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車椅子ユーザーJリーグ観戦記【ガンバ大阪/パナソニックスタジアム吹田】

【最終観戦2023年4月】

この記事は車椅子ユーザーが、公共の交通機関を使ってJリーグ観戦に行く行程をまとめたものです。
毎度のことながら、試合内容は一切出てきません。

行くぞ関西

Jリーグの試合日程が発表されて、まず最初最初に取り掛かるのは「行けるアウェイはどこか?」。

飛行機は自分の車椅子を預けて、飛行機専用車椅子に乗り換えなきゃいけない。
予約も別。チェックインも別(コロナ禍前が最終搭乗なので、今変わってるのかもしれないけど、預ける時車椅子を一旦可能な限りバラし、バッテリーは機内持込みし、車椅子を受け取って組み立てるのは変わってない筈)。
やる事多すぎるのと、自分の足である自車を使えないのはやっぱりちょっとウーンってなるんです。
そういう事情も勘案すると、首都圏在住車椅子ユーザーにとって、全行程電車で行けるアウェイはとても魅力的。
去年関西遠征時に、30年来の友人と待ち合わせて食事してとても楽しかったし、また来年も会おうねと約束してたから関西には絶対行きたかった。

候補はガンバ大阪戦、京都サンガ戦、セレッソ大阪戦。
京都サンガ戦はGWど真ん中。日程発表の段階で完全に出遅れだし、宿も高くて高くてどうにもならず、今年は見送ることにしましたが、ガンバ大阪戦なら行ける!
セレッソ大阪戦は秋だから、先ずガンバ大阪戦に行こう!
去年も一度行ってるからふんわり記憶が残ってるし、京都で友人と会ってご飯食べて大阪へ移動して1泊し、パナスタ行って帰って来れば良いかなとザックリ計画して移動動線上で価格がお安い宿先ず確保し、ガンバ大阪HPを熟読。

駅からパナソニックスタジアム吹田迄の車椅子ルートを明確に記してくれて、非常に分かりやすくてありがたい!
「ここなら段差無くいけるよ」って書いてくれると、スタジアム周りのバリアフリー状況は調べなくても大丈夫だし、アウェイの場合はスタジアム到着時点で既にバッテリーをかなり消費してるので、心理的負担がかなり減るんです。
この心遣いには毎回感激します。

経路は今回、新幹線で京都に入り、近鉄線ー京阪線を使って大阪府内へ入り1泊。
翌日、京阪ー大阪モノレールと乗り継いでパナスタへ。
試合後は、大阪モノレールー阪急ー大阪メトロと乗り継いで新大阪から新幹線利用という関西電車の満喫コース。
初体験の経路もあるけど、色々観察してみようと思いつつ、一般チケット販売日を迎えました。

アウェイ車椅子席あるある

車椅子席がどういう風に設定されているかなんですが、車椅子ユーザーでアウェイサポーターというとマイノリティ中のマイノリティなので、かなり雑な扱いだなぁと感じるチームがあるというのが正直な感想です。

席についてはホームアウェイ混合で販売されるのが一般的なので、去年初めてガンバ戦のチケットを買った時も、この席の並びをみて「混合席なんだな」と判断して、アウェイ寄りの席を買いました(1番右の端っこ)。
当日席に着いたら、「アウェイグッズはご利用頂けません」と言われて絶句。
「一般販売開始と同時にアクセスして、1番アウェイ寄りを買ったんですが?」
「車椅子席ではアウェイユニは脱いで頂かないと困ります」
ええ!着れないって何?!って話じゃないですか。
ビックリしちゃいますけど、実はこういう運用しているチーム、他にもあるんです。
「アウェイゴール裏でしかフロンターレを応援できないなら、買えればその席を買いたかったです。売ってくれてないですよね?」
と現場で揉めて、結果買った席では観戦出来ず、アウェイゴール裏コンコースに移動したという経緯があり、今年の一般チケット販売時も、買えた席は去年と同じ席。
嫌な予感しかしません。
当日揉めなくないので、事前に問い合わせる事にしました。
交渉は大事。不安は事前に取り除く努力をしなくては!
チケット確保と同時にメール送信。
週末試合があるから、月曜スタッフはお休みかもなと考えて、のんびり待つ事にしたのです。

が。

待てど暮らせど返事が来ません。

…もしかして、お手紙食べちゃいました?

