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農家という生きもの

今日は隣町の先輩農家さんのところへ。去年から大豆脱穀の機械を使わせてもらってます。
買うと100万円以上する機械。出番が年に1回とかのこういう専用機械は、みんなで使う方がいい、と先輩。おかげで大豆の脱穀はあっという間に終わります。ありがたいことです。脱穀で終わりではないのが大豆。これから地味な手選別作業が続きます。

果樹に米に野菜、マルチに栽培している先輩。年中暇なしなのに、去年の猛暑で大豆も不作、さらには果樹の盗難被害まであって、全然お金にならなかったそう…。
こんなに働いて働いて、日銭稼げないって、何ともおかしな話だよな、と本当に思う。
衣食住が生きるのに最低限必要だとして、農業は、誰にとっても必要なものを生産する仕事だと思うのだけど、仕事に見合う対価をもらえていないのではないか。
食べないと生きられない私たちにとって、食べ物が誰でも買える値段であることは大切なのだけれど、いいものをより安く、ではなく、いいものを適正な価格で買いたい、と考える消費者は減っているのかもしれない。

いいものを適正な価格で買うことで、生産者はいいものを生産しつづけることができる。仮に輸入が途絶えたとしても、国内に持続可能な農業が根づいていれば供給は続く。
適正価格ってどれくらいなんだろう、と考えることは、そのものの背景を想像することでもある。自分の手に届くまで、どんな過程を経てるのか、どこの何から作られているのか、誰が作ったのか、どこから運ばれてくるのか…気になったものについて調べてみるのもいいな、と思いました。

私たちは、自分たちの販売する野菜の価格を自分たちで決めます。決して高いとは思いませんが、スーパーでみる野菜よりは高いかもしれません。
買ってもらえるかもらえないかは、買い手に委ねます。ただ値段だけ見比べて、「あっちのお店では〇〇円で売ってたよ」と言われたこともあります。
そういう方は、あっちのお店で買った方が満足度が高いでしょう。私たちの野菜の背景を想像して、食べてみて、この値段でも私たちから買いたい、と思ってくださる方たちがいる。まだまだ生活に余裕はありません。だけど、買ってくださる方たちのおかげで、畑を続けています。
今シーズンの野菜定期便、今月で終了しました。今シーズンもありがとうございました。また初夏から再開します。

先輩と近況報告して、まだ自分たちもできることがある、と気づきをもらいました。今年も日々、新しい発見があるでしょう。

今日はお世話になっているりんご農家さんにもばったり。
今年はとても暖冬で、りんごの芽が早くも動き出しているよう。これで早春に強い霜がきたら枯れちゃうから、今年危ないかもしれない、と。
どこかの果樹農家さんは、霜被害を防ぐために、木の下で夜通し焚き火し続けることもあるのだとか。まさか!とびっくりしましたが、本当にあることなんだそう。
まだまだ知らないことがたくさんあります。

今のところ今年はあったかいし雪がとても少ない。これくらいの雪が時々降る程度。

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