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マキタの現場用スピーカーはかわいい

2019.5.5

木々は時間とともに、もくもくと空と海を覆い隠してしまう。

ふつうは、これをどうにかしてやろうなんて大それたことは、なかなか思いつかないことなのだが。

✳︎

夫がまた、あごだしイタリアンスープを仕込んでくれていた。彼はこうやって定期的にわたしに好物を与えてくれる。本当に心からテンションが上がる。ただし、けっこう量が多い。今回もざっとみた感じ、6リットルぐらいだろうか。麺を投入すれば、ラーメンが軽く10杯は食べられそうだ。

こんなときわが家では、韓国のサリ麺を使う。鍋用だということで、伸びに強くコシがあり、スープと絡みやすいのだ。わたしは1袋、夫は2袋、麺を消費した。溶けるチーズを入れて、タバスコを振りかければまさにイタリアンなラーメンだ。本家に勝るとも劣らない美味である。

食事の後、オドモテレビと山田孝之の植物に学ぶ生存戦略を観る。山田孝之の変態性は先天的なものじゃないかと思う。美しい変態である。

ぼやっとした気持ちになりそうになっていたそのとき、夫が木を切る、といった。自宅前の木が伸びに伸びてしまい、せっかくの景観を徐々に覆い隠してしまっているのだ。こうしてタイミングを見てはちょいちょい切り進めているものの、視界が晴れるにはまだ程遠い。人一人ではかなり骨が折れるだろうし、万が一なにかあっても怖いので、夫からその発言があったときはいつも引き止めるところから入るのだが、たいてい突破されてしまう。とにかく木を切りたい彼を止めることはできないのだ。

ゆるやかな斜面ではあるけど、決して良いとは言えない足場に立ち、ノコギリでガスガス木を切っていく夫。

業者さんのようである。夫を見守りつつ、子が泣いたら部屋に戻りつつを繰り返した。

順調に切り進めていったところで、夫はチェーンソーのエンジンをかけ始めた。が、いつまでもかからず、空回りしている。どうやら故障してしまったようだ。せっかく木こりモードで燃え上がっている頃合いだったのに、さぞがっかりしただろう。夫は志半ばで作業を終わらせ、ゼィゼィ言いながら戻ってきた。頑張りを称えその無念さに共感を示しつつ、ナフコへ行こうと提案する。少し休憩を取ってから行こう、ということになった。

ナフコへチェーンソーを持っていったところ、とりあえずメーカー送りになった。ここで働いてわかったことだが、泥と錆にまみれた刈り払い機をレシートなしでおじいちゃんが持ってきて「一週間で壊れたからどうにかして」と言ってくる世界である。スタッフの男性も、特にレシートや保証書のチェックをすることもなく確認作業から入っていった。一種のあきらめなのかはわからない。

その後、マキタのインパクトドライバーや現場用スピーカーを手に取ったり、音楽を流したりしてはしゃいだ。ホームセンター、だいたいのものが試運転オッケーだとしたら、それはとても素敵なテーマパークと同じぐらい魅力的だとおもう。そんなホームセンターがあったらいいなとおもう。

おでかけから帰ってきて、子をチャイルドシートから抱きかかえると汗でぐっしょりだった。服を脱がせて体を拭いてから着替えさせる。後頭部がなにやら嗅ぎ覚えのある香りがしたので、なんだろうと考えてみたが、やきいもの香りだった。


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