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どん底は人を強くする

「どん底だ」と思った瞬間がありました。

初めての起業。
全てを注ぎ込んだ事業が立ちいかなくなった。
事業資金が底をつき、「もう、外に働きに行くしかない」と認めた瞬間、
それまでの人生で感じたことのない悔しさが突き上がりました。

歯を食いしばり、拳を握りしめ、体を折ってうめくように泣きました。

本当に情けなかった。
悔しかった。
けれど、胸を抉るような強い感情に、「それほどまでに自分は本気だったんだな」と思いました。

当時は分かりませんでしたが、今なら言えることがあります。

あのタイミングは、選ばれていました。

事業停止の数年前、私はまともな心を持っていませんでした。
けれどまともな人間になるために心を学び、実践し、「追い込まれた時ほど人を想え」と徹底していました。
だからその絶望的な状況でも、心には感謝が育っていました。

また、それまでの歩みを知っている恩師や尊敬する方々に信頼していただけるようになっていました。
そして応援していただく中で、
成功者ほど「魚の釣り方を教える」ことに徹底すると教えてくれました。

若い頃の病気で壊しまくった体も、事業のために整え、
セルフコントロールできる習慣と、
健康・心・人脈・信頼の土台が整ったところで資金が尽きたのです。

よく見たら、なくなったのは資金だけ。

私の手には、数年かけて作った全てのものが残っていました。

その上で、追い込まれたことでそれまで使えなかった力、できなかった選択ができるようになりました。
0ベースで物事を見られるようになったのです。
真っ暗闇の中、明らかに光が強まっていくのを感じていました。

そして、これまで得た資源を全て持ち、学び続け、目標に向かって準備し続けたら…
3年後、「絶対叶う」と思いました。

資金繰りで悩みが当たり前になっていた自分の脳に、初めて勝ったのです。

全ては準備でした。
まるで大いなる何かが、自分の準備が整うのを待ってくれていたようでした。

あの経験がなければ、今の私はありません。
今振り返っても、あの時得た最大の資産は、胸を抉るほどの強い「悔しさ」です。
自分のリミッターを外してくれました。

おかげで今では、「全ては良くなるために起きる」と、心から信じています。
自分が這い上がってきたからこそ、人の可能性を信じ、「あなたはできる」と伝えられるようになりました。
これが私の信念です。

誰も、何も諦めなくていい。
世界は優しいのですから。


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