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育休2・3か月目~奥ゆかしいパパたちの距離感~

次男の誕生から1か月以上が経過。

妻は産後のダメージからほぼ回復し、洗濯物を干したり皿洗いをしたり、積極的に家事を分担してくれるようになった。

また次男は次男で「2人目は手がかからない」と言うが、まさにそれ。家事をしているちょっとくらいの時間であればリビングに放置してもグズらないし、お腹が空いたらクネクネと控えめに身をよじらせておしえてくれる。

さらに夜泣きしないどころか、授乳してすーっとベッドに置いてあげれば「オート入眠システム」が作動したが如く、勝手にすやすやと寝てしまう。背中スイッチよ、どこへいった。

「この子は神なの??」が、妻との間の流行語である。

人生2周目くらいの貫禄

次男は日頃から怪獣のように動き回る長男を見て、「僕のでる幕じゃないか~」と自然と引きどころを学んだのだろうか。
はたまた私と妻も子育てが2周目に入り、大抵のことは経験済みで慣れてきた分、そう感じるのかも知れない。

悩みといえば、完全母乳で育てているため「哺乳瓶拒否」されてしまうことくらいだ。(いずれ記事を書こうと思う)

おかげで家事育児に追われることもなく、育休生活にもだいぶ余裕が生まれてきた。一見するとストレスフリーで贅沢な育児環境なのだが、私自身はモヤモヤとした感情を抱いている。

言い知れぬ孤独を感じるようになったのだ。

当然だが、育休を取得したことで会社に行かなくなり、行動範囲が極端に狭まって自宅周辺に限られるようになった。妻と2歳の長男以外で日常的に言葉を交わすのは、保育園の先生や保護者くらい。

しかも、毎日のように顔を合わせているパパ同士でさえ挨拶を交わすだけで、ほとんど言葉のラリーがないのだ。

こちらの動画をご覧いただきたい。


「よく見かけるのになぜか喋らない」
「初めましてでもないけど知り合いでもない」
「パパ同士なのにどこか気まずい」

…すべて同意!!!

ママ同士は、会えば「あっおはよう!今日の○○ちゃんの服かわいいねー」なんて自然と会話が弾んでいくのに、なぜかパパ同士だとそうはならない。「きょう寒いですね」と教科書通りに天気の話題でも切り出せば良いのに、なんとも表現しがたい”奥ゆかしい”距離感がそれを阻む。(仲が良いパパ同士もいるけど)

自分から頑張って話しかけてみればいいじゃん。と、思いますよね?
そうなんですよ。自分でも思います。

ただ私は育休中の身。子どもを送った後、そのままスーツ姿で慌ただしく職場へと向かっていくパパたちに余計な負担をかけちゃマズイかなと。
「無理して話しかけてこないでよ」「保育園でそこまでの関係性を求めてませんけど」って思われるかな…なんて考えてしまう。

もっぱら関心事は、子供のことを中心に半径5m以内で起きていることばかりなのに、ホットな話題(死語)をパパ目線ですぐに共有できる人が周りにほとんどいないのだ。

子供の靴って一瞬で汚れますよねー、とか

今の時代、ちょっとスマホをのぞけばSNSやまとめサイトで、解決策や会話の相手は見つけられるだろう。しかし生身の人間である以上、面と向かい、吐き出し、共感し、熱を分け合う過程が欲しい。(←昭和人間か)

一番近くに妻はいる。いるにはいるけど、妻は1人目の育休取得時から自分の生活ペースを確固たるものとしていて、夫なんぞがいなくても充分に楽しめる術をすでに身に着けていた。

「ママ友」同士で子連れランチやお茶会をしたり、LINEグループを作って情報交換したり。また義母や義姉と仲が良く、いつでも子育てについて相談できる。特に用事がなくても一日に何度も電話をかけ、「あのお菓子おいしかったー?」などとどうでもいい他愛もない会話でキャッキャ、キャッキャと笑っている。程よく夫への不満も吐き出し、発散できているだろう。

妻の場合は「ママコミュニティ」が整っていると言える。それに比べれば「パパコミュニティ」は脆弱だ。

この機会に自分が住む自治体のパパ支援を調べてみた。

おむつ替えや抱っこの仕方をレクチャーしている講座が定期的に開かれている。近所の児童館には悩み事があれば聞いてくれる職員たちも常駐しているようだ。大変ありがたい施策だし、今後は利用することも考えたいが、私は保育園のパパたちでさえまともに話しかけられない類の人間だ。初めましての人が集まる場だと、なんとも腰が重いのも事実。

ちなみに妻の産後1か月のタイミングでは、担当の助産師さんがわざわざ自宅まで来て「赤ちゃん訪問」もしてくれた。

ただ質問は妻に集中。私の役割は妻の横でうんうんと頷くことと、おもてなしのコーヒーを淹れることだけ。私への質問はゼロ。第一に産後の妻をケアすべきなのは理解している。しかし赤ちゃんの発育や経過についても、一向に私には話が振られない。

助産師さんは職を全うしているだけで何も悪くないのだが、私は1時間も隣席していたにも関わらず「いないもの」として扱われた。寂しかったなー。うん。

実は国立研究機関のデータを見ると、父親も産前・産後のうつ病の発症率が約10%前後もあるという。母親と同様に、父親も「産後うつ」になり得るのだ。出産の経験があるわけでもないのに。

要因は様々で、その一つが「社会からのサポートが弱いこと」だという。

私はまだ恵まれた育児環境にいるから良い。中には子供ができてから生活がガラッと変わり、逃げ場がないまま一人ですべてを抱え、つらい想いをしているパパがいるかもしれない。

自治体の支援に、産後のパパもケアするという視点が必要なのかもしれない。


「遊びに行ってきなよ」

私の場合、夫のモヤモヤを察した妻からの一言で時間の使い方を見直した。

六本木で元同僚たちと子連れランチ


育児の合間をみて、筋トレや草野球をしたり、ラーメンを食べに行ったり、会いたい!話したい!と思った人に連絡して自宅まで押しかけたり。

ある後輩アナウンサーに「菅原さんが寂しくて手当たり次第に連絡してるらしいよ」と、よからぬ噂を流されたりしたけれど(苦笑)

育休が始まってから控えていたことを少しずつ再開させていった。

縁あって参加した地域のソフトボール大会では、子供が同じ保育園に通うパパと知り合うこともできた。今後、パパたちとの交流が広がるきっかけになるかもしれない。

育休中だからといって、修行僧のように家庭に専念する必要はないのだ。きちんと妻の了解をとりつつ、妻の1人の時間も尊重すれば良い。

本来あるべき育休生活のリズムがようやく掴めてきた気がする。


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