ドイツ語初心者レベルの私が、産科の病院への予約を乗り切るまでにしたこと

【ドイツ語初心者レベルの私が、産科の病院への予約を乗り切るまでにしたこと】

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今回は【ドイツ語初心者レベルの私が産科の病院への予約までにしたこと】をお話ししようと思います。

①ドイツ語を勉強した。

まずは当たり前ですが、ドイツ語の勉強をしました。けれど、出産まで時間が数ヶ月しか残されていませんでした。産科への予約は出産の更に前。なのでとにかく、ピンポイントで絶対に使う言葉を中心に覚えていきました。

以前のnoteでも書きましたが、ドイツ語の勉強はドイツ語で書かれた出産にまつわる本を全て翻訳し、そこから医療用語を覚えました。病院で使う言葉のフレーズもその本から学びました。数ヶ月かけて分厚い出産の本を全て翻訳していると、同じような言い回しや同じ単語が何度も出てくるので自然と医療用語を覚えられました。

②聞かれるであろう質問を予め聞いておき、ドイツ語でスラスラ答えられるよう練習した

そして産科の予約をする前に、「予約の際に助産師さんから何を聞かれるのか?」を医療通訳さんから事前に聞き、それをドイツ語でスラスラ答えられるように練習しました。ドイツ語が流暢でない事が分かると、助産師さんから「あなたドイツ語話せないの?」と言われたら最後。受け付けてもらえなくなってしまう為、予約の際には助産師さんの話していることを「一度で」聞き取る事が大事だなと思いました。毎日家でドイツ語の音声を聞いてヒアリング力を鍛え、質問に即座に答えられるよう何度も練習し、暗記してから予約に挑みました。

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③バースプランを医療通訳さんに書いてもらう

予約時に必要な書類の中にバースプランが含まれます。バースプランは特に無くても良いのですが、無くて助産師に「バースプランないけれど良いの?」と聞かれた場合、きっと私はあたふたしてボロが出るだろうと思ったので、予め用意しておき、聞かれたらさっと出せる様に準備しました。長女の時は日本で出産したのでバースプランは提出しなくても何も困らなかったので、本当は次女の出産でも特に希望は無かったのですが、今回は日本では無くドイツでの出産。とにかく助産師さんの前で下手なドイツ語を話して私の下手なドイツ語能力がバレないよう、必要最小限のドイツ語で済ませられるように突っ込まれるだろう所は全て答えられるように準備しました。

そのバースプランは、ネイティブである医療通訳さんにお願いして書いてもらいました。私の下手なドイツ語で書くと一発でドイツ語能力がバレてしまい「あなたドイツ語出来ないの?」と聞きかねられないと思ったので、自然なドイツ語で書く事が必須だと思いました。なので医療通訳さんにお願いし、ネイティブの書くバースプランと違わないドイツ語の表現で書いたものを提出しました。

このバースプラン。私は特に何も希望が無かったので、日本語で考えるのでさえも少し時間が掛かってしまいました。しかし、何でも良いから書いた方が良いと思ったので簡単にですが無理矢理考えて書いてもらいました。

そんな感じなので私のバースプランはあまり参考にならないと思いますが、一応内容を載せておきます。

・夫の立ち合いを望んでいる

・陣痛中はアロマオイルを焚いてヒーリングミュージックをかけながら過ごしたい

・水中出産を希望している

・または天井からぶら下がったロープに捕まって座った体勢でお産をしたい

・陣痛中助産師さんでも夫でもどちらでも良いのでマッサージをしてもらいたい

という事を文章で書きました。希望は無いと言いつつ、意外と書いてますかね?笑 「とにかく何か書かないと!」と思ったので、苦し紛れにそれっぽく書きました。笑

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【そして、いざ予約】

予約をするのに、電話で予め病院に連絡し、いつの何時くらいに行けば都合が良いか?確認してから行った方が良いと思ったので電話を掛けると、直ぐには繋がらず数回掛けてやっと繋がりました。やっと繋がったと思ったら、案の定、助産師さんは忙しくて少しピリピリしていました。

助産師さんは電話口で、「予約に来られるのはいつでも都合が悪い。いつも忙しいから。」と言われてしまいました。しかし、ここでひるんでいてはダメなので「忙しいのは重々承知です。だからこそ、私はあなたの都合が良い時間に行きたいのです。ですから時間を指定して貰えるとありがたいです。」と、へり下って何とか聞き出すと、「夕方なら比較的空いてるかもしれないけれど、出産はいつ誰が来るか分からないからそれも確実では無い。何時間でも待ってもらう事もあるわよ。」と言われたので、「それでは夕方行きます。何時間でも待ちますから問題ないです。」と言い電話を切りました。この助産師さん、電話口でも既にピリピリしていて怖かったので、『予約に行った時は、テキパキ答えて少しでも助産師さんの機嫌を損ねないよう細心の注意を払わねば。』と思いました。笑

ドイツは役所でもそうなのですが、担当者の機嫌次第でだいぶ対応が変わってしまうので、こういう時は機嫌を損ねないよう注意を払うのが我々外国人には無難なのです。笑 電話口からも緊張感が漂っていたので、私もこの圧力に負けないようしっかり自分の言いたい事は主張して予約しなければならないな!と気が引き締まりました。

予約へ行く際、バースプランと妊娠中の経過報告が書かれた書類、婦人科の医師の同意書など10枚くらいの書類を持って病院へ行きました。

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ピリピリした助産師さん

夕方病院へ着くと、やはり助産師さんはみんなバタバタしていて忙しそう。1人の若くて優しそうな助産師さんに声を掛けると、「それは私の担当じゃないから、私の同僚に声を掛けて。」と言われました。指差す方を見ると、電話で話したピリピリした態度の、あの助産師さんが担当者です。

やっぱりあなたですよね、担当者さんは・・・。

そのピリピリした助産師さんに恐る恐る声を掛けると「いま忙しいから後でにして。」とピシャリと突き放され、どこかへ行ってしまいました。やっぱり怖い!

