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車椅子ユーザーJリーグ観戦記【鹿島アントラーズ/カシマサッカースタジアム】

【最終観戦2023年2月】

公共交通機関を使っての観戦が私の基本姿勢(自家用車所有してないので)。
現在千葉県在住の川崎フロンターレサポーターの私は、ホーム等々力観戦が毎回プチ遠征なのですが、通勤や通院で電車を使う他に観戦で電車を利用する機会が増えて行くようになって、一度諦めた「旅」をまた楽しめるようになってきました。
勿論体力は落ちていますし、病気の進行は現状維持で食い止めてるけどまぁ緩やかに出来ない事は増えていくので、「体力の限界を超えない程度」を常に探りながら、それでも今のうちにやれる事はやっておきたい。
そんなモチベーションで、アウェイ遠征にも少しずつチャレンジしてきました。

鹿島アントラーズのホーム「カシマサッカースタジアム」は、行ってみたいけどざっくり考えて、ナイターならどう考えてもその日のうちに帰ってこれそうにないし、デイゲームだと逆に朝が早すぎて難しい。
真夏は体力的に無理なのでそこも外すとなると、「近いけど行ける気がしない」スタジアムのひとつでした。
鹿島サポーターの車椅子ユーザーから、「スタジアムは最高ですよ!」という声を聞いていたので、いつか一度は行ってみたいという思いはありました。

2023年の試合日程が発表され、早速手帳に詳細を書き込んでいき、行けそうなアウェイを探そうと見返すと、鹿島戦16時キックオフというのに気づきました。
試合終了が18時なら、その日のうちに帰って来れるんじゃ?コレはイケるかも知れない!
急にやる気が出て、経路を詳しく調べてみる事にしました。

最寄り駅迄の電車事情

電車だと千葉回りと水戸回りの2つの経路があります。
鹿島アントラーズサイトを見ると、

千葉周り 東京ー千葉ー成田ー佐原ー鹿島神宮ーカシマサッカースタジアム駅
水戸回り 東京ー水戸ーカシマサッカースタジアム駅

車椅子ユーザーは、電車の乗降時にスロープをつけて貰うサポートを受ける必要があります。
乗換え回数が増える程、サポートを受けなければならない回数が増えて、最速の電車に乗れるとは限らない為に移動時間がどんどん長くなっていくので、乗換え数は少ない方が時間が読めるし、心理的負担が減って良いんです。
乗換え回数を見て軽く目眩がしたけど、先ずは各駅のバリアフリー情報をチェック。
水戸駅、佐原駅迄はエレベーターもあり、多目的トイレも完備されていました。

カシマサッカースタジアム駅はエレベーターなし。おお。
鹿島神宮駅もエレベーターなし。え?ここも?

ではエスカルやリフトはあるのかなともう少し調べると、

カシマサッカースタジアム駅は【人力】。
鹿島神宮駅は【雨天使えないリフトはある】。

人力は担ぐ駅員さんも大変なら、担がれる車椅子ユーザーも相当怖いので、出来る事なら避けたい奴です。
雨天使えないリフトというのは多分、ジュースなどの箱を積んで階段を移動してるリフトを見かけた事あると思うんですが、あれの大きいバージョンかなと。サポートする側で使った事があります。
いずれにせよ「雨天時使えない」なら、計画を立てられないのでこりゃ無理だなぁ。

鹿島迄電車で行く友人に聞いたら、「佐原駅でも水戸駅でも乗り切れず乗り残しが出るほど混むから、車椅子での利用はオススメしない」とのアドバイス。
鹿島神宮駅とカシマサッカースタジアム駅迄電車で行くのは無理という結論。

車椅子ユーザーが電車でカシマサッカースタジアムを目指すなら、
佐原駅か水戸駅迄が限界でしょう。

バスでカシマサッカースタジアムを目指すには

では、バス便はどうなのか?