アウェイの洗礼にしたっていけず過ぎない?

「ガンバさん、お返事下さい」と泣きのツイートをしてから数日経って、やっと待ち焦がれた返信が!

昨年同じ理由で何度も揉めたらしく、
「運用方法を改めて、購入した席でアウェイグッズを使用して良い事になりましたのでご安心ください」
とのこと。
良かった!良い方向に運用が変わったのは嬉しい変化です。
「アウェイグッズを着けて応援したい」
この願いが叶うかどうか分からないのは悲しいので、全てのチームに届いて欲しい!(切実)
とにかく最大の不安点は解消されたので、後は行くだけだー!

迷宮京都駅

友人とは京都駅中央改札口で待ち合わせていました。
私は何の迷いもなく新幹線中央改札口から駅外に出てしまったのですが、目の前の景色が去年と違う気がする。
なんで近鉄の駅が目の前に?アレ?
新幹線の到着時間を知らせていたので、改札口で待っている友人から「何処にいるのー?」とDMが来て「あ、間違えた!」と気付きました。
去年は京都サンガ戦の後、京都駅迄戻って改札口で待ち合わせたから、在来線の中央改札口だった!
構内地図を見て中央口に行こうとして、エレベーターを使い中央口らしい所に来たけど景色が変。
なんか3Fのテラスなんですけど?
テラスの下に中央改札口が見える……けど、どうやって行くの?
エスカレーターと階段しかないよ?え?
「改札口の上のテラスにいるよー」
とDM送って中央改札口に向かって手を振ったら、通りすがりの叔父様が思い切り手を振り返して下さり「ええ…(困)」となってしまったり。
友人がDMで私の居場所が分かった様で、「今行く!待ってて」とエスカレーターで上がってきてくれました。

1年ぶりの再会でお土産交換!

ああそうだ、蘇る1年前の記憶。
去年駅ビルで友人と夕飯を一緒に食べた後、1Fに出る手段が分からなくてウロウロしたんだった。
駅ビルのエレベーターは夜は3Fの下は地下駐車場にしか止まらず、1Fに出られなくてエレベーターを上がったり下がったり。
地図をみても他にルートが見当たらず、でも出られないなんてある筈ないし。
去年はまだ人も全然少なくて、通りすがりの人も見当たらず途方に暮れたんですが、結局凄く奥まった分かりにくい所に1Fに出る為のエレベーターがあって、ダンジョン脱出に成功したのでした。

「一度間違えると、間違えた通りの経路で覚えちゃって同じ過ち繰り返すよねー」

オシャレに特化すると分かりやすさからは遠ざかっちゃうのは、何処も同じなんだなぁ。両方兼ね備えられたら良いのにねぇ。
1Fへ出るエレベーターの場所は本当に分かりにくいので、もう少し分かりやすい表示が欲しいなぁ。迷う人結構いると思う。

食も遠征の醍醐味

遠征の良いところは、折角行くんだから現地での食事だったり観光なんかも楽しめるところ。
「アウェイ遠征」というキッカケがないと行く機会もなかなかない地域だし、行くからには調べるからワクワクがそれだけ増えます。
他チームサポーターさんが遠征してツイートしてたお店に行きたいなぁとか、そんな妄想を膨らませるだけでも楽しい。
で、今回私が目をつけていたお店を友人に伝えたら「可愛い!行きたい!」と即決。
京都駅の駅ビル内で、移動が少なくて済むのも良かったんだけど、予約が出来ないことと、1日の発売数量が決まっていて夕方だと完売してる可能性もあったので、他の候補もふたつ位選んでおいて、後は当日勝負に賭ける事にしていました。
去年と比べたら段違いの混み合い方に驚きつつ、お店で整理券を受け取ると「まだイケた!」ひゃっほう!
30分程並んで店内へ。
キター!

