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雨上がりの


雨ばかりが続く日々に慣れつつある。

以前ほど雨は嫌いではなくなった気がする。
雨が降ると洗濯物は乾かないし部屋はじめじめする。
晴れの時ほど出かけたいとも思えないし、身体が不調になるのも困りものだ。

雨合羽を着ての運転も悪くない。スリップは怖いけど。
雨の匂いや雨が降りだしそうな匂いがすると少しうきうきする。
長靴をカポカポ鳴らしながら歩くのも、傘にぽつぽつ当たる音も良い。

今年の梅雨はムシッと感がなく、まだそれほど夏を実感してない。
むしろ朝晩は少し肌寒い日もあるくらいだ。

少し前までは、心の中を表しているかのような、感情に任せたような荒れた天気だった。
全国各地を荒し、未だかつてないほどの長時間で大量の雨。
建物の中から雨の様子を伺う。
ザーザーと音を立てて降る雨に不安を感じたり、しとしと降る雨に安らぎを感じたり。


普段目にする山は、1つに連なった大きな壁の様にも見える。
私の住む町は、三方向を山が囲み、一方向は海という広く閉ざされた空間。

雨が上がる前や雨上がり、山間には雨上がりの霧が立ち篭める。
雨上がりの霧が山全体を飲み込んだ時、山々がグラデーションの様に立体的に浮き出てくる。
普段1枚の壁の様に見えるそれらは、いくつもの山が重なり合い、山脈となっていることを魅せるのだ。

それは昔物語のような水墨画のような風情漂う景色。


ここ数日は雨が降らない日も増えてきた。
今年の梅雨明けは予想が難しいらしい。
雨が降らない時は蝉の声が聞こえるようになった。
まだ目覚めていない者もいるのか、あの大合唱には及ばない。

今年の夏は何をしようかな。
ほんの些細なこと、まだ経験していないこと、色んなことを経験をしてみたい。
閉ざされた小さな世界じゃなくて遠く広く色んな景色を見てみたい。

あなたはどんな夏にしたいですか?


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