高速バス 東京駅ーカシマサッカースタジアム
高速バス 東京テレポートー鹿島神宮駅
シャトルバス 勝田駅ー水戸駅ーカシマサッカースタジアム
ツアーバス 佐原駅ーカシマサッカースタジアム

調べたらコレくらいの手段がありました。
残念ながら全て観光バスタイプで、このバスを利用するには

・車椅子が畳める(荷物室に預ける)
・5段位のステップの登り降りがある

という簡単ではない壁が生じます。
畳めないタイプの車椅子を積む事は物理的に不可能なので、

畳めない車椅子利用者は、自家用車じゃないとカシマサッカースタジアムには行けない

という事になります。
5段位のステップの登り降りは、事前に問い合わせたら「お手伝いします」との事でした。私の車椅子は畳める!まだ可能性はあるぞ!

上記の中で鹿島神宮駅行きがひとつ紛れていますよね。
なんで入れたかというと、リフト付きバスをこの路線に導入したというネット記事が沢山ヒットしたからなんです。
リフト付きバス!パラリンピックの時、「こんなにいっぱいあるの?普段殆ど見た事ないし、なんなら乗った事ないけど!」って心の声がダダ漏れしたアレに、乗れるチャンス到来かも知れない!うひょうー!
ただ導入したのは1台だけなので、どの時間に運行しているかわからない。
タイミングが合うなら乗ってみたいので問い合わせてみました。

「よっぽどの事がないと運行していないんですよ」

ええ、ああやっぱり?うんソウデスヨネー。
でも、この路線ならカシマ戦合わせでの運行であれば「よっぽど」な事でカウントできそうな気がするんだけどなぁ。車って使わないと劣化しちゃうじゃないですか?
カシマ戦合わせで運行する事で、性能維持も出来るんじゃないかなーって思うけど、まぁ色々難しい事情もあるんでしょうね。勿体ない気がするけどね。

なので残りは3つ。
佐原ーカシマサッカースタジアムのバスはツアー扱いなので、利用予約が前日までに最低催行人数以下だと運行しない縛りがあるので、ハイコレも無理ー。

残りは2つ。
千葉から行くのに水戸回りにする必要ある?っていう事で、東京ーカシマスタジアムの高速バス一択でした。凄いな。コレしかないのか。
まぁコレで腹は決まったので、次はスタジアム回りの動線をチェックに進みます。

カシマスタジアム周辺バリアフリー事情

さて、高速バスでカシマサッカースタジアム迄行くことにしたので、バス停がどこにあるかを確認します。
鹿島アントラーズの公式HPによると、スタジアム寄りにバス停がある案内が出ていましたが、バス会社が乗せている案内には違う表記が案内されていました。

おや?バス停はスタジアム沿いにあるっぽいし、ここにあれば問題なさそうだけど、高速バスのバス停は駅の向こうだぞ?
スタジアム沿いは路線バスのバス停という事?
バス会社に問合せてみました。

スタジアム沿いバス停 高速バス自由席
駅向こうのバス停   高速バス指定席

な、なるほど。そうかー。
車椅子旅で行き当たりばったりは無茶過ぎるので、指定席確保は必須。
駅を越える…のね。
そこからカシマスタジアム駅周辺を調べ始めます。
駅構内にエレベーターがないのは既に調べ済み。
構内にないのに駅外にエレベーターがあるってそんなトリッキーな事あるわけないので、スロープがあるかを調べると、それはあった。セーフ。
でもどの画像を見ても、スロープがギリ無理っぽい。
自力で上がり降りはコレは無理そう。距離も相当長いし。
他は平坦で特に問題なさそうでしたが、私の車椅子ではここで絶対介助が必要だなと判断しました。

なので、普段等々力で会うサポーター仲間で遠征しそうな友人何人かに、現地待ち合わせ現地解散で大丈夫なので、駅を越える歩道橋のスロープで車椅子がウイリーしない様に支えて貰えないかとお願いして、快諾してくれた人に今回介助をお願いして、一緒に観戦する事にしました。