玉手箱 だぁー!

美味しく食べてお喋りを楽しんで、
「秋観戦チケット取れたらまた会おうね!」
と約束して、宿で食べる豚まんを買って別れました。

やっぱ551は食べとかないとね!

この日は寝屋川の宿で1泊。
翌日、一旦枚方市迄戻って行かねばならない場所がありました。

枚方名物鳥重弁当車屋さん

キッカケは、フロンターレの車屋選手が大活躍してTwitterが湧きに湧いてた時に、
「え?なんか褒められてる?」
って車屋弁当さんが勘違いレスをしたというもの。
フロサポのノリと車屋さんの中の人のノリがシンデレラフィット。
アレよアレよと盛り上がり、フロサポが枚方に押し寄せる事案が発生。
こういうムーブを見逃さないフロンターレ運営にしっかり捕捉され、新幹線で等々力までお弁当を配達するイベントを組み、予約開始した途端アクセス殺到でサーバダウンさせる狂乱っぷり。
この「祭り」を知った他チームサポーターさんがお店に行ったりと、輪が広がって行くことに感動された車屋さん、なんと翌年から川崎フロンターレのサポートショップになり、ティアモ枚方のスポンサーにもなっています。
お弁当を買いにお店に訪れた記念に推しチームのグッズが奉納され、祭壇がドンドンゴージャスになっていってます。

もはや何屋さんなのか(笑)

勿論、鳥重弁当も美味しいので、枚方に行った時には是非お立ち寄りくださいませ。

車椅子サポートの東西の違い

今回関西の私鉄5社を利用してみて、電車利用時の車椅子サポートで関東と関西で決定的に違う部分に気付きました。
エスカレーターの右を空けるか左を空けるかが違うように、車椅子サポートにもそんな違いがあるなぁと。

関東は、駅改札の有人窓口で「電車乗降時スロープを渡す」依頼をすると、その場で待つように言われて、駅員さんの先導でホームへ向かいます。

関西も、駅改札の有人窓口で「電車乗降時スロープを渡す」依頼をする所までは同じですが、その先は現地集合現地解散が基本らしい。
「ホームの足元6番の番号辺りでお待ちください」などと、待ち合わせ場所を言われて放流されます。
私も普段通勤で使用してる駅などでは、現地集合現地解散方式で乗車していますが、顔見知りじゃない駅員さんだと「こちらでお待ちください」と呼び止められちゃったりするので、何処へ行っても「現地集合」方式だったのは新鮮でした。

どちらが良いかは個人の好みもあると思うし、慣れない場所だと反対側のホームに行ってしまって、スロープ持った駅員さんが反対側に現れて「間違えたー!」ってなっちゃうこともあるから何とも言えません。
ただ、肌感として車椅子ユーザーが電車に乗ってる姿を、関西の方が多く見かけた気がするので、それだけ利用者が多いっていうことなのかもしれないなぁと思いました。

こういう違いを発見出来るのも、普段の行動範囲以外の場所へ行けばこそ。
健常だった頃程あちこちには行けないけど、それでも充分冒険出来てるし楽しいんです。

大阪モノレールは神

昨年車椅子ユーザーになってから初めて大阪モノレールに乗ったのですが、その時ビックリしたことがあるんです。

乗降時にスロープを渡して貰うサポートが必要ない!

健常の方だといまいちピンと来ないかもしれませんが、コレ、凄いことなんですよー。
乗りたい時に乗りたい場所から乗れて、気まぐれに降りるのも自由自在。
駅探で調べた通りの時間に着ける。
普段は駅探で調べた移動時間の1.5倍〜2倍増しで計算して移動しているので、逆に調子が狂うという本末転倒な事が起きてしまう!