どのくらい待つのか?どこで待ったら良いのか?分からずにいると、違う助産師さんが「奥に椅子があるからそこで待ってて。」と教えてくれました。奥に椅子があるのを知らなかったので、教えて貰えて良かったです。ピリピリした助産師さん、それくらい教えてくれても良いのになと思いましたが、忙しいと余裕はないですよね。

椅子に座っていると何度もそのピリピリした助産師さんは私の横を通り過ぎました。30分くらい待っているとそのピリピリした助産師さんが「あなた予約に来たのよね?もう少し時間かかるけど、その前に書類を見せて。」と言ったので書類を渡すと、またどこかへ消えていきました。

それから10分後、私の後にもう一人の妊婦さんが予約に来ました。外国人でした。彼女と話してボロが出るといけないので私は彼女に挨拶だけして、それ以上は話しかけずにいました。そして、話しかけないでオーラを放ちました。笑 

ピリピリした助産師さんが戻って来ると、「時間が出来たから、今のうちに予約の手続きをしましょう。」と言いました。どこに住んでいるか?今までの妊娠中の様子はどうだったか?などいくつか質問されました。

ピリピリした助産師さんは、陣痛が来てからどのくらいで病院に来て良いか?など、出産当日の流れを話してくれました。病院側からの書類を一読する様に言われ、それに同意出来るならばサインをして、と言われました。なので、一読してからサインをして無事、私の手続きは完了しました。これでようやく、いつ出産が来ても大丈夫な状態になり、やっと安心出来ました。

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私の隣にいた外国人妊婦さんのその後

実は私が書類に目を通している間、ピリピリした助産師さんは私の隣に居た外国人妊娠さんにも話しかけていました。しかし、その外国人はドイツ語が全然話せないようで、話しかけられてもおどおどしてしまって何も答える事が出来ないでいました。助けてあげたいけれど、そこで私のボロが出たら全てが終わるので何も出来ませんでした。涙

ピリピリした助産師さんは「あなたドイツ語出来ないの?1人で来たの?ドイツ語が話せないなら手続き出来ないわよ。」と怒り出しました。その外国人妊娠さん、何を言われてるか分からなかったよう。英語で話していましたが、ピリピリした助産師さんには通じていない模様。しかし、ピリピリした助産師さんの殺気を感じてか?その外国人妊娠さんは誰かに電話をかけ、ピリピリした助産師さんに電話を渡しました。ピリピリした助産師さんが電話を受け取ると「あなた誰?私は助産師なのだけれど、彼女ドイツ語が話せないから手続き出来ないわよ。」と。その後しばらく電話口でもめていましたが、話し終わるとピリピリした助産師さんは電話を切りました。

やはりドイツ語が話せないと助産師さんは怒って予約を拒否するのだ、という事を私も目の当たりにしました。

10分後、外国人妊娠さんの旦那さんらしき人が病院に現れました。ピリピリした助産師さんはまた「ドイツ語が話せないなら手続きも出産もここでは出来ないわよ!」と言い放ちました。旦那さんが「手続きは今やれば僕が居るから大丈夫でしょ?出産の時も僕が立ち会うから!」と言いましたが、助産師さんは「あなた仕事あるでしょ?本当に確実に一緒に来れるの?来れないなら絶対認められないの!そうなった場合、奥さんずっとまっていないとならないのよ。それはリスクだから受け入れられないの!」と助産師さんも負けません。旦那さんは「僕の母親が立ち会うから!」などと言ってどうにか説得しようとしていました。2人が大きな声で揉めているので、ピリピリした助産師さんの同僚も来て「どうしたの?」と尋ねていて、段々おおごとになってました。汗  その後、そのお母さんも今すぐ来て立ち会えるかどうか?直接聞かないと予約は出来ない、という話にまで発展してました。汗

こんな具合で、手続きを断られている人を見て、なおさら自分は手続き出来て良かった、と安堵しました。こんな時にとばっちりを受けては大変なので、みんなが揉めている間にそっと私は帰って来ました。笑

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まとめ

ドイツ語が流暢な人にとっては何でもない、ただの予約ですが、私にとっては試練でありおおごとでした。産科の予約を断られている日本人妊娠さんや目の前で断られている人を直接見て、やはりドイツ語が話せないと出産は出来ないのだという事がはっきりと分かりました。病院は命を預かる所ですからドイツ語が話せないと大変な迷惑を掛ける事になるのですから当然です。

私は数ヶ月かけて、独学でドイツ語を勉強し無事予約が出来たので、その時は達成感で一杯でした。いつ出産になっても受け入れてくれる病院があるという安心感はとても大きいものです。やり切った感が既にありました。それは、これから出産というもっと大変な事が待っているのも忘れるくらいの安堵でした。笑 終わってしまえばあっという間で、短い時間でのやり取りでしたが1つ1つ問題をクリアしていく事で、出産に向けて一歩ずつ準備を整えていったのでした。

以上、【ドイツ語初心者レベルの私が、産科の病院への予約を乗り切るまでにしたこと】でした。


ありがとうございます。










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