ここでやっとカシマアントラーズ戦チケットの一般販売日を迎えます。
観戦チケットが取れなければここまでの下調べは全部無駄。
介助をお願いする人がチケットを既に持っていれば試合は別途観て、必要経路だけサポートをお願いするっていう方法もあって、かつて埼玉スタジアムから浦和美園駅迄の混み合う道路部分だけ、一緒に移動をお願いした事もあるので、協力してくれる人がいればこういうのも全然アリだと思いますが、今回は車椅子席がご褒美席である事は知ってたので、私のチケットが取れればコチラで観ませんか?とお誘いして、コレも快諾頂いていました。チケットダブるとリセールかけなきゃいけないもんねー。

チケットの一般販売前に一度チームにもメールで、チケットが取れた後何か手続きが必要かどうかを問合せてありました。
障害の程度は多様で必要なサポートも十人十色なので、観戦に行く際には色々な情報を提示する必要があったりします。
お互い情報を共有する事で、何か起きた時のサポートもしやすくなります。こういう「保険」をかけておく事は大切な事だと、ソロ観戦が多い私は思っています。

で、運良くチケット確保が出来たので、速攻で高速バスも予約します。
コレで行けるのは確定。
チケット確保が出来たので、鹿島アントラーズから求められていた情報をメールで送り、その返信にある情報を持って初めて、車椅子席での観戦が可能になります。
チケットあるだけじゃダメっていう場合が多いのも、車椅子席チケットあるあるかもしれないなって、書いていて思いました。
健常の頃こんな事した事ないもんな。
まぁ全員分こんなことしてたらパンクしてしまうやろって思うし、普通「何か」は起きないので、要らないんですよね。

高速バスに乗る!

当日東京駅の高速バスバス停は、大混雑していました。
人が多いと目線が低い車椅子は視界が奪われて、情報が得にくくなります。
行きたい場所が分からない。
行き先が提示されてる掲示板が、人垣で隠れちゃって見えない。
ああそうだったそうだった、コロナ前はこんなだった。
3年振りだからコツが思い出せない。困った。
放送で流れてくる「カシマスタジアム行き12時〇〇分発〇〇号1号車は3番、2号車は4番〜という音を頼りに、遠目に数字を探し目処をつけて突撃。
エンジ色と水色風味の人々が入り混じる所まで来てから係員に声をかけ、予約バス番号・時間を伝えると、名簿を確認チェックして、乗車のタイミングで声をかけてくれる事になりました。
車椅子を降りて畳んで預けて乗るのに、複数の方のサポートが必要なので、受け入れ側が段取り良く準備できスムーズに乗る為にも、事前に声をかけておく方が良いと思います。

乗車時間が来て声をかけられました。
私自身が何がどこまで出来るのか、どんなサポートをして欲しいのかを運転手さんが丁寧にかつ適切に聞き取って下さり、車椅子の積み方の注意事項も簡潔に伝わり、やり過ぎず、足りない事がない非常に適切なサポートをして頂きました。
JRバス凄い。
こんなスムーズなの初めてかもしれない。
驚きはコレだけじゃありませんでした。
カシマスタジアム行きだから、乗客は全員アントラーズサポーターかフロンターレサポーターなのは確定というのもあったのかもしれないけれど、乗り合わせた乗客の方々が
「何かお手伝い出来る事はありますか?」
と積極的に声をかけて下さり、荷物を席に置いてくれたり、乗り込むサポートをして来れたり。
お礼を言いつつとにかく感激。
身体的にはキツイんですが、気持ち的には一気にボルテージMaxです。
まだ東京駅を出るところなのにぃー!
鹿サポさん🦌もフロサポさん🐬も私がフロサポかどうかは関係なくとても親切にして下さり、本当に嬉しかったです。
ここで重ねて感謝いたします。ありがとうございました!