首都圏だと、東京メトロの丸の内線と都営地下鉄大江戸線の一部乗り口がスロープなし乗降に対応してるんですが、東京では「本当に(駅員のサポートが)必要ないか」を何度も確認されるので、普通にスーッと行けてしまう感覚は何ていうかね!アトラクションみたいな興奮があるんですよね。
去年の遠征時はまだ交通系ICカードに対応していなくて、切符を買わなきゃいけなかった記憶があるんですが、今回遠征時は交通系ICカードもバッチリ対応してくれていたので本当にスムーズでした。

パナソニックスタジアム吹田

さて、いよいよパナスタへ。
車椅子入場口はエレベーターの目の前で、チケットで座席位置を確認後、座席までスタッフさんがエスコートして下さいます。
マンツーマン体制でのエスコートは、ガンバ大阪だけな気がします。
去年は試合後も、席近くでスタッフさんが待機していて、退場口迄エスコートして下さったんですよね。
すごく丁寧なエスコートで恐縮してしまう位でした。
車椅子席はこんな感じです。

2022年の画像ですが、今年も同じ席(1番右の端っこ)
車椅子席の一番右端からみたピッチ

パナスタの車椅子席の良いところは、前の席の健常の方が立ち上がってバンザイしても、車椅子の目線からはピッチが見えること。
ちゃんと計算して設計してるんだと思います。

中間のコンコースを車椅子席に設定しているスタジアムは結構多いんですが、車椅子席の前の席の人が立ち上がってしまうと、車椅子利用者は前が全然見えなくなっちゃうスタジアムが結構多いのです。
立ち上がる事が不可能な車椅子利用者が、「見えなくなっちゃう」ストレスを全く感じなくて良いって凄いです。
新しく作られるスタジアムに、このスタイルが取り入れられていくと良いなぁと思います。

多目的トイレも、凄く綺麗。
広さも充分あるし、もしかしてショールーム的な感じで最新版入れてるんでしょうか?と思う程。
個室の広さを確保している分、数が少ないのがちょっと残念な点かなぁ。
車椅子ユーザーはトイレに時間かかる人が多いので、絶対数が少ないと色々困る事も起きそうな気はするけど、そこら辺は観戦者が各々計算して困らない工夫で乗り切るしかないかな(試合前にトイレは済ませるとか)。
今年のガンバ大阪戦では、車椅子ユーザーの観戦者がとても多いなぁと感じましたが、これだけ環境が整っていれば来やすいよね!と納得しちゃうし、来年もまた来たいと思う説得力は充分過ぎるほどありました。

とにかく突き進め!千里中央駅

今回結構多くの路線と駅を利用したのですが、去年も迷って今年も「アレ?」って不安になっちゃったのが、千里中央駅の乗換えでした。
千里中央駅は、ショッピングセンターの中を端から端迄移動して乗り換えるのですが、徒歩移動の人が途中で階段を使って他の階に移動して行っちゃうので、「え?」ってなってしまうのです。
この経路上に地図等が見当たらない事や、乗換案内の掲示も目立たないので(景観重視なのかな?)、エレベーターを探してウロウロしてしまいがち。

案ずるな!突き進め!エレベーターは端っこだ!

乗り換える為にエレベーターを2回使わなければいけないのも、初心者泣かせの心憎い演出(?)。
不安になっても自分を信じてとにかく進むべし!

バイバイ大阪!また来るよ!

千里中央駅を無事クリア出来れば、新大阪駅はすぐそこ。
今回関西電車満喫コースで旅をしてみて、交通系ICカードで「ピ」で入出場出来る気楽さを再認識したのと

幅が広い改札口の上にマークが欲しい

と思いました。
駅によって幅が広い改札の場所がまちまちで、混雑しているとどの改札が広いのか分からなくて、迷ってしまうんです。
流れに乗ってついて行ったはいいけど、入れる改札がなくて詰まっちゃった事もあったりして、マークがあると助かるなぁと。

2日間結構な距離を移動して思いのほか疲れてしまい、「ちょっと甘いものが食べたいな」とおもい、新幹線乗車前に空いていたキオスクに駆け込んでオレンジジュースとシュークリームを買って、無事乗車。
楽しかったなぁと思いつつ「シュークリーム食べよ♪」と手に取ったら…

カルネ甘くないじゃんー!

次回は粉物とかもっとチャレンジしたいぞー!

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