【社会人芸大生】興味はあるけど…という人へ。実際はこんな感じ
はじめに
こんにちは。新卒2年目で社会人芸大生になった伊塚ちひろです。
現在、京都芸術大学アートライティングコースに在籍しています。
この記事では、実際に入ってみて分かった「社会人芸大生活のリアル」をお届けします。
迷っている方や気になっている方の参考になれば幸いです!
ちなみに、なぜ社会人芸大生に?というマインド的なお話はこちらの記事に書いています。よろしければぜひ。
履修登録
ポータルサイトからシラバス(授業要項)を確認します。
必修科目をよく確認して、上から順番に取るもよし!好きなものから取るもよし!春期・夏期・秋期・冬期の4期制なので、受けたい授業がその時に開講しているのかも要チェックです。
ポータルサイトの履修管理ツールを使えば、今自分が何単位取っているのか・取る予定なのかも簡単に把握できます。
履修登録期間などはなく、動画視聴・レポート提出=履修開始と見なされる場合がほとんどです。
授業の進め方
必修授業は大まかに3パターンに分けられます(一般教養は除く)。
数としては①が一番多く、②③の順に少なくなります。
1科目で視聴する動画は2~3時間程度。
長く思えるかもしれませんが、細かくチャプター分けされているので毎日少しずつ進められます。
テキストは200~300ページぐらいのものが多いと思います。
ほとんどの場合web版テキストがありますが、ない場合は個人で購入する必要があります。
特徴的なのは②の「相互論評」でしょうか。
履修者がグループ分けされ、同じグループの方の作品を読んでコメントします。もちろん自分の作品についてもコメントされます。
後述しますが、この「相互論評」はとても良い経験になりました。
動画の視聴・テキストの通読が終われば、テーマを確認してレポート作成に取りかかります。提出は専用フォームから。ここが一番大変です……!!
締め切りと格闘しつつ、やっとの思いで課題を提出した後は少し休憩。
約1ヶ月後に評価が返ってきます。科目によっては点数だけでなく、個別の添削もあります。恐ろしさ半分・楽しみ半分で待ちましょう。
履修準備→授業準備→授業→課題提出→評価まで、本当に全てweb上で完結します!とっても便利。
想像以上だったこと
ここまではシステム面についてのお話でしたが、ここからは実際にどう感じたのかをお話します。まずは「想像以上に良かった」ことについて。
たくさんの芸術作品と出会える
地域・年代ごとに芸術史を学ぶ科目では、これまで触れてこなかった地域の作品に出会うことができました。
あまり興味のなかった分野の作品でも、動画やテキストで背景知識を身につけると見方が変わったり……。
入学する前は本などで自主学習しようかとも思っていました。が、やはり考えられた授業を受けるメリットは想像以上に大きかったです。
美とは?表現とは?芸術の本質まで迫れる
芸術史についてだけでなく、「美」や「表現」に対して人間がどう向き合ってきたか、という事まで深く考えられます。
単に自分で画集を読んでいるだけでは思い至れないような、新たな視点に気付くことができます。
相互論評、ためになる
前述した通り、科目によっては相互論評があります。
同じテーマでも人によってアプローチが全く違っていて、とても面白いです。自分では気付きにくい文章のクセを他の方との比較で発見することもできます。人の文章を批評する・自分の文章が批評されるという貴重な体験ができます。褒められると本当に嬉しい。
想定外だったこと
もちろん、良かったことばかりではありません。
続いては「想定外にしんどかったこと」について。
「書く」下地が整っていないと厳しい
レポートや論文を書いたことがなければ、最初は少し苦労すると思います。
学術的な書き物には様々なルールがあり、一種の「型」のようなものがあります。私の場合は四年制大学時代にそこそこの量のレポートを書き、論文を読んだ経験があったので比較的スムーズに取り組めました。が、これまでレポートを書いたことがない人は、まずは書く前にそのあたりの知識が必要だと思います。もちろん、それを教えてくれる授業もありますが、慣れるまでは少し時間がかかると思います。
よし、レポートを書くぞ!よりも前段階の知識が必要とされるのは、少し想定外でした。
最難関 : 資料集め(地方住みは特に)
一番苦労するのがレポートのための資料集めです。四年制大学時代は大学図書館がありましたし、学内から論文にアクセスできたのでそこまで資料集めに苦労しませんでした。
が、社会人大学生にキャンパスまで定期的に行く時間はありません。仕方がないので住んでいる自治体の図書館を調べますが、ニッチなテーマであればあるほど蔵書が少ない……。(ちなみに、瓜生山キャンパスの図書館なら様々な芸術関連の蔵書があります。画集や雑誌も豊富!もう少し近ければなぁ)
幸い私は隣県で働いているので、別の自治体(都会)の図書館も利用できます。そちらの方が資料数が圧倒的に多いので、よくお世話になっています。
ただ実際に本を手にとって吟味する時間はありません(そもそも開架にない)。
タイトルで判断してオンライン予約→土日に取りに行く→思ってたんと違う→別の図書館でオンライン予約(2回目)→……のループを繰り返すこともあります(もちろんCiNiiなども利用しますが、どのみち掲載誌を探すことが多いです)。
良いレポートには良い資料選びが必要不可欠です。
ここを妥協すると妥協したレポートしかできないので頑張りますが、この大変さは想定外でした。
ただ、少し足を延ばしていろんな図書館に行ったり、レファレンスサービスを使ってみたりと、なんだかんだ良い経験ができているのかもな、とも思います。
おわりに
いかがでしたか?
入学後の生活について、少しでも具体的にイメージできていれば幸いです!
私は今年で3回生になりますが、日々「ここで考えなければいつ考えるんだろう?」というような事を学んでいます!
時に、頭を掻きむしりたくなるほど文章が浮かばないこともあります。なぜ休日にこんな苦しんでるんだ……?と思うこともあります。
しかし、その苦しみこそ「学ぶ」醍醐味です。
ただ本を読むだけなら入学せずともできますが、理解する→考える→書くというプロセスを経て、一層身につくものがあると感じています。
全てが自分次第のオンライン学習。
楽しいこと、苦しいこと、全部まとめて面白い!と思える学生生活、してみませんか?
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