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敬語を忘れておどろく

2019.4.27

夫を職場まで送り届ける。

ガソリンメーターがギリギリだったので、ちょっぴりドキドキしながらもまずはマツキヨで買い物を済ませる。ここはミルク缶が安い。2缶ケースを一旦カゴに入れ、その後おしりふきのオマケがついた2缶セットを発見したので入れ替える。

小売業のとき痛感したことだが、こういうオマケ付きの商品はレジでおすすめする(もしくは売り場から持ってくる)ことに越したことはない。キャンペーン前から並んでいる商品には当然オマケはついていないわけだが、それをうっかりお客さんが持ってきたのをスルーしてしまうと、あとでクレームが来る。わたしもさすがに「なんでオマケつきの方を勧めてくれないのよ!」と憤慨するまでには至らないが、少々がっかりしてしまうことは確かだ。夕方ぐらいにふと、おしりふき貰っとけば良かったな、と思い出す程度には。1袋でもあった方が助かるものね…。

レジではにこやかなお姉さんが対応してくれ、粉ミルクの試供品をくれた。かれこれ3本目くらいになるが、有難く受け取った。猫のトイレの砂なども買ってしまったため、結構な重さになった。

朝の時点でこの買い物量だと、ほぼ1日が終わったも同然な気持ちになった。

そういえばガソリンがなくなりそうだったことを思い出し、あわててスタンドへ向かう。着いたのはセルフのお店だった。万札しかなかったので、ひとまず投入。満タンを選択し、ノズルを給油口に差し込みダーッとガソリンを流し込む。

言葉の影響はおそろしいもので、幼少の頃、母親から「ガソリンは車のごはんだからね。美味しい美味しいって言ってるよ〜」と聞かされ続けて以来、給油(特にセルフは)楽しい時間となっている。ノズルのトリガーを引いた時にガソリンがダーッと出てくる振動もなんか好きだし、本当に車に餌付けをしているかのような気持ちになる。ボーッと注入していたら、トリガーがバツンッと戻った。満タンになったかな、と思いきやなんだかまだいけそうな感じである。再びトリガーを引くとダッと出てすぐバツンッと戻った。それをなんとなく2回ほど繰り返したが、ドバッとあふれてきたら怖いなぁと思ってやめた。ノズルを給油口から離して中を覗くと、透明なガソリンが流れていくのが見えたのでおののいた。エンジン点けたら爆発しやしないだろうかと心配になったが大丈夫だった。おつりをもらおうとレシートを持って精算機のところへ行き、慣れてる人っぽくレシートを入れようとしたが向きが逆だったのでちょっぴりワタワタした。

ゴールデンウィーク前だということもあり、銀行の用事を済ませたかったので寄り道をする。家計にはまぁまぁな打撃だったが、身の回りの精算をするとなんだか身体が軽くなったような気がした。買い物も銀行関係も済ませたので、達成感は十分だ。あとは寝るだけである。

家に帰り、おとなしくしていた子にお礼を言ってソファに寝かせる。寝返り落下を防ぐためのバリケードをしてから部屋の掃除をした。なんとなく、この日は家事に身が入る。理由は、買い物と支払い関係を済ませたので身体があったまっているから、ということだけではなさそうだ。

家族の喜ぶ顔が見たいなぁという、謎の慈愛が含まれているのである。ふだんより濃厚なのだ。手つきもなんだか丁寧だ。我ながらどういう心境の変化だろう。昨日の夫が話した「もしも離別」の話が原因だとしたら、彼はやはり相当な策士である。わたしはとっても単純なので、家事へのモチベーションが下がったときはまた話してもらいたいものである。

慈愛モードが抜けきらないまま、猫にチュールを与えてみた。ちがう階にいても、封を切っただけで駆け寄ってくる。おそろしい魔力である。あえて子から見える場所で、食べているようすがわかるようにしていたのだが、

なんと笑っていたのだ。子が。

一心不乱にチュールをべろべろ舐める猫のようすが面白かったのだろうか、ケタケタと声をあげている。わたしたちから笑わせられるのではなく、能動的に笑っているかのような、いつもとはちがう感覚だった。こうやって好きなツボをつくっていくんだなぁとおもった。

お昼ごはんをお義母さんと食べた。サラダとピザを、おしゃべりしながら平らげる。子はこの日、鶏肉ペーストの離乳食にチャレンジしたが、嫌な顔せずパクパクと食べていた。昨日ベースで買ったスタイのサイズがやや大きく、首まわりに隙間ができていた。お義母さんに、マジックテープつけなおしてあげるからちょっと貸してといわれたので3、4枚預けた。

その後、わたしが洗い物を終えるより早くスタイのサイズ直しが終わった。「はっやっ!」と敬語を忘れて驚いた。

のんびりしつつ、さきほどの、子が猫に笑顔を向けた話をすると、とっても驚いた良いリアクションが帰ってきた。ちなみにわたしの夫の幼少期は、お義母さんがあれこれしても笑わなかったのに、義兄さんがやることなすこと全てに笑っていたらしい。

なんだそのかわいい兄弟。尊みが深い。

その数年後、身長も体格も弟が追い越すのがたまらなくイイ。わたしに絵心があったなら、オリジナルで1冊創れそうである。

自室に戻り、チョコミントアイスを食べ、子に読み聞かせをする。子がうとうとと眠ってしまったので、わたしもちょっと休憩しようと添い寝をしたらそのまま18時近くまで眠ってしまった。「ちょっと休憩」の方法として、添い寝はダメだな、と改めて痛感した。

夜は、夫が帰ってくるまでアニメ「からくりサーカス」を一気観していた。途中で寝ていた子が目を覚ましたが、泣き声が弱々しい「フェーン」だったので、小声で「フェーン現象だね」と返しといた。

夫が帰ってきた。友人から家まで送ってもらったようだ。夜道を一人で歩くような危ないことにならなくて良かった。ありがたい。なぜか劇団ひとりみたいなボリューミーな髪型になっていた。

そろそろ髪を切ってもらわねばなとおもった。


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