止以前に「知らないこと」が「悪意」を招くこともままあるだろうという話で、我々ユーザーもダークパターンの存在と、それに騙されてしまう、唆されてしまう自分自身を自覚することが、非倫理的な企業を淘汰していくことにも繋がるのだと思っています。
来週は「デザイナーのためのプロダクトマネジメント」。
プロダクト開発には1mmも携わったことがない自分ですが、いよいよ臨床っぽい話になってきたので胸が躍ります!
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