砕けた感情(before ver)

あの日のことだけは今でもよく覚えている。

逆に言えばそれ以外の事はずいぶんと忘れてしまった。

大事だったものも中には多い気がする。

当時からなんとなく寂れてしまった風景に惹かれる傾向があったのは私の精神的側面が強いのだろう。

実際、時折自分が今にも壊れそうな感覚に襲われることがある。

もし、自分がガラスのように粉々に砕け散ってしまったらどうなるのだろうか。

それでも世界は回り続けるだろうし、地球が砕け散っても宇宙規模で見たら誤差だろう。

結局、忘れてしまったことすらどうでもいいはずだ。

それでも、どんなにくだらなくても私にとっては大事なものだったと今は思う。