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育休1ヶ月目~パパが主力選手になれれば怖くない~

「2歳差育児は地獄だよ!」

先輩パパ&ママから事あるごとに脅されてきた。ただでさえ、上の子が2歳だと「魔のイヤイヤ期」真っ只中で手がかかる。そこへ突然、新たな家族が加わると「赤ちゃん返り」が顔を出す。それはそれはカオスな状況になると…。

戦々恐々としていたが、せっかく1年も育休を取得しているのだ。私が車輪の軸となり、産後の妻が回復するまでなるべく負担をかけずに乗り切りたい。

まず考えたのは役割分担だ。家族4人での生活がスタートするにあたり、夫婦で育児の担当をざっくりと分けた。

「パパは長男、ママは次男」

その方が「完全母乳」を望んでいる妻が次男に集中できるだろうと考えた。私の乳房から栄養たっぷりの「お乳」が出れば話は別だが、いくら試しても出ないものは出ない(試したんかい)。

もちろん家事全般は私が行う。細々としたことは妻の助けを借りるとしても、料理などの最低限の家事スキルは磨いてきたつもりだ。


育児と家事の応酬


いざ、2歳差育児が始まった。

たしかに”やばい”。これは絶対にワンオペでは回らない。待っていたのは途切れない、マラソンのような1日だった。

こちらは、私のとある日のスケジュール。


6時   起床、朝食、登園準備、ゴミ出し、家遊び
8時半  保育園送り
9時半  掃除、洗濯
11時半 昼食づくり
12時  昼食
13時半 スーパーで買い物
15時  自由時間
16時  保育園お迎え、外遊び
17時半 家遊び、夕食づくり
18時半 夕食
19時半 沐浴(次男)、風呂(長男)、寝かしつけ
21時半 食器洗い後→自由時間
23時  就寝

ざっと「名のある家事」を列挙しただけでもスケジュールがパンパンだ。他にもお風呂を洗ったり、保育園の連絡帳を書いたり、翌日の持ち物を整理したり。細々と動いている。

特に長男は動きたい盛り。保育園に預けている時間以外は相手をしてあげないとすぐにグズる。まとまったスキマ時間がなかなかとれないのだ。

赤ちゃんの沐浴もパパの仕事

さらに合間で次男のおむつ替えもしている。「えっ、もうパンパンじゃん?さっき替えたばっかりなのに…」と、短いときには30分~1時間に1回。1日に12~13回もおむつ替えをしなければならなかった。

しかもベビーはよく漏らす。アレを。おむつの隙間からぶりぶりと。深夜に漏れようものなら布団の上は大惨事。

妻の「ちょっといい?」の声には、深い眠りの底から体感1秒で起き上がり、シーツを洗い、着替えさせ、ベッドを整える。長男を起こさないよう薄明りの中。なんてことが何度もあった。

幸いにも「完全母乳」のため、私が粉ミルクをあげる必要はない。夜中もすべて妻の授乳。おかげで基本的にはまとまった睡眠がとれた。これには本当に感謝している。(代わりに妻には8~9時まで寝てもらった)

最大の鬼門は寝かしつけ


なかでも苦労したのは寝かしつけ。長男の「ママをとられまい」という弟へのジェラシーがあるからだ。

日中は「赤ちゃんかわいいねー」と弟を可愛がっている長男も就寝前だけは別。寝かしつけのためにママが次男におっぱいをあげていると、「だめー!ママはこっちーーーーー!!!」と授乳を邪魔してくる。寝かしつけのタイミングは兄弟でずらさなければならない。

また次男の寝かしつけに成功しても、すぐに長男を寝室に連れていくと「ママー!」と騒ぎ、その声で次男が起きてしまう。ママと長男を寝室で鉢合わせないことも重要だ。

そこで妻と作戦会議を開き、寝かしつけまでの流れを以下のように見直した。

①ママが次男を寝室で授乳&寝かしつけ
②その間、パパが長男とお風呂→リビングに移動して歯磨き&スタンバイ
③ママ「寝かしつけに成功」などとメッセージ→寝室から浴室へ
④パパが寝室で長男を寝かしつけ

夜な夜なこんなやりとりしてます

これが大成功。長男も次男もぐっすり寝てくれるようになり、夫婦の自由時間が以前よりも増えた。

縮まった子どもとの距離

最大の喜びは子どもとの時間が格段に増えたことだ。育休前は土日に生放送の出演があったため、保育園がお休みなのに遠出できず。後ろ髪を引かれる想いで六本木へと向かっていた。

育休をとってからは毎週、公園でも動物園でも博物館でも「行きたい!」のリクエストに応えてあげられる。子どもの好奇心に溢れたキラキラした瞳を見ると、「今度はどこに連れていっちゃおうかなーー!!」と嬉しくなってしまう。

カップルみたい


ヒゲおじさんヘトヘト

何より私自身の変化として、子どもをゆっくりじっくり待ってあげられる余裕が持てるようになった。

例えば朝の登園も、出勤が控えていると「早く早くー」とどうしても先を急いでしまう。子どもが道端で「これなにー?」と何か興味を持っても、足を止めて「これはね」と答えてあげられなかった。

今は違う。流してしまいがちな小さな小さな興味の種を拾ってあげられる。道端の植物、そこにとまる虫、雲が浮かぶ青空、夏の強い日差し、のそのそ歩く野良猫、エンジン音のする車、何でもない路面の凹凸、すれ違う人。

あらゆるものに興味が向く。新しい発見だった。

「これはなにー?(花の名前は?)」「えっとこれは…」


すると、明らかに長男の私に対する接し方が変わった。これまでは寝かしつけや入浴、歯磨き、登園さえも「ママがいいー!」とパパを拒否することが度々あった。

しかし自分から「パパおねがい!」などと言ってくる回数が増えたのだ。心の距離がグッと近くなったような気がする。

抱っこしたままお昼寝

真剣にかつ誠実に向き合えば、自然と心を通わせてくれる。信頼関係を築く過程は大人と同じ。いや大人以上に子どもは正直かもしれない。

子育てもチームプレー


前述のように子どもの寝かしつけが上手くいき、ここまで大きな問題もなく家庭が回ってきたのは、子どもにとって何が最善なのか夫婦で話し合いを続けてきたからだ。まさにチームプレーの賜物だと思っている。

子育てが仕事と明確に違うのは、子ども相手だと常に想定外の連続で、まず自分のペースで効率的に動けない。どこかで気を張り続けている。疲労の種類がなんだか違い、じわじわと水面下で溜まり続けている感覚だ。

これを毎日毎日、報酬もなく、誰からも褒められず、当たり前にこなさなければいけないとなると心身ともに堪える。ましてや、産後のダメージが残る妻1人に押しつけるなんて私にはできない。

少なくとも産後1ヶ月間は夫が主力選手として活躍できるよう、おおよその家事・育児スキルを前もって身につけておきたい。そして最後の最後、どうしても助けが必要なところで「代打の切り札」妻の力を借りるのが、あるべきチームの姿なのかもしれない。

そうすれば断言できる。「決して地獄じゃない」と。

アッという間に1か月が過ぎてしまうほど、てんやわんやの日々だが、子どもに寄り添える時間は何事にも代えがたい。幸せだ。



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