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アーサナの練習


アーサナの練習では、「アヒムサ」を大切に、と言う。
大抵は、ケガをしないように、という文脈で使われる。
深く入りたくて、完成させたくて、もう何のための練習なのかもどうでもよくて、ただただ、「できない」から逃れたくて。
そういう練習の仕方をすると、身体を痛める原因になりやすい。
だから、できない自分を責めてはいけない。ポーズの完成を目指すのではなく、心地の良いところを探す。
内観する。
今、そうであるという状態そのものを見つめる。
多分、それがアーサナの練習だ。

ポーズじゃない。

「できない」から逃れるために進むのは苦しい。
カルマを産むだけだ。

アーサナと向き合い続けると、あるとき、ある瞬間、あらゆることが腑に落ちることがある。
細胞レベルで自分の身体がどのような状態にあるかが見える。
あそこをこうして、ああして・・・という「アライメントの声」が消えて、完全な静寂の中で、全部がぴたりとはまっている状態。
一瞬と永遠が同時に起こる感覚。

呼吸や集中力で、近しい状態を作ることはできるけど、そこにすとんと入ると、世界が見える感じがする。

私には、それがアーサナの醍醐味だ。
それは、ただそこにいて良い、深めなくていい、呼吸を感じ、心地よい場所を探す、だけでは辿り着くのが難しい。
かといって、修正し続けることも苦しい。
両方が必要なのだ。

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