高速バスにはトイレがありますが、流石にトイレには行けないので、乗車直前にトイレは済ませ、一応事前の水分摂取は控えめにしておいたので、1時間半の乗車中特にピンチにはならずに無事カシマスタジアムバス停に到着。
隣の席の鹿サポさんが棚上の上着を取って下さり、乗車時にサポートしてくれたフロサポさんが、バスから少し離れたところから見つめてくれていました。
駅越えロングスロープの心配をしてくれていたのかな?本当に皆さん優しいな😭

下車は一番最後になるので、私はずっとバス内に残っていたのですが、バスの到着時間とバス番号を伝えていた友人がバス横で待っていて手を振ってくれていて、それに私が気づいて手を振り返したのを見て「あ、大丈夫なのね?」という風にコチラを見ているのに気づいて、目を合わせてお辞儀をしたら安心した感じでにこっとしてスタジアムに向かっていかれました。
こういう何気ない感じ本当にありがたいです。

友人と合流して、難所と思っていた駅越えスロープへ。

高速バスバス停からカシマサッカースタジアム駅へ向かうスロープ
カシマサッカースタジアム駅からカシマサッカースタジアムへ向かうスロープ

思った通りの超難所。
恐らく法定角度は守ってると思うんですが、それでもギリギリなのに、超長い。
降りる時は後ろ向きで下がらないと落車する角度だし、登りも後ろで支えてくれる人がいないとウイリーしちゃう。しかも自力でウイリーから復帰出来ない角度。
うーんコレはね、

車椅子ユーザー単独でのカシマサッカースタジアム観戦は、まぁほぼ無理です。

今回友人の協力があって、その他沢山の方々のサポートがあってどうにか往復出来たけど、正直かなり無謀なチャレンジだったなと思いました。

いざ、カシマサッカースタジアムへ!

車椅子席の入場口は一般入場口とは違うところにあり、チームからメールの返信があった時に電話もあって、場所を口頭で教えてくれたのですが、行った事がないスタジアムの構造を口頭で言われても正直ちんぷんかんぷんで、繰り返し聞いたところで多分理解できないなと思ったので、現地で聞く事にしていました。

でもまぁまずは、我らが鬼木達監督の足形を拝んでからですよね。

オニさんが鹿島からレンタルでフロンターレに来た時は「神様仏様鬼木様」と崇め奉られる程厚い信頼を一瞬で得ちゃったんですよ。
その後現役引退して、セカンドキャリアをフロンターレのスクールコーチでスタートしてくれてとても嬉しかったんですが、そのオニさんが監督になり優勝6回!
そんな日が来るとはねぇ(遠い目)。

とかうるうるしながら、インフォメーションを探すとすぐ見つかりました。
場所を口頭で説明してくれたのですがよく分からず、スタジアム見取り図を提示して説明してくれようとしたんですが、インフォメーションのテーブルが高すぎて私からは見えない。
なので友人が場所を確認してくれて、一緒に移動しました。
視線が低いって色々不便なんですよ。
コンビニのATMも高すぎて液晶が光っちゃって見えなかったり。
この辺がもう少しバリアフリーになると良いのになぁと常々思っています。

両チームサポーターの喧騒から少し離れたところに、車椅子席用の入口はありました。
チケットチェックと、チームから返信があった時に貰っている情報を伝えて、照合した上で車椅子ゾーンに出入りする為のその日限定のIDが渡されます。

そうそう、チームからメールが来た後に電話もあって色々細かい情報を伝えられた時に、繰り返し念押しされたのが

アントラーズ側を使うので、車椅子ゾーン以外ではフロンターレ風味を感じさせるものは全て外す事(キーホルダーやぬいぐるみもダメ)

という事でした。安全の為だと理解していますが、この念入り感が
「ああ、私は鹿島國に行くのだな」
と震える瞬間でもありました。

入場後は今回の目的のひとつでもある、スタグルへ。
友人の親戚の方が鹿サポさんで、私たちの分も合わせてモツ煮の列に並んでくださっているとの事。
長蛇の列に並ぶと車椅子のバッテリーを思いのほか消費してしまうので、このお心遣いは本当に有り難かったです。
で、モツ煮登場!

お、お、美味しいよぅー!
いっぱい出ているモツ煮屋さんの中でも、恐らく最高に美味しいお店のモツ煮だそうです。
具材たっぷりで暖まりました。

食べている間に選手紹介が始まってしまい、コンコースにごった返していたサポーターがみるみる減っていきます。
急いで車椅子席に行かなくちゃ!と移動しようとしたらアントンくんがぁぁぁぁ!

ちゃっかり写真を撮らせて貰って、大急ぎで移動。
誰もいなくなったコンコースでは、「こんなにいっぱいお店出てたんだー!」と驚く事しきり。
スタグルの充実度で超有名なのは知っていましたが、コンコースにこんなにあるって凄いわー。
モツ煮だけでは寂しかったので、メロンパンを買いました。
帰宅してから食べたけど、果汁タップリのクリームで美味しかったです。

さて、いよいよ魅惑の車椅子ゾーンへ。
IDを提示してエレベーターに乗り、車椅子ゾーンの入口の柵の前でもう一度IDチェック。厳重。凄い厳重。
でもその意味が直ぐに分かりました。

ババーン!
コンクリートの柵にくっつく感じでLEDの掲示板がくっついています。その直ぐ後ろが車椅子席。
ピッチサイドなんですよー!
しかも車椅子ユーザーが丁度見やすい高さ(ピッチから約50cm位高い)。
車椅子ユーザーになってから、こんなに至近で試合を見た事がない。
手を伸ばせば届きそう(届かないけど)。
目の前でグッとスイッチ入れてグンとダッシュする瞬間とか、目の前でスローインする瞬間とか、後半雨の中目の前で躍動する家長選手に鼻血が出そうでした。
コレはご褒美。
間違いない。
あらゆる苦難を乗り越えて、車椅子ゾーン迄たどり着ければ、そこには楽園が待っている!
鹿島サポーターの車椅子ユーザーが「カシマサッカースタジアム最高ですよ!」という意味を実感しました。
凄い。もう語彙が思いつかない。とにかく凄い。

後ね、トイレの充実度も凄かった。
「一般用のトイレも鹿島は多い気がする」って友人が言っていましたが、車椅子ゾーン至近の多目的トイレは10個位ありました。

そりゃぁね、車椅子ユーザーの観戦者が多いのもうなづけます。
コレだけ近ければ、IDチェックが厳重なのも理解できます。
いやぁ、凄いわー。
ジュビロ磐田のYAMAHAスタジアムが今までの最近だったけど、それを超えました。
ぶっちぎりのトップは鹿島!

暗闇の恐怖

大興奮のまま試合は終わり、試合内容でも「優勝したんか」という程興奮して(まだ第二節なのよな)、ここからの長丁場に備えてトイレに行き、入場口でIDを返却して外へ。

…暗い。

うわぁー、真っ暗ー。
まぁ夜だからね、暗くて当たり前なんだけれども、街灯がないからほぼ闇なんですよね。
ライト持ってくるんだったなぁ。
普段の試合観戦時必ず持っているペンライトも、バスに荷物預けるからと今回置いてきたんですよね。失敗したー。
全然道路が見えないから、舗装されてるところとそうじゃないところの境目がわからなくて、急に舗装されてない部分に突っ込んで「おおお?」ってなってしまう。
雨降ってるからタイヤが滑るし、さっきまでの興奮からの落差がありすぎて耳キーンってなりそう。
友人が帰りもバス停迄付き添ってくれる事になっていて本当に助かりました。

途中凄く危ないなと思った交差点があります。
バックスタンドから出てきた鹿サポさん達が駐車場に向かう人の流れと、駅と高速バスバス停に向かう人の流れが丁度重なる交差点。ここが凄く怖かった。
車椅子のいる部分が空間に見えるみたいで横から押されてしまい、押された側の車輪がエラーを起こして止まってしまったんです。
スイッチ切り替えてエラー復帰させるんですが、押されちゃうのは止まらず「車椅子がいる!押さないで」って言ってくれる人がいたり、丁度私の直ぐ後ろにベビーカーもいたみたいでもうカオスでした。

人が多いと、背の低い車椅子やベビーカーは明るい時でも埋もれてしまうので、危ないのです。
それに暗闇がプラスされると危険度爆上がりです。
あそこはとても危ないと思うので、もうちょっとスタッフの人員を増やすとか、動線を整理してぶつからないようにした方がいいんじゃないかなと思いました。

その交差点を越えてしまえば、その後は駅越えスロープ迄混み合う事もなく進めたのですが、スロープがまたとんでもない事になっていました。

駅は人でいっぱいで整理入場をしており、入場待ちの列がスロープの両端に(佐原方面・水戸方面)で出来ており、真ん中は通路で空いている筈なんですが、スロープを降りてくる人が途切れず上がる事が出来ません。
私が上がれずにいると、他の「上がりたい人」が後ろに詰まってしまい、押されて車椅子が動き「痛い」「すみません」の往復が続き困った事態に。

下にいる駅員さんから上にいる駅員さんに連絡がいったのか、しばらくすると駅員さんが降りてきて「車椅子が通りますー!お譲りくださいー」と言いながら先導してくださいました。
両端に人がいるので、幅はギリギリ。
雨で滑る中、後ろでサポートしてくれている友人が「少し左、ちょい右、よりすぎー」と声をかけてくれてぶつからないように気をつけつつスロープを上りきり、駅員さんにお礼を言って、駅越え後半戦の下りへ。
こちらは両端に人はいないので、前半戦程の緊張感はないですが、雨で滑る事は変わらないので、後ろ向きで下がるのはなかなかの難しさでした。
慣れない中サポートしてくれた友人に、感謝しかありません。ありがとう。ありがとう。

渋滞地獄からの脱出

駅越え出来ずにいる時点で発車予定時刻になっていたので心配だったのですが、往路のバスを降りる時に、復路の予約バス便を事前に伝えて共有して頂いていたお陰で、「置き去り」にはならず、運転手さんが待っていてくれました。
「あ、来た来た。こっちです。このバスです」
運転手さんの声掛けで、乗るバスも直ぐ分かりました。
友人にお礼を言って別れ、バスの乗り口へ。
遅れているのは分かっていたので焦って合羽を脱ごうとしていると
「渋滞で当分動かないからゆっくりで大丈夫ですよ」
と声ををかけてくださり、別の運転手さんが畳んだ傘や脱いだ合羽を車椅子の後ろに吊るした雨具用バッグに入れて下さったりしていると、乗客の方が「何かお手伝いしましょうか?荷物持って行きますよ?」と声をかけてくださいました。
私の隣の席の方だったようで、運転手さんとも話をしていたみたいです。
お言葉に甘えてクッションを座席に置いて頂き、脱いだ上着を上の棚に乗せて頂きました。
皆さんの親切が一層心に沁みた遠征旅となりました。
ありがとうございます。

無事にバスに乗り込み、私が最後の乗客だったようでバスの扉も閉まりましたが、
「只今周辺大渋滞中で発車が遅れる見込みです。しばらくお待ちください」
…でしょうね。
バスの周りは乗用車がぎっちり。バスが入り込む隙間はなさそうでした。
そこからざっと70分。
シーンと静まり返る車内。
1mmも動く気配のないバスの集団。
不思議な時空を過ごして、やっとバスが動き出しましたが、渋滞ノロノロ運転は変わらず。
まぁこうなるだろうと思っていたので、その分を勘案して東京駅からの帰路で最終電車に間に合えば良いと考えると、試合終了が18時より遅いとやはり日帰りは難しそうです。

その後潮来ICから高速に乗った後は順調に進み、都内に入った辺りで
「バスは只今90分遅れで運行しております」
との車内放送が。

1試合分じゃん(笑)

バスが東京駅に着いたのは、22時40分位。
自宅に戻ったのは0時前。
最終電車よりは早く帰って来られました。

カシマサッカースタジアムは、凄く良いスタジアムだと思います。
距離的にはそんなに遠くない。
でも行くのはとても難しい。

なかなかいけない桃源郷

というのがカシマサッカースタジアムかなぁ。
(桃じゃなくてメロンだけどね)

車椅子ユーザーは自家用車利用がオススメです